レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

グレージィレーグ・ヨウル 

2021-12-24 23:55:25 | 日記
Gledileg jol グレージィレーグ・ヨウル! もしくは「グレリヨ!」





Merry Christmasを意味する挨拶ですが、実際の発音はぐっとディフォルムされて「グレリヨ」となります。

このクリスマスの挨拶、日本語でしようとすると:「主のご生誕の日のお喜びを申し上げます」

とか、どうしてもかしこまったものになってしまいます。メリクリ以上の意味を込めての挨拶は、どうしても教会関係者に限られるからだと思います。もっとも、それも私が日本にいた頃の話しですので、今は様変わりしているかも。

今、これを書いているのはクリスマスイブになる前の24日の午後。レイキャビクは快晴で気温はマイナス1℃。気持ちのいい冬日ですが、ホワイトクリスマスにはなりそうもありません。

個人的なことになりますが、昨日の23日から今日の昼までチョー忙しく過ごしました。昨日はソウルラウクス・メサという特別な日。聖人ソウルラウクスに由来する、クリスマス前夜祭的なノリの日で、好きな人は「エイ」の料理を食べにレストランへ足を運んだりします。

12月23日の伝統「エイのおしっこ」




発酵させてないフレッシュなエイは美味だそうです
Myndin er ur Audlindin.is


なぜ忙しかったかというと、教会のクリスマス関連の動画を四つほど用意しなければならなかったからです。「そんなことなら、事前に準備しておけば問題ないではないか」と思われるでしょう。

その通りです。事前に予定されているものなら。ですが、今回の動画は予定されていたものだけではなかったのです。

実は、クリスマス直前の今週の火曜日。政府はコロナ感染防止のための制限を強化し、一般の集会はまた二十人マックスとされてしまいました。教会とかのオルガナイズされた集会では五十人まで、クイック検査の陰性結果を示さないでも集まることが許されています。

アイスランドにもオミクロン株が侵入し、一週間くらい前に二百人強という、一日での新規感染者数の記録を更新していました。それからほんの数日で、今度は四百人越え(22日 )、そして昨日は488人の新規感染。

さすがにここまでくると、黙ってみているわけにもいかないようで。

こういう状況下ですが、教会はクリスマス直前態勢。昨年の今頃は規則では「集会は十人がマックス」でしたし、加えて教会としては「原則、集会は自粛する」ことになっていました。

今年は、新しい規則によれば五十人までは可能ですし、かつクイック検査の陰性証明の提示を義務化したイベントでは二百人まで集まることが許されています。

ですから、教会も工夫すればクリスマス集会を持つことはできます。で、どのようにするかは個々の境界の判断に依るものとされました。




ドタキャン後にわかに始まった動画作り


そこで対応が分かれてきます。クイック検査を条件付けた上で、普通の集会にしようとする教会。実際に集まることは控えて、ライブの配信をすることにした教会。ライブの実施が困難なので、動画配信にする教会、等々。

私の関わっている集会は、そんなに大きなものではなく、普段から四十人を越すかどうかですので、五十人枠で十分と考えていました。

ですが、私の集会のあるブレイズホルトゥス教会の他の牧師さんやスタッフと話し合った結果、フィジカルな集会は止めにしよう、という結論となったのです。

理由は、もともとここの教会に来る人は高齢者が多く、つまりコロナにより気をつける必要がある人が多いことと、それにもまして「今現在、感染が再爆発している真っ最中だ」という事実認識でした。

昨年の今頃は、「十人マックス」というかなりきつい集会規制が敷かれていました。それでも私自身は、事前登録を必要とした上で、クリスマス集会を小分けにして(一回につき十人まで)、一日三回持ったりしました。

そうできた理由は、「コロナが依然としてあるけど、状況的には回復期に入っている」という認識があったからです。今年の場合は、それとは真逆なのです。

その中で、教会としては「たとえ規則的には可能であるとしても、やはり、何が問題の根幹かを考えて、それを率先するのが教会の本来の務めではないか?」と自問したわけです。

これまでのコロナの推移の中で「なんとか規則との帳尻を合わせれば... 」みたいな考え方も広範に見られるようになってきました。

小さな社会とはいえ、人それぞれ立場が違います。飲食店やシュービジネス関係の人たちのように、まさに集会制限が生きるか死ぬかのバロメーターのようになっている人もいます。

ですから、帳尻合わせが悪い、とは一概には言えません。それでも「いやいや、規則に従がうことは大事だけど、すべてではないでしょ。問題は感染拡大を可能な限り防ぐことだから」という原則がうやむやにされるべきでもありません。

