今週の土曜日はアイスランド全国で地方自治体の選挙が行われます。日本と同じで四年に一回の定期的な選挙になります。国会にあたるAlthingiアルシンキの議員の選挙も四年任期制です。国会は日本とは異なり一院制です。また日本のように議会の解散による選挙はまれなようで、わりに粛々と四年の任期ごとの選挙が普通のようです。
アルシンキの選挙については昨年も書いたことがありますので、よかったらそちらも参照してみてください。
この国で選びたい! 選挙権と国籍
アイスランドの新しい門出
さてアルシンキとは異なり、今週末の地方選挙 -私個人に関してはレイキャビク市の選挙になりますが- 私も投票することができます。さらにいうと投票するだけでなく、立候補することもできます。しませんでしたが。
これは2002年に法律の改正があり十八歳以上で五年以上継続してアイスランドに居住している外国人にも地方選挙の道が開かれたからです。(北欧人は以前より別枠でしたがここでは触れません)
そういう風に身近になった地方選挙なのですが、今回の選挙、私はどうも強い関心が持てないでいます。政治に関心がないわけではないですし、2006年以来VGという「緑の党」に加入しているのですが、やはり地方選挙というのは理想よりも「実利」が複雑に交錯しますので、必ずしも自分が所属する党に賛成できないこともあります。
というわけで、いまだにどこに投票するか決まっていません。ちなみにこちらでは各党が日本でいう比例代表名簿を作成提出し、そのリストを選ぶ選挙となります。したがって、常日頃政党活動をしていない人たちが、あるテーマを主張して団結してリストを作成して選挙に参加することもあります。
さてレイキャビク市の今回の選挙ですが、人気のある現市長のヨウン・グナール氏(本職はコメディアン)が政治からの撤退を表明したため票が分散するという見通しが出ていました。
人気のある(ワタシは理解できませんが)グナール現市長
それでも代わりになる市長の器が限られているようで、選挙一週間前のリサーチではサムフィルキング(社会民主党)を率いるダーグル・エッゲルトスソン氏が「望ましい次期市長」として63%を獲得しています。
「票が分散する」という予想が裏付けられているのは、政党別支持率では社民党は29,5%に留まっていて、ダーグル氏の支持の半分に満ちません。各党の支持率は次の通りです。
社民党29,5%、明るい未来党(旧ベスト党、グナール市長の党)24%、独立党21,1%、緑の党9%、ピラター(直接民主主義的な党)8,2%、進歩党(現首相の党)5,3%、夜明け党(諸派の寄り合い的党)2,6%。
これを市議会議員数に換算すると、社民党5、ベスト党4、独立党4、緑の党1、ピラター1、その他0。
現首相のシグムンドゥル・ダヴィ氏の進歩党(という名前の保守党)はもともとが農村の支持基盤でレイキャビクでは弱く、過去四年の期間も市議会議員を持てないできています。
そこで奇を衒ったわけでもないでしょうが、先日進歩党のリストのトップの候補が反イスラム教的な発言をしてマスコミの関心を集めています。
現在の市の中枢委員会はモスク建設のための土地を分譲する決議をしています。十年以上もかかった案件でした。ところがここでも「イスラム教アレルギー」はかなり強く、モスクに反対するグループのFacebookには三千人もの人が参加しています。
進歩党のリストのトップ候補者は「モスクのための土地分譲を撤回する」と発言したのですが、これにイスラムアレルギーの市民が飛びついたわけです。ウソのような話しですが、この「反イスラム効果」で進歩党は市議一人を確保できる支持に迫っているとのこと。
この「イスラムアレルギー」については改めて取り上げてみたいと思うのですが、いいかげんウンザリさせられます。アイスランド国民教会のアグネス監督(女性)はインタビューで「信教の自由は憲法で定められており、イスラム教徒も自身の礼拝施設を持つことは当然」というコメントを発しています。
私もその意見に賛成で、レイキャビクでのモスク建設はひとつの案件。世界から伝えられるイスラム関係の理不尽な出来事はその出来事によって批判されるべき別の案件だと考えます。
それにしてもこれだけ積極的な魅力のない選挙はこちらに来てから初めてです。どうしたものか...???
