レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

温泉名人

2012-10-15 05:00:00 | 日記
温泉名人Wさんのお話しの続きです。

温泉名人は先の土曜日の日本語教室に見学に訪れ、中学科の子供達に旅先での経験談等を話してくれました。もともと外国で日本語を学んでいるその国の人たちと話しをすることに興味があるとのこと。観光よりは、教育、経済、そして温泉というような柱をもとにして国々を回っているそうです。

当然のことながら、名所巡りでは得られないような、その土地での生活習慣や人々の考え方、日本に対するイメージなどについての体験が蓄積されていくとのこと。

中学科の子供達に話してくれたことの中に、例えばイランでの体験がありました。Wさんもイランに関しては始めちょっと怖いような身構える気持ちがあったそうですが、実際に行ってみると実に気さくな良い人たちばかりだそうです。国境から街まで車に乗せてもらったそうですが、それも小さな車に大の大人がすでに四人も乗っていたにもかかわらず、皆がギューギュー詰めになってまで四時間の行程に加えくれたとのこと。

その後もバスに乗れば運賃は払わなくていいと言われたり、ヒッチハイクで手を挙げればものの十秒で止まってくれる、といった具合で全てヒッチハイクで国中を巡ることができたそうです。

もちろんこれは誰に対しても、というものよりは親日感情が強いことの現れだそうです。イランでは「おしん」とアニメの「一休さん」が人気の番組なのだそうです。これはビックリですね。

そのように日本に親しみを感じてもらっている割には、私たち日本人はあまりイランのことは知らないのではないでしょうか?私自身、1979年のホメイニ革命以来、イランにはイスラム原理主義と戦争というイメージが脳裏に強く焼き付いてしまっていることを認めないわけにはいきません。昨今の核開発を巡るニュースでもあまり肯定的な印象は持てないようです。

しかし、そのような時こそ、私たちが報道で知る国の政策や政治家の弁舌と、実際のその国の個々人がどうあるかは、同じ国の二つの違う側面であり、かつ往々にしてその二つの間には相当な距離があることを思い出さなくてはいけないのではないかと考えます。

誤解のないように言っておきますが、私はイランは実は良い人ばかりで何の問題も存在しない国だ、と考えているのではありませんよ。イランには色々な問題が確かにあるのだろうと思います。ただ、一国を語る際にはもっと様々な側面を考慮しないと、「イラン人はみんな嫌いだ」と言ったような短絡的で偏見に満ちた態度に陥ってしまうのではないか、と思うのです。

Wさんの見聞録ではイランの人たちはみんなピクニック好きなんだそうです。「毎日、夕方からでも家族でピクニックシートを持って公園へ行ってピクニックですよ、大勢の人が」ヒゲはやして無表情なイラン人男性の強面イメージからは全く想像もつかない生活ぶりでは?

なかなか自分で行き見る機会のない国々のことを教えてくれる温泉名人。自分の体験をシェアし、意見も述べてくれ、かつこちらの言うこともきちんと聞いてくれる青年です。決して当たり前ではないですね。私にとっても一期一会的な良い出会いをありがとうございました。

無事に旅を続けられご家族の待つホームへと戻られますようお祈りしています。

温泉名人Wさんの世界一周ブログはこちら。是非ご覧下さい。

世界八十八湯温泉道 世界一周 極楽エクスプローラーの旅
コメント
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