教会はその原則を確認しよう、ということになったわけです。他の人を攻撃するためではなくて、社会がバランスを保つようにするためです。




これは一緒に働いているオルガニストさんと牧師さん



というわけで、クリスマス関連の集会が、すべて「ドタキャン」となった次第です。すべての教会で一律ではありません。私のいる教会では、ということです。他にも多くの教会が同じ判断をしています。

そして、そのドタキャンと同時に、いくつかの動画の作成、つまり撮影と編集、ネットへのアップが私のところへ流れてきたのでした。なんというか... オラ、ドタキャンの犠牲者?

まあ、しかし、時はクリスマス直前。キリストの慈愛と慈悲にあやかって犠牲者となってやろう、ということでここ三日ほど、身を粉にして働かせていただきました。

肩が凝ったぞ、さすがに。オラ、UssiyさんやYukaさんみたいな映像クリエーターではないのだ。ちなみに、おふたりは人気のYoutuberさんで、私もちょくちょく拝見させていただいているお方です。

Ussiy Filmsさんのチャンネル

Yuka Oishiさんのチャンネル


まあいいや。考えてみれば、動画作りにしても、学んだことを忘れないためには、ある程度実践をキープしないといけないし、その意味ではいい機会だったかも。

責任持たされた動画は、すべてレディーとなりました。めでたし、めでたし。これで、わりと繁忙期でないクリスマスに入ることができます。

皆さんも、良いクリスマス、そして年末の日々を過ごされますように。秘訣はスマイルですよ、心の中のスマイル!   (「お前が言うな」 ... 陰の声)


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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「自分が苦しい時は相手も苦しい」 スポーツ金言は有用、です

2021-12-19 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

寒かった先々週からはコロッと変わって、先週は暖かい日が続きました。金曜日とか、車の温度計は10℃を示していました。週間天気予報によると、こんな感じが少なくともまだ一週間は続くみたいです。

そうなると今年はホワイトクリスマスとはなりませんね。アイスランド語の面白い表現なのですが、雪のないクリスマスは「ブラッククリスマス」ではなく、raud jolロイズヨウル「赤いクリスマス」と呼びます。raudurロイズルとは「赤い」を意味する形容詞です。

アイスランド大学が運営しているvisindavefヴィーシンダヴェーフという教養サイトがあるのですが、それによると: 「Raud jolのraudとは『赤い』という意味ではなく、audurオイズルという別の形容詞と同じく『空の』『なにもない』を意味します。

そこから『雪のない』という様子もraudurで表すようになりました」とのこと。納得。

車の運転とか歩行に関しては、raudurの方がありがたいのですが、雪が多少なりとも積もっていると、周囲の明るさが増します。その点では多少の雪があった方がありがたいような。というのは、まったく自己中な勝手な思いか?(^-^;




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Bailey_Zindel@unsplash.com


さて、師走ですが元気してますか?やはりお忙しいでしょうか?私の方は、かなり怒涛の渦中の日々といった感じです。まあ、ちょっと大袈裟ですが。

私はキリスト教会の牧師なのですが(一応)、大雑把にいって仕事の内容にいくつかの「分野」というか「区分け」があります。

まずはもちろん教会での日曜礼拝等の集会を持つこと。その延長線上にもある、ネットやビデオを使った教会内外への働きかけ。難民の方の支援をしていますので、教会とは特に関係のない人たちを含めての、難民の方々への実際的な援助。そして最後が、私がいる教会だけでない、国民教会全体としての取り組みの立案と実行。

だいたいこの四つが、ここ数年は仕事上のよっつの柱となっています。これらの四つはそれぞれに波長というか、潮の満ち引きのようなリズムがあります。いつの同等に課題がやってくるわけではないのです。

例えば、去年の今頃はコロナのせいで、ネット、ビデオ関係の課題が山のようにあって汲々としていたのですが、その反面、教会での集会はありませんでした。

同時に、国境の管理が厳しかったために、新しい難民(申請者)の到来もストップしていました。ですから、難民の人たちへの実務的な支援も少なかったのです。

それが今年の場合は、コロナボケでこの四つの柱もリズムを失ってしまったのか、すべてが満遍なく押し寄せてきているのです。




ああ「密」だった コロナ前のクリスマス礼拝


英国などと同じく、アイスランドもコロナの新規感染者数は多く、日毎150〜200人が陽性判明しています。英国の一日何万人というのとは桁が違いますが、人口数も桁が違いますので、割合的には同じようなものです。

