レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド でかすぎる春の嵐

2019-03-31 00:00:00 | 日記
三月も今日でおしまい、というか日本では「今学年度」が今日でおしまいですね。明日は早(はや)四月一日、そして新年度。

新しい学年に進級される学生の皆さん、さらには高校や大学へ進学されたり、社会人としての日々が正式に始まる人もいらっしゃるでしょう。

四月は不安と期待感が入り混じった時期ですが、それを春めいた空気や桜の花が包み込んでくれたりして、あのなんとも言えない「新しい年度」の雰囲気を創り上げているのだと思います。

そういう「新年度」の雰囲気は微塵もないアイスランドですが、私はこの週末は少しのんびりすることができています。おととい金曜日の夜に、ふと気がついてメジャーリーグのネットを開いてみると、なんとすでに大陸でも、シーズンが始まっているではありませんか!

東京でのマリナーズの開幕戦のことはもちろん承知していました。イチローの引退も。ですが、Myヤンキースまですでに先一昨日(さきおととい)の木曜日にホームオープン戦を終えているとは! マー君の先発を見逃してしまった...

それでもMBLのペイ会員である私は、ビデオで開幕戦を観ることができました。いいとこだけ拾い見の一時間、へへ。もちろんヤンキースの快勝。マー君一勝目。万歳。

ところがです。

そんな春先ののんびりムードは私の古アパートの中だけのことで、異様に重く、沈鬱な空気がアイスランドを包み込んでいます。なぜかというと、巨大な春の嵐に見舞われたからです。木曜日にワウ・エアWOWairが倒産し、すべてのサービスがストップしてしまったのです。

WOWは、ムラサキ色の機体にでっかく白い字でWOWとデザインしてある、あの航空会社です。日本からいらっしゃる方が、どれくらいWOWを利用されているのか -いたのか- よく知りませんが、こちらにいらっしゃった方なら、空港でそのムラサキ色を見たことがあることと思います。




WOWのロゴ


アイスランドのメジャーな航空会社は、もちろんアイスランド航空ですが、経済恐慌の時期にかけてアイスランド・エクスプレスという第二の航空会社が存在していました。

いわゆる「格安運賃」でお客さんを集めるタイプの会社でした。そのアイスランド・エクエスプレスを買収して誕生してきたのがWOWでした。2011年に創業。

WOWは格安主義を踏襲しましたが、創業当時からにわかに起こってきた「アイスランド観光ブーム」に見事に乗っかり、みるみる業績を上げてきたのです。そうとうな収益を上げていたと報じられています。

うろ覚えですが、確かアイスランド航空が、例えばコペンハーゲンまで片道25.000クローネとか言っている時に、WOWは6.000クローネを切っていたのではないかと思います。

すみません、確かめようがないのです。WOWのサイトはすでにクローズドされてしまっていて、「終業のご挨拶」以外の情報が手に入らないからです。

WOWの経営状態が良くない、ということはしばらく前、そうですね、半年前くらいから見ていた覚えがあります。アイスランド航空との提携が話し合われていたが、うまくいかなかったとか。

で、次にはIndigo Partnersとかいうアメリカの投資会社が、WOWを買収する話しがあって、私はそれで話しが付いたものだ、と思っていました。「買収後もWOWはアイスランドの航空会社であり続ける」とかのコメントを見たのを覚えていますから。

ところが、それも確定していなかったのでしょうか?ここ二週間くらい、またWOWの話題がニュースのトップに出始め、再びアイスランド航空との提携だか、買収のニュースがしきりに。

それが「アイスランド航空は、WOWとはもう一切関係はない」とかいうコメントが一週間くらい前に出されました。以降さかんに、「国は介入するのか?」の質問が財務大臣とかに寄せらていましたね。

そんなこんなするうちに、先週の木曜日の未明の夜半、WOWは突然「すべての業務を終了します」宣言。当然、全フライト、アイスランドからの便も、アイスランドへ帰る便もすべてキャンセル。




現在のWOWのホームページ サービスの終了を伝えるのみ
Myndin er ur wowair.com


というわけで、木曜日は朝からこの話題で国中が占拠されました。

で、人ごとのように書いていますが、この小国にあってはこれは非常に心重くなる出来事なのです。

国内事情に触れる前に言いますと、まずもって直接の無実の被害者は、WOWに乗るはずだった人々です。アイスランドに観光に来ていた人たち、外国に行っていて帰国するつもりだったアイスランド人たち。