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
アルシンキの選挙については昨年も書いたことがありますので、よかったらそちらも参照してみてください。
この国で選びたい! 選挙権と国籍
アイスランドの新しい門出
さてアルシンキとは異なり、今週末の地方選挙 -私個人に関してはレイキャビク市の選挙になりますが- 私も投票することができます。さらにいうと投票するだけでなく、立候補することもできます。しませんでしたが。
これは2002年に法律の改正があり十八歳以上で五年以上継続してアイスランドに居住している外国人にも地方選挙の道が開かれたからです。(北欧人は以前より別枠でしたがここでは触れません)
そういう風に身近になった地方選挙なのですが、今回の選挙、私はどうも強い関心が持てないでいます。政治に関心がないわけではないですし、2006年以来VGという「緑の党」に加入しているのですが、やはり地方選挙というのは理想よりも「実利」が複雑に交錯しますので、必ずしも自分が所属する党に賛成できないこともあります。
というわけで、いまだにどこに投票するか決まっていません。ちなみにこちらでは各党が日本でいう比例代表名簿を作成提出し、そのリストを選ぶ選挙となります。したがって、常日頃政党活動をしていない人たちが、あるテーマを主張して団結してリストを作成して選挙に参加することもあります。
さてレイキャビク市の今回の選挙ですが、人気のある現市長のヨウン・グナール氏(本職はコメディアン)が政治からの撤退を表明したため票が分散するという見通しが出ていました。
人気のある(ワタシは理解できませんが)グナール現市長
-Myndin er ur Visir.is-
それでも代わりになる市長の器が限られているようで、選挙一週間前のリサーチではサムフィルキング(社会民主党)を率いるダーグル・エッゲルトスソン氏が「望ましい次期市長」として63%を獲得しています。
「票が分散する」という予想が裏付けられているのは、政党別支持率では社民党は29,5%に留まっていて、ダーグル氏の支持の半分に満ちません。各党の支持率は次の通りです。
社民党29,5%、明るい未来党(旧ベスト党、グナール市長の党)24%、独立党21,1%、緑の党9%、ピラター(直接民主主義的な党)8,2%、進歩党(現首相の党)5,3%、夜明け党(諸派の寄り合い的党)2,6%。
これを市議会議員数に換算すると、社民党5、ベスト党4、独立党4、緑の党1、ピラター1、その他0。
現首相のシグムンドゥル・ダヴィ氏の進歩党(という名前の保守党)はもともとが農村の支持基盤でレイキャビクでは弱く、過去四年の期間も市議会議員を持てないできています。
そこで奇を衒ったわけでもないでしょうが、先日進歩党のリストのトップの候補が反イスラム教的な発言をしてマスコミの関心を集めています。
現在の市の中枢委員会はモスク建設のための土地を分譲する決議をしています。十年以上もかかった案件でした。ところがここでも「イスラム教アレルギー」はかなり強く、モスクに反対するグループのFacebookには三千人もの人が参加しています。
進歩党のリストのトップ候補者は「モスクのための土地分譲を撤回する」と発言したのですが、これにイスラムアレルギーの市民が飛びついたわけです。ウソのような話しですが、この「反イスラム効果」で進歩党は市議一人を確保できる支持に迫っているとのこと。
この「イスラムアレルギー」については改めて取り上げてみたいと思うのですが、いいかげんウンザリさせられます。アイスランド国民教会のアグネス監督(女性)はインタビューで「信教の自由は憲法で定められており、イスラム教徒も自身の礼拝施設を持つことは当然」というコメントを発しています。
私もその意見に賛成で、レイキャビクでのモスク建設はひとつの案件。世界から伝えられるイスラム関係の理不尽な出来事はその出来事によって批判されるべき別の案件だと考えます。
それにしてもこれだけ積極的な魅力のない選挙はこちらに来てから初めてです。どうしたものか...???
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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