そして、現在のアイスランドの方針は「感染者が減らなくても、大きな制限は設けない」という、これも英国流対策です。

おかげで教会の活動そのものはほぼ平常並みのスケジュールで組まれています。難民申請者の人たちも、勢いはそれほどではないものの、着実に再び増加傾向にあります。当然、実務支援も付随してきます。

その一方で、コロナ対策は常に存在していますので、強制あるいは自主隔離中の人も常に一定数あることになり、そういう人たちのことも考えたビデオ等は作り続ける必要があります。

さらに、移民・難民事情に関しての国民教会の向こう四年間の施策プランが、私を含めた作業部会から出され、先月合意されました。で、その件についても実行プランに着手しないといけない。

というわけで、四つの分野で同時に満潮になってしまったかのような騒ぎなのです。

こういう中で、集会参加者などから「コロナ陽性」とか「濃厚接触者としての隔離入り」とかが出てくると、予定のドタキャンや相当な変更を余儀なくされますよね。これも(私の職場では)昨年はなかったことです。

日本でも、飲食店関係の皆さんとかはずーっとそういう感じでやってこられたのでしょうから、本当に大変だろうな、とお察しいたします。




これも2019年のクリスマス前の子供集会 サンタさん降臨


先週の木曜日には、私と同じ教会にいるソーラさんというに頼まれて、十五分くらいの短い動画を撮影することになっていました。ソーラさんはレイキャビク地区の教会の高齢者の方々のために働いています。

高齢者の方々は、やはりコロナに対して必要警戒度が高いですから、集会参加を遠慮している人も多いのです。その方達のことを考えての、クリスマス的な楽しく落ち着いた音楽付きの動画を、ということでした。

ところが、撮影予定日の昼になって、出演予定だった女性歌手の方がコロナ陽性者の「濃厚接触者」としての隔離入り。Oh, My Go - ogle!

それでも、なんとか代理の歌手を教会関連者の中から見つけ出し、動画撮影へ。ソーラさん自身の短いHugleidingフーグレイジング(この言葉は適当な訳語が思い浮かびません。英語でさえピッタリする言葉がないのです。特定のテーマについての思索をシェアすること、みたいなものです)の撮影から始まりました。




これは先週 動画撮影準備中


ところが、ソーラさん。撮影が始まった夕方の五時にはもうクッタクタになってしまっていて、「楽しいクリスマスを」とか言いながら、表情は草葉の陰から出てきたような感じ。 「疲れきったクリスマスを...」

三分のお話しを、計15回くらい撮り直すこととなりました。その間こっちも立ちっぱなしでさすがに疲れたわー。その後合流した歌の部分は順調に進みましたが、それでも終わったのは九時前。一時間で終わるはずのコンテンツだったのですが。

もちろんこれ、ソーラさんが悪いのではなく、みんなそういう状況の中にいるのです。よく、スポーツの試合とかで、均衡状態が続くしんどい状況の時に「自分が苦しい時は、相手も苦しい。だからねばって、あきらめるな!」とか言うじゃないですか。

それとは状況というか、目的がまったく違うのですが、忙しくて自分がしんどい時とか、イライラが増してくる時とかにも、同じ言葉は有用だと思いますね。勝つことではなく、支え合うことの方が目的になりますが。

イライラ、しんどいのが自分だけだと思うと耐えきれなくなるものが、みんなそうなんだ、と気がつくと意外と受け入れやすくなったりして、周囲にも当たらずにすますことができるようです。

皆様も、右手に師走、左手にコロナ対策、のような日々を過ごしと思います。イライラが増した時には、「私はイライラしている。でも、それはみんな同じ」と心中(しんちゅう)で念じてみてください。実際に効果ありますよ、私の経験では。(*^^*)

平和で良いクリスマスでありますように!


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レイキャビク ダウンタウン in Advent -その2-

2021-12-15 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

今回は前回の続きで、先日寒いけど風邪のない快晴の夕に撮影した写真を使い、レイキャビクはダウンタウンのアドヴェントの様子をご紹介してみたいと思います。

ですが、その前に二枚ほど、私のオフィスがあるブレイズホルトゥス教会からです。この時期、教会も多少飾り付けをし、普段は白の常夜灯が赤に変わります。「赤い教会」みたいでちょっと変わってるでしょ?