双方とも、甚大な迷惑だろうと想像します。だって、そういう時に他航空会社にカバーしてもらうように働くはずのWOWのスタッフがいないのですから。アイスランド航空とかのスタッフが、お助けマンでこれをカバーしているらしいです。(未確認情報)

早期に、それぞれが自宅に安全に帰れることを願います。

そして、もっと長期になるであろう深刻な問題は、これによって相当数の失業者が一挙に生まれたことです。WOWの直接の解雇者だけで -つまり、木曜日の未明に仕事をなくした人だけで- 1100人といいます。二十人が解雇されたら大ニュースになる国ですからね。

しかも、関連する国内の旅行サービス会社Kynnisferdirキンニスフェルズィルが59人のスタッフを即日解雇。その翌日には空港内施設の会社 -様々なサービスの提供を統括している会社と思いますが- 計210人を解雇しました。航空関係だけではなく、観光業全体に大きな影響があるのです。ということはアイスランド経済全体に影響するということ。

報道によると、最大2000人以上が短期間のうちに失業者とならざるを得ないだろう、とのこと。これは、もう大問題です。失業手当用の国の基金があるのですが、「あっという間に空っぽになる」見込みだそうで、政府はすでに追加の予算措置を取りました。




WOWの倒産を報じる木曜早朝の第一報
Mynddin er ur Visir.is 


Jalが倒産したのは、2010年1月でしたから、九年前になりますね。でも、その時もJalは飛び続けたと理解していますが、違いますか?

航空会社のような社会への影響が大きような企業は、国がテコ入れしてでも、なんとか「潰れ切ってしまわないよう」にするものだと思っていました。学生の頃読んだJ・K・ガルブレイス教授も書いていたと記憶していますよ: 「現代では自動車会社のような基幹産業は国が倒産させない。影響が大きすぎるから」

時代は変わったか?

私はビジネスはからきしダメで、何がどうなるべきだったのを自分の意見として述べる勇気はないのですが、政府あるいは国民 にとって -税金を払って暮らしているガイコクジンも含めて- 潰れた後始末よりは、潰れないように支えることの方がはるかに楽だったのではないか、と想像します。

「なぜ、ここまで経営が悪化する前に監督指導できなかったのか?」という質問がメディアから関係大臣にありました。2008年の経済危機の時も同じパターンだったような気がしますが... 勝手にやりすぎてるのに、誰も気にしない。コワイです、これ。

私も所属する「緑の党」のカトリーン首相ですが、なんかもう支持はできない感じになってきましたね。一民間会社の倒産である以上に、政治的問題になってしまった、と思います。

実際に、突然職を失うというのは、本人にとっては大変なパニックですからね。それが二千人という規模で起こっているのですから、できることならWOWが完璧に残骸になってしまう前に、復興させてもらいたいと願います。

パニックに直面している人たちひとりひとりに救いの道が与えられますよう。


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過去三百年でダントツ人気の名前とは...?

2019-03-24 00:00:00 | 日記
いつしか春分の日も過ぎており、三月も下旬にさしかかっています。日も十分に伸びたレイキャビクですが、ここのところまた気温が下がり、雪が毎日のように舞っています。ただし積もりませんが。

今頃の日本は卒業式のシーズン?日本での季節感というものが失われてしまってから、もうずいぶん経ちます。Facebookで、卒業式に関するフィードは目にしているのですが、ユーミンのあの曲が頭の中に自動的に流れてくるようなことは今はないですえ。これって、哀しいことかな?

さて今回はアイスランド人の名前に関してです。こちらでの名前や名付け方の習慣に関しては、これまでも何回か書いたことがあります。ずいぶん前に書いたトピックなので、読んだことがない方が多いと思います。良かったらそちらも覗いてみてください。

アイスランド人の名前


二週間くらい前になりますが、モルグンブラウジズ紙に面白い記事が掲載されました。過去三百年ほどの間の、アイスランドでの主流な名前や、名付け方の変遷、さらには人気のある名前の地方ごとでの差異等についての解説記事です。

解説の手引きをしてくれたのは、アイスランド大学の引退教授のグビューズルン・クヴァーランさん。女性の方です。




アイスランドには特有の文字も散見する名前
Myndin er ur Visir.is


本題に入る前に、ちょっとだけこちらの名前について復習しておきます。アイスランドでは、日本やアメリカでの「姓名」の「姓」というものが原則としてありません。

そのかわりに「ヨウンの息子」(ヨウンスソン)、「ヨウンの娘」(ヨウンスドティール)のようにaettarnafnアヒターナブンと呼ばれるものを使います。一応「家族の名」が直訳なのですが、私たちの常識とは少し違います。