さて、ダウンタウンです。前回は化け猫のいるLaekjartorgライキャトルグでストップしました。今回はそこから再スタート。

このスクエアの前に、オイストゥルストライティと交差する目抜き通りがあります。これはLaekjagataライキャガータ「小川通り」といい、この通りの向かい側に首相府というか、首相が執務する白い建物があります。





ライキャガータのこちら側から、首相府に向かって左側を眺めると、アイスランドに進出したHMの入るビルが見えます。HMよりはユニクロが欲しいぞ! オイラは。

その奥にコンサートホールのHarpaハルパがあります。夜はライトアップの光の色が時間ごとに変わります。

ついでにハルパというのは「帆立貝」「帆立貝状の形のもの」を意味し、そこから楽器のハープもハルパと呼ばれます。女性の名前にも多く使われています。







さて、化け猫のあったところから、ライキャガータを真っ直ぐに横切ると、そこはBankastraetiバンカストライティ「銀行通り」と呼ばれる通りになります。名前の言われは一目瞭然ですね。

この通りはとても短く、50メートルも歩くと、そこからは同じ通りなのに名称がLaugarvegurロイガヴェーグル「泉通り」と変わります。このロイガヴェーグルがかつての繁華街の通りになります。

バンカストライティがロイガヴェーグルとなる地点に、右手に分かれる細い通りがあります。Skolavorudustigurスコーラヴォルズスティーグルです。これはですねえ、「学校の管理人通り」というような意味になります。由来は知りません。多分、かつてそのすぐ横にある名門高校(MR)の管理人が住んでいた、とかでしょう。

この通りはずっと上り坂で、その行き着く先には、あのランドマーク的なHallgrimskirkjaハットゥルグリムスキルキャという大きな教会があります。

この通りは虹色に染められています。レインボーカラーはゲイの人たちのシンボルマーク。現在のレイキャビク市はゲイの人たちの権利拡充に熱心でサポートしており、この通りも市の意向でこのような装いとなっているものです。







ハットゥルグリムス教会まで上って行くのは疲れるので、ここでUターンして、化け猫のあったオイストゥルストライティ方面へ戻ります。

化け猫を今度は無視して「東通り」を直進します。クリスマスの出店が7~8軒出ています。

ここも短い通りで、100メートルも歩くと行き止まりで、これまた小さなスクエアのIngolfstorgインゴウルフストルグに出ます。この時期、ここにはミニスケート場が仮設されるようになりました。もう十年くらいになるでしょうか?

飾り付けも華やかで、音楽もガンガン鳴っていますので、そこにいるだけで楽しいような気分にはさせてくれます。







そこを通りすぎ、少し行くと民家ではない、多分ゲストハウス?の前の大きな木がイルミネーションで飾られていました。これも結構きれい。







凍った路面を滑らないように歩くのは一時間で十分。なんか腰まで痛くなってきたので、老体のワタシはこれにて撮影を終了とし、古アパートへ戻ることとします。

最近、めっきりダウンタウンへ来ることが少なくなってきました。買い物とかは、車で大きめのスーパーとかへ行ってしまいます。たまに歩くと、いろいろと変わってたりしてちょいと観光客気分にもなれて楽しいですね。

実際、カメラを持ってうろちょろしてると「The 観光客」としか見えないだろうと思いました。それもまた楽しや。

ご閲覧ありがとうございました。


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レイキャビク ダウンタウン in Advent

2021-12-12 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

今回は、ちょっといつもと違って、写真を多用してみたいと思います。新しい境地を開拓?なんて殊勝なことではなく、とても忙しくなっていて、落ち着いて文章を書くゆとりがないのです。そういうことも「たまに」あります。(^-^;

そこで思い立ち、金曜日の夕方に一時間ほどカメラを片手にダウンタウンに散歩に行ってきました。本当は片手ではなく、両手でしっかり持っていました。寒い日で、足元は雪が固まった氷状態だったもので。

ちなみにカメラはSonyのRX10のマーク3という結構いい方のカメラです。プロは使わないでしょうが、素人には重宝するやつ。

ですが、ダウンタウンへ向かう前に二枚だけ、昼間に写したものを。行きつけのスーパーから出てきてすぐのところなのですが、快晴でEsjaエーシャという山とそのお隣りがきれいだったので。これはIphone撮影です。私の「癒しの山」です。見るだけで登りませんが。







で、レイキャビク西街の古アパートから、歩いた通りの順番にアドベント時期のダウンタウン界隈の様子をお伝えしてみたいと思います。どこをもってダウンタウンと言うか?というのも時代によって変わりつつあります。