ファーストネームは、往々にしてkenninafnケンニナブンと呼ばれ硬い訳ですが「識別名」とすると、その性格がはっきりすると思います。誰であるかを示すための名前、ということです。

そして、アイスランドではほとんど、このファーストネーム -時々はセカンドネームも合わせて- でコミュニケーションが持たれます。日常の会話で、ファーストネームではなく、アヒターナブンの方だけを使うことはまず絶対にありません。

サッカーのアイスランド代表のユニフォームには、今はどこでもそうでしょうが、背のところに名前が入っています。これは多分国際的な決まりがあるのでしょうが、アヒターナブンが用いられます。

そのため、特に女子の選手などKristjansdottirのように、長―――い綴りを入れなければならず、ちょっと滑稽。しかも、私たちはいつも「ギルビ」のように前の名前だけを使っていますから、外国のアナウンサーなどがSigurdssonとか呼んでいるのを聞くと「誰?」と思ってしまったりします。Gylfi Thor Sigurdssonは男子代表のエースストライカーです。




ちょっと無理がある?背中の名前
Myndin er ur Ksi.is


さて、本題。

アイスランド人がどのような名前を子供達に付けていたか、というようなことは、1703年くらいまで遡って知ることができるのだそうです。1703年から人口調査というか国勢調査?のように名前とか人口数とかを統計に取り始めたからです。

その頃メジャーな名前で、今だに非常に良く使われている名前は、例えば男性のグビューズムンドゥル、ヨウハン、女性のアンナ等があります。

ですがそんな中でも、1703年から2019年にかけての316年間で、もっともよくある名前は、男性がJon ヨウン、女性がGudrunグビューズルンとのこと。

1703年当時には男性の四人にひとりはヨウンさん、女性の五人にひとりはグビューズルンさんであったそうな。そんなに同名があったら「識別名」にならないではないか、と思うのですが。

ちょっと脱線しますが、私は仕事でイスラムの文化圏出身の人たちと日常的に接します。すると誰もかれもがモハメドばかりなことがあり、どうも困ります。セカンドネームというか次の名前を使ったり、ニックネームを付けてしのいでいますが。

元に戻ります。アイスランド人の過半数である62%が、三つあるいは四つのパートで名前を構成しています。ファーストネーム、セカンド、サード、そして最後にアヒターナブンが来るわけです。

グビューズルン教授によると、これは19世紀になってから一般的になってきたもので、「1801年にはみっつ以上の名前を持ったひとは102人だけ。そしてその102人の中にはひとりの『ヨウンさん』もひとりの『グビューズルンさん』もいませんでした。

ということはつまり、アヒターナブン以外に複数の名前を持つのは、同名の人たちからの識別を目的としていなかったことを示しています。ファッションだったんですよ。当時の宗主国であったデンマーク王国からの影響です。当時人気があったのは、Dorothea, Soffia, Jens, Hans等の名前です」

アイスランド人の名前 その4


またグビューズルン教授は、アイスランドの各地域ごとに「ご当地」で人気のある名前があるのだそうです。




t地域ごとに異なる人気の名前
Ur Morgunbladid


例えば、ウェストフィヨルド地方で人気があるのは、男性がアーロンやホイクル、女性がオイズル、空港の町ケフラビクがある南西部では男性がアレクサンダー、女性がハンナ。

南部では男性がアルトゥナル、女性がクリスティーンとラケル、北東部では女性はビルタとカリタス、男性はアーロン、北西部では男性がバルタザールとアルノール、女性がエンマだそうです。

ちなみにこのエンマEmmaですが、二十年前にとても人気のある名前でした。「閻魔」ではないですよ。

グビューズルン教授は「私が思うには、当時の人気のテレビ番組で『フレンズ』というのがあったのですが、そのドラマの中でレイチェルとロスが娘にEmmaと名前を付けたんです。それでにわかにエンマが人気の名前となったと考えています」

ちなみに昨年2018年に最も人気のあった名前は、男性がAronアーロン、女性がHeklaへクラでした。

最後に、逆に不人気になった名前は?

「最近不人気の名前は、男性がソルケットゥルThorkell、女性がスリーズルThridurでしょうか?スマートじゃないんですよね、今風には。

短くて、ポジティブで、国際的に通じるようなものが今は上昇気流に乗っています。できるだけ広く世界中で受け入れられる、ということは命名の際の重要なポイントになっているようです」

なるほど。それはよくわかります。私も子供たちに名前をつけた時、「アイスランドでも、日本でも通用する名前」ということを非常に重んじて考えましたから。

でも逆に言うと、国それぞれでの名前の独自性というか、お国柄が失われていくことになるかもしれませんね。それはちょっと残念な気がします。

アイスランドに関して言えば、ある時点でまた「伝統を守ろう」という方向へ転換する可能性はあると思います。Thorkell とThridurが再びトレンドになる日もないわけではないでしょう。ここ、面白い国ですから... (^-^;


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GOLFメモワール - トム・ワトソンの振る舞い

2019-03-17 00:00:00 | 日記
昨日、ネットで日本のニュースサイトを見ていて驚きました。もうシアトル・マリナーズが日本に来ているのですね。来週、メジャーリーグの開幕戦を東京で行うとか。もう、そんな時期になってたんですね。

野球のシーズン開幕前は好きです。まだどのチームも均等に期待と可能性を持っています。開幕して一ヶ月もすると、だいたいどのチームが行けそうで、どのチームはダメか見当がついてしまいますが、開幕前はまだ夢のみ。この雰囲気は好きです。

さて、先週は月曜日からいろいろとあり、それなりにすることのある週となりました。(改めて「忙しい」という言葉は使わないことに決めました) どんなことだったかは、もう少し周囲が落ち着いたら書いてみたいと思います。

今日は、先週書いた「日本大使公邸でのランチ」の続きのお話しから始まります。北川大使は、先週ご紹介しましたように外務省キャリアではなく、民間の商事会社から大使に任用された方です。

ランチをいただきながら、ゴルフの話しになりました。北川大使は以前商社マンとして赴任してある国に赴任していた時は、年間に100回もラウンドすることがあったと話されていました。

「商社マンにとってはゴルフは必要不可欠なもので、ラウンドのほとんどは仕事でした」とのこと。ラウンド中に契約がまとまることも本当にあるのだそうです。

じゃあ、安倍首相とトランプ大統領も、一応仕事してるのかな?クラブ振り回しながら?




アイスランドのゴルフコース
Myndin er ur Golficeland.org


北川大使は、それでもゴルフは趣味としても好きなのだそうです。それで、こちらへ赴任されてからも、週に一度は打ちっ放しの練習場へ詣でるそうです。ちなみに「アイスランドにはコースが20あります」とのこと。へえ、知らなかった。そんなにあるんだ、ゴルコース、ここにも。

「冬は練習場の中にも雪が降りますよね。ただ日本と違ってここでは打つ先の除雪をしないんですよね。だから打ったボールは雪の中へ消えていくでしょ。それを回収できないんですよ、雪があるから。

で、何週かしたら、打つ球が在庫切れになり、練習場がクローズドになりました。面白い国ですねえ、ここは」

面白いというよりは、バカなんじゃないかという気がしますが、まあアイスランド的な態度ではありますよね。多分、毎日営業しなくてはならない、という考えではやっていないのかも。

ところで、私も以前はゴルフを嗜みました。父親がゴルフを気に入っていたので、小学校高学年くらいから練習場へ付いていってクラブを振り始め、中学、高校となんとなく練習を続けていました。

大学一年の時にはゴルフ同好会にも在籍。体育会ではないので、それほどきつい練習とかではなかったです。二年生になる前に辞めてしまいましたが、それなりに面白い体験ではありました。

学生のゴルフですから、家庭のゴルフとは違う常識がありました。バッグはもちろん自分で担ぐのですが、打ち終わってから、次のショットの地点まで、歩くのではなく小走りで走っていくのです。

だから、ショット、小走り、息を落ち着けて、ショット、の繰り返しになります。バイアスロンか?