一応伝統的に国会(アルシンキ)とカセドラル教会がある広場をダウンタウンの中心とすると、我が古アパートは、実はそこから歩いて十分(じゅっぷん)の近場にあります。

最初の写真は、上り坂を歩いて五分のところにあるLandakotランダコットというカトリック教会です。付属の小学校があり、私の子供たちはそこへ通っていました。数年前にスキャンダルがあったのですが、その件については機会があればまた書いてみたいと思います。







その隣りには、毎年「生の」クリスマスツリー売り場の小屋が建ちます。伝統的には、あまり早くからツリーは飾らず「直前になってから飾るのが正解」という声を時々耳にします。理由はよくわかりません。

そこから、今度は坂を下ること二分で「ここからがダウンタウンの中心」みたいな感のある通りに差しかかります。そこにあるのがこのきれいな青い木。

この時期、飾りの色は様々ありますが、私はどうやら青が一番のお気に入りだ、と最近自分自身で気がつかされました。きれいですよね。カメラのAutoで撮りまくったので、あまり芸術性はないです。悪しからず。m(_ _)m







そこから一分程度で、カセドラルであるDomkirkjaドムキルキャと、その横に立つツリーに至ります。この教会の右隣りが国会です。

このツリーは「オスロツリー」と呼ばれ、毎年アドベントの時期にノルウェーのオスロがプレゼントしてくれるものです。一時期「もう、やーめた」と危機があったのですが、どうやら回避されたようです。

そのツリーの奥にあるのがHotel Borgという、レイキャビクでは老舗の高級ホテルです。レストランに入ったことが一二度ありますが、もちろん泊まったことはありません。







ここの広場はAusturvollurオイストゥルバットゥルと呼ばれ、多くの集会が持たれる場所です。2008年の経済危機の直後には、すさまじい抗議集会が連日持たれました。それによってもたらせれた政治変革を「無血革命」と見る歴史家まであるようです。

その広場を抜けると、Austurstaetiオイストゥルストライティという小さな通りに出ます。小さいとはいえ、ここがオールドダウンタウンの目抜き通りの始まり地点となります。

Ausuturオイストゥルという言葉が二回連続で出てきましたが、これは「東」「東の」を意味する言葉です。上述のふたつは「東広場」「東通り」という意味になります。

そこからちょっと歩くとLaekjartorgライキャトルグ「小川広場」という極小スクエアがあります。ここには大きな猫のイルミネーションがあります。







私はただのネコ、と思っていたのですが、クリスマスの伝統的な話しの中に、「クリスマスに新しい服を着ない子供がいると、大猫がその子を食べに来る」というものがあるそうで、これはその化け猫のようです。

正直に言いますが、ワタシはこの話しはまったく聞いたことがなく、つい先日同僚の可愛い女性牧師さんがその話しをしたので「へえー?」となった次第です。昔の童話にありがちな「ひでぇ話し」ですね。貧乏人は消えろ!ってか?

というところで、長くなってきたので、今回はここで休止。続きはまたの回とさせていただきます。ご閲覧、ありがとうございました。m(_ _)m


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アイスランド流「仕分け」内閣

2021-12-05 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

十二月の初旬ですが、レイキャビクではようやく落ち着いた冬となり、気温は毎日0℃辺りに定まっていますし、すでに積雪しました。朝は10時過ぎまで暗くなりましたが、気まぐれな気温と違い、日照時間の方は毎年カチッと決まっていますね。

もちろん日の入りも早くなっていて、公式的には午後4時前に日没となります。ですが、暗くなるのはもう少し後で5時前となっています。こちらの気象局ではちゃんとMyrkurミルクル「暗くなる」という項目も発表しています。

「暗い時期」に突入したわけですが、十二月は暗くなる一方でクリスマスの飾りの灯りが街中に溢れてきますので、それほど「暗さ」に嘆くというよりは、イルミネーションを楽しむ方に心が動いてくれます。




ホッコリ感アップ用ピック 氷島ではなく「ワイハ」
Myndin er eftir Justin_Lam@unsplash.com


さて、9月25日に行われた国会議員選挙の後、八週間以上を経て、先々週ようやく国会が新規に召集されました。そして、さらに一週間ほどを経た、先週12月1日に、新たな政権の概要が発表されました。