慣れてしまえば別にそれが普通になってしまうのですが、そうなると弊害もありました。普通に家族とラウンドしたりした際に、テンポが合わなくなってしまったのです。「なにをチンタラ歩いてんだー!!」とイライラしてきてしまうのでした。

もうひとつ、ゴルフ同好会時代の思い出。1979年の十月くらいでしたが、富士山の麓の御殿場のコースで「太平洋クラブマスターズ」という、大きなトーナメントが開催されました。

そうすると、大会運営の労働者として、いろいろな大学のゴルフ部や同好会の学生たちが召集されるのです。私も参加しました。学生たちは、いくつかある宿舎の旅館に一週間寝泊まりし、そこからコースに出かけて仕事をするわけです。

上級生はプロ選手のキャディ、下級生は練習場、駐車場、その他諸々裏方さんの仕事をもらいます。私は練習場の係。




アイスランドを代表する女子プロ オラビア・ソウルン
Myndin er ur RUV


この大会、今でもあるかどうかは知りませんが、当時は賞金も高く、なによりもアメリカPGAの一流選手がゴソッと乗り込んでくるのが目玉の大会でした。

こちらもドキドキしましたよ。なにしろ本当の一流選手を近くで見ることができるんですから。その頃のトップはアメリカのトム・ワトソン。そのワトソン選手も参加していました。

大会第一日の前、学生たちがたむろする控え練でコーヒーとか飲んでいた時だったと思います。突然ドアを開けて、そのトム・ワトソンが入ってきたのです。一同驚愕!

「私は、皆さんは学生さんで大会運営のアシスタントとして来ていると聞いています。良い大会になり、お客さんに喜んでもらえるように、一緒に働きましょう」なんと彼は、わざわざ私たち学生に挨拶をするために来たのでした。

このエピソードは今でも心に残っています。「この人は本当の一流のプロだな」とその時思いました。何をするにしても、自分も将来はこういう風になりたい、と心動かされたのを覚えています。

私は、大学では政治学専攻で、一年時の終わりからある政党の事務局の手伝いとかを始めました。その時点で「ゴルフはおしまい」としました。その後もたまにラウンドすることはありましたが、アイスランドに来てからはまったくしていません。今やったら、多分あばら骨にヒビが入るでしょう。(^-^;

さて、ひとつお知らせです。

友達のステファンとシェリーン夫妻が、ツーリスト向けにアイスランド紹介のビデオを作り始めました。シェリーンはお父さんがフランス人、お母さんが日本人のハーフ。でも育ったのはずっと札幌だそうです。

ふたりはステファンが札幌の高校に入学していた時に知り合いました。何年か付き合った後で、シェリーンがアイスランドに移って来て、今年の一月に結婚したばかりの新婚さんです。式の担当牧師はワタシ。

このビデオ、YouTubeでシリーズ的に作成していくようです。ICEKANKO(アイス観光)シリーズというネーミング。将来はふたりで旅行会社を立ち上げるつもりなのかな?

アクレイリ探訪

ICEKANKO アイス観光はこちら




ICEKANKO こんな感じ



ビデオをいくつか見たのですが、映像、音楽、構成ととてもしっかりできていて、お世辞ではなく面白いと思いますので、ぜひ見てみてください。気に入ったら「Like」を、とても気に入ったら「Subscribe」することをお忘れなく。

式を担当してから、なんとなく保護者的な気分になっているワタシです。よろしく応援してあげてください。m(_ _)m


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大使公邸ランチレポート 料理の写真はないけど!

2019-03-10 00:00:00 | 日記
気がつけば三月、という感じに日々が流れていきます。レイキャビクではもう午後七時はまだ明るいくらいまで日は長くなっています。こうなってくると、それだけでウキウキしてくるのは人間共通の性質なのでしょうか?それとも単純なワタシだけ?

ウキウキを加速してくれたのは、新車が先の月曜日に来たことです。前車と同じマツダのCX3 AWD GT。色は多少変えてブルー。

2019モデルでは、ブルーはこれまでのEternal Blueという「真っ青」ではなく、Reflected Blueという少し薄めの落ち着いたブルーに変わっています。セールスのお兄さんはオーダーした時「Reflected BlueはCX3にはないよ」と言っていたのですけどね... 勝った!




新しいCX3 Boschと命名


ロードノイズ、インテリア、電気式ハンドブレーキ等々、乗り心地は相当アップしています。ただエンジンがちょっと眠そう?

CX3はもともとエンジンが小さく(2LガスiActive)、ターボではないので超パワー級ではないのですが、前型はもう少し元気だったような気がします。多少ボディが重くなっているはずなので、それが影響しているかも。

ですが、レイキャビク界隈がドライブのメインという私のドライブ生活では、実際にはそんなにパワーは重要事項ではないのでした。乗るのも独りだし...

さて、おとといの金曜日は、日本大使館の大使公邸にランチに招かれ、ご馳走になりに行ってきました。招かれたのは私の他に、Mさんという邦人のご婦人。Mさんは私より十歳ほど年上で、もう引退されていますが、やはり牧師さんです。

(「邦人」という言葉は、その国での現地人を指す言葉なので、アイスランドにいて日本人を「邦人」と呼ぶのは根本的に間違った用法かもしれません。ただ、このブログは日本向けに書いていますので、「邦人」とは日本人のことと考えてくださいね)

大使の方は北川さんとおっしゃり着任されてから三年弱になります。外務省キャリアではなく、民間の商事会社におられた方なので、どこかやっぱり感じが違うような気がします。固すぎないというか、物腰が柔らかいというか。

いや、別にキャリアの方々が固いと決めつけているわけではないですけど、商事関係の方は「接客のプロ」ですからね。しかもそうと感じさせない。学ぶべきことは常にあります。m(_ _)m

北川大使 -ついでに景子さんのお父さんではありません- の他に、大使館からは佐藤参事官も迎えてくださいました。計四人の小規模ランチです。

公邸のシェフの方が最近交代されて、新しいシェフの方が赴任された機会に、私たちをランチに招いてくださったとのこと。実際は大使は政治家や財界の要人を順次会食に招待する間に、私たち下々の邦人の者も招いてくださっているようです。

日本大使公邸について一言だけ言っておきますと(他人の家のことを勝手に何か言うのはよくないことでしょうが)、ここはかつてあのアシュケナージが住んでいたお家です。

四人だけでの会食でも、きちんとそれぞれの席にその日のお品書きというか、メニューが配られます。ちゃんと金色の桐の紋が入って印刷されてあります。日付けも入っていましたから、作り置きではないですよね。

コートの預かりや、給仕もしてくれる方も付きます。アイスランド人の男性でした。なんと呼べばいいのでしょうか?メイドではないし、執事でもないし。給仕長ということにしておきましょうか。

で、料理は美味しかったです。さすがにメニューや出された料理を写メに撮るようなことはしませんでしたので、「美味しかった」ということでご了承ください。

何を食べたか?えーっと、それは和食です。コースで6-7品出てくるのですが、「ひとつひとつ何か」ということを説明するのはメニューなしでは無理です。悪しからず。

うろ覚えで書きますと、初めは「鮭のなにか」。それから「あんきも」「鴨のステーキ」もういくつかありました。締めは「炊き込みご飯とあかだし」でデザートはとても美味しいフルーツあんみつでした。そのくらいは書けます。(^-^;




カトリーン現首相もガリレオ先生を読んでいたとは!
Myndin er ur Visir.is


で、食事をいただきながら、いろいろと面白い話しを聞かせていただいたのですが、その中からひとつ紹介したいものがあります。

現首相のカトリーンさんも食事に来たことがあるそうです。最近読んで面白い本は何か、というような話になった際、カトリーンさんは日本の推理小説を挙げたのだそうです。

タイトルや作者名までは覚えていなかったようですが「数学者が出てくるドラマ」だったようです。知っている方はすぐにピンとくるでしょう。

北川大使は興味があったようで、後でこのキーワードでグーグルし、東野圭吾の「容疑者Xの献身」ではなかろうかとカトリーンさんにお伺いを立てたそうです。するとBINGO!の返事があったとか。

私も読みましたし、映画も観ました。あのガリレオ先生のシリーズのひとつです。ガリレオ探偵、湯川博士の旧知の数学者が犯人なのです。ですがこれはドラマで、あまりに悲しい話しなので、ワタシ的にはそれほど好きにはなれませんでしたが。

とにかく、カトリーンさんはこの話しが気に入ったようです。ちなみに彼女はもともと文学士です。アイスランドの首相も「あり得ないよ」の本を読んでいるというのはびっくりするような、嬉しいような。あ、でも「あり得ないよ」はテレビのシリーズの方での「売り」でしょうか?

この話しを聞いて、私は「英語で読んだんだろうな」と思いましたし、北川大使もそう思われたようです。ところが北川大使はそれがアイスランド語版であったことも突き止めたそうです。アイスランド語になってるんだ、ガリレオ先生!

大使の説明によりますと、デンマークに住むアイスランド人がこの小説を、英語訳かもしくはデンマーク語訳で読み、「是非」ということでアイスランド語に訳したのだそうです。

ランチ会話からもうひとつ。日本でもうすぐアイスランド映画「たちあがる女」が上映されるとか。原題はKona fer i strid (女は戦いへ行く)というもので、英語題はWoman at warでした。

カンヌの映画祭にも参加し、非常に高い評価を得ています。

たちあがる女


この映画、実は私もエキストラとして撮影に参加したんです。「日本大使役で是非出てくれ」とADさんに頼まれたからです。2017年の七月後半ではなかったかと思います。

でも映画の撮影とかって、だいたい直前になってスケジュールが変わったり、待ち時間がやたりに長かったり、にもかかわらず最終的にカットされちゃったり、と結構「労多くして...」の見本なのです。




撮影中のワンシーン
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で、乗り気ではなかったのですが「ベネディクト・エルリングソン監督がトシキの仕事をすごく評価してるんだ」とかお世辞攻撃。「ホントかよー?」結局うまく丸め込まれて受けてしまったのです。

撮影はシンクヴェットリ国定公園の中。現場へ行くと、構成が変わっており、私は日本大使ではなく、中国の国家主席ということに。さすがに、それは私ではオーラが違うだろう、と思いましたが、まあ、しょうがない。

夕方から真夜中(暗くはなりません)までかかりましたが、一日で終了。「私の仕事を高く評価してくれている」エルリングソン監督もきちんとお礼を言ってくれたし、多少のお金はもらえるし、まあ、いいか。

それから一年ほどしてこちらで上映されました。観た人から「カットされてた」と聞き、観に行くのをやめました。「私の仕事を高く評価してくれている」監督の情けか、最後の最後まで観ていると、名前はクレジットにでているそうです。

とはいえ、良い映画であることは確かなようですから、上映されましたら、是非観に行ってください。そして、最後の最後まで席を立たずに観続けてくださいますよう。私の名前を見つけてくれた方には、粗品を提供します、なんて。

とにかく、美味しく楽しいランチでした。北川大使、佐藤参事官、シェフのTさん、給仕長の方、それにMさん、ありがとうございました。


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シビアな世界に囲まれた勝手でちっちゃな夢

2019-03-03 00:00:00 | 日記
三月に入りました。今日はひな祭りの日ですね。日本語教室に参加していた頃は、子供達に日本の文化を教えるために、ひな祭りや子供の日などには何かそれにちなんだお話しや作業をしたものです。

日本語教室を引退した今では、ほとんど何も関係なくなってしまいました。もともと子供のための祝祭ではあるのでしょうが、まったく関係ないよ〜となってしまうのは一抹の寂しさがあるような...

二月の最終週となった先週は、いろいろアップダウンがあり、きつい週となりました。「きつい」というのは当てはまらないか?心が重くなるというか、沈むような出来事と、楽しく期待するような出来事が錯綜した感があります。

心が重くなるというのは、厳密には先週を少しはみ出て先々週からのことになります。まず、知り合いの牧師さんで、大学の教授でもあったE牧師が亡くなったことです。私も教わったことがある先生でした。

歳はまだ75歳でしたから、若かったですよね。E牧師の家族は牧師一族で多くの教会関係者が出ています。姪御さんが私が「難民の人たちとする祈りの会」を持っている教会のハウスキーパーをしています。

訃報を知った時、ちょうどその教会にいたので、その姪御さんにお悔みを言ったのですが、「若かったですよね」という私に「うーん、でも五年前に癌だと診断されて、そのときは余命十ヶ月と宣告されてたから、随分頑張ったと思います「とのこと。

私が前に居候していたヒャットラ教会。私がいた時のオルガニストの女性のお父さんでもありました。ですから、わりと関係のある人だったのです。




イランからの難民の人たちが作ってくれたイラン料理 お世辞でなく超美味


それから四日くらいして、その同じヒャットラ教会で主任牧師をしていたS牧師のお母さんが、亡くなりました。この方も教会で何度もお会いしたことがありましたが、最近はずっと入院していたと聞いています。

いつもご主人、つまりS牧師のお父さんと連れ立って礼拝に来ていたのですが、ご主人もさぞかし気落ちされているのではないかと心配です。

で、それより二日ほど前、先週の日曜日に遡りますが、私が今現在居候をしているブレイズホルトゥス教会にいる、地区長の牧師さんが心臓発作で病院に救急搬送されていました。

この方もまだ66歳と若いのですが、非常に難病である神経の病気を発病してしまい、この二年くらいで身体機能がとても低下してしまっています。この方は、仕事の上でも私に関係が大きいので、非常に心配しました。

幸いに、今回は危機を乗り越えてくれたようなのですが、いつまで仕事を続けられるのだろうか?などとついつい心配してしまうのです。

この牧師さんの入院を聞く前の日、土曜日ですが、その日は逆に楽しい日でした。ブレイズホルトゥス教会で、難民の人たち(「元」難民の人たちも加えて)と教会の人たちとの共同プログラムで、夕食を食べその後懇談会を持ったのです。

二回目。一回目は一月で三十五人参加。今回は三十二人。二回とも料理の担当はイランからの難民の人たちで、作ってくれたのはもちろんイラン料理。お世辞ではなく、非常に美味しい料理でした。

私は料理にはまったく参加しませんでしたが、もちろん材料の買い出し(野菜類は他の教会関連施設からただでいただきましたが)や、会場のセッティングは責任を持たねばなりません。で、土曜日は朝から出勤。

午前十時から、丸一日かけて調理しているのですが、それをキッチンの隣りのオフィスで仕事をしながら、「ファーザー、あれが足りない、これが欲しい」などと言ってくる度に対応します。結構疲れますよ、こういうの。

結果的には、大成功で感謝、感謝。「疲れたけど、気持ち良い」という週末だったのですが、日曜日のその牧師さん入院のニュースだったもので、疲れがマイナスの方に流れてしまったようです。

水曜日は、空港の町ケフラビクへ出かけての「祈りの会」の日だったのですが、どうしても小一時間のドライブをする気になれず、お休みにしました。ケフラビク教会の牧師さんに代役を頼もうかとも考えたのですが、彼ら(ふたりいます)もメチャ忙しいのは知っていたので、「お休み」宣言としました。

これらと平行して、もうひとつの「心奪われる出来事」が進行してました。これは「楽しい」に属する事柄。




現在の愛車イチロー マツダCX3


私の愛車「イチロー」はマツダのカッコ良いCX3です。買ってからまだ二年半ちょっと。非常に良い車で私は非常に気に入っています。

ところがです。ふと思ってしまったのです。「2019年モデルに、買・い・換・え・よ・う・か?」

正直言って、現在の2016年モデルと、2019年モデルにそう根本的な違いはありません。ですが、マツダというメーカーは、モデルチェンジ時にいろいろな改良を集約する、ということをしません。

モデルチェンジを待たずに、小出しに様々な改良を加えてくるのです。ですから、「大きな変化」はなくとも「小さな改良の束」は確かにあるのです。

そういう悪魔の囁きを聞いた後で、先々週の木曜日にフラリとマツダのショールームへ。そこへ行ったら最後。アップルの店と同じで、空手で出てくることはできません。

月曜日(先週の)に、今の車の査定をしてもらうことになり、後はコロコロと話しが進み、みんなWinWin的な状況の中で、私は明日の月曜日に新しいCX3を受け取ることになっています。

今までは紺色Deep Crystal Blueだったのですが、この色を三台に渡り過去二十年間続けてきたので、少し変化を持たせて今回は青Eternal Blueとなりました。ワタシ的には「カリフォルニアの青い空」的Blue、またはNYPD的Blueなのですが。

名前も決まっています。マイヒーロー、 LAPDのハリー・ボッシュ刑事から取ってBosch。ハリー・ボッシュはマイクル・コナリーの人気小説の主人公です。(^-^;

ところで、マツダのCXシリーズ。日本や欧米ではCX3と一回り大きいCX5が良く知られています。アメリカではこれらに加えてCX9という超大きいタイプもあり、日本でもCX8が出てきています。

ですが売れ筋は3か5。CX3は基本的にふたり用の車なので、「子供がいるならCX5がいいよ」というのが世間一般の合言葉となっています。

ところがです。あったんです。その間のCX4。文字通り、大きさは3と5の中間。CX3関係のYouTubeは全部見てきたワタシですが、CX4はこれまで見たことも、聞いたこともありませんでした。これはビックリでした。




ビックリな存在 CX4!


なんで?

どうやら、このCX4。中国限定の生産車両のようです。そのため星数多の欧米のCar YouTubersも気がついていないようで。

なんか、上がったり下がったりが激しい十日間でしたね。超シビアな周囲の人々の状況に圧迫されながらも、自分の勝手でちっちゃな夢を夢として追い続けた日々でした。この一週間は、新しいCX3でハイなスタートになりそうです。落っこちないように気をつけないと。皆さんも良い「安定した」一週間を!


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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