基本的には前政権の延長、ということが緊張感のなさに繋がっていたと思うのですが、発表された新政権の内容は、予想外にドラスチックな変化を含むものとなりました。

まあ、ドラスチックというよりは「ワケがわんねえ」と言ったほうが正解かも。

大臣数は12人ですので、前回から変わりはありません。男性が七人、女性が五人。前政権時も7:5でした。アイスランドではこのような時にも男女比は重要視されます。

男性が二人多いのですが、このうち法務大臣のポストが二年後に交替することになっています。これが男性から女性への交替ですので、二年後には男女比はイーブンになります。もちろん、他のメンバーチェンジとがなければ、の話しですが。

首相は緑の党のカトリーンさんが続投。財務大臣も独立党党首で元首相のビャルトゥニ氏が続投。みっつ目の連立党党首で、今回の選挙の一番の勝者となった進歩党(という名前の保守党)のシーグルズル・インギ氏は、これも続投で交通大臣なのですが、今回、交通省が住宅問題を守備範囲に含めたインフラ省に変わりました。




左 おなじみカトリーン首相
右 ビャルトゥニ財務相
Myndirnar eru ur stjornarradid.is


住宅不足と、不動産価格の高止まりが問題とされてきましたので、この問題にテコ入れをするのが意図だと思われます。交通省はもともと道路の維持・拡張や新トンネルの建設(?トンネルは「建設」でいいのでしょうか?)等、インフラに関係が強い省です。

これまで保健衛生大臣だったスヴァンディスさんは、今回は漁業・酪農大臣。彼女はコロナ下で頑張っていたのですが、コロナで頑張る人は必ず一部の人たちから敵視される運命にありますので、これは何か裏があるかもしれません。

その保健衛生大臣には新入閣のウィルム・ソウル氏。この方のことはまったく存じません。名前も今回初めて聞いた気がします。

これまで外務大臣だったグンロイグル・ソウル氏が環境大臣、外務大臣にはこれまで観光大臣だったソルディス・コルブルンさん。ワタシの密かなお気に入りの女性です。

法務省がまた名称替えをして内務省となりました。大臣はヨウン・グンナルスソン氏。二年後には同じ独立党のグビューズルンさんという女性に交替する予定。

と、ここまでは名称の変更や、一部の管轄の増減はあったもののまだわかりやすい変化です。これ以降が複雑。




左 進歩党(という名前の保守党)党首のシーグルズル・インギ氏
右 同じ党で、昨今露骨に好感度アップに励むリルヤさん
Myndirnar eru ur stjornarradid.is


これまで観光省は、Nyskopunニースコープンという、なんというか「新しい分野の開拓」省を兼ねていました。そのニースコープンの部分が産業及び科学の管轄と合体して「科学、産業及びニースコープン省」となり、これまで法務大臣だったアウスロイグさんが大臣。この女性が法務大臣をの座を降りてくれたことは、今回もっとも拍手喝采したいことのひとつです。

観光省は、実業及び文化問題とくっつき「観光、実業及び文化省」となり、これまで教育及び文化大臣だったリルヤさんが大臣に就任。この辺から、管轄範囲の結び付きが「なんで?」という感じになってきます。

教育省は、子供の問題とくっつき「教育及び子供問題省」となり、これまで福祉省大臣だったダーザソン氏が大臣。一見、もっともらしい組み合わせですが、子供の関する問題は教育問題だけではなく、福祉や権利の問題にも繋がりが強いですので、私としては理解しきれていません。

最後ですが、これまで環境大臣だったグビューズムンドゥル・インギさんが「福祉及び労働市場省」大臣となりました。確かに失業問題などは福祉に関わりますが、労働市場はもっと直接的に経済分野に関わるでしょうし、ちょっと?です。

ちなみに、このグビューズムンドゥル・インギさんは、私の西街の古アパートのすぐ隣りに住んでいます。ごく普通の古アパート。時折、その玄関前に黒塗りの高級アウディが待機しています。お迎えの車。

全体として見ると、福祉省に関わっていた分野 –住宅問題と子供の問題– が他所へ移り、さらに教育・文化の問題が小分けされてあちこちへ移された感があります。




左 ワタシの密かなお気に入りのソルディスさん
右 我が隣人のグビューズムンドゥル・インギさん
Myndirnar eru ur stjornarradid.is


これからしばらくは、ある種の問題についてどこの省庁の管轄なのかとまどうことが多くなるだろう、と感じています。

シングルマザーの家庭の子供手当はどこが責任を持つ?福祉省か子供問題省か?離婚夫婦の子供の親権問題は、子供問題省か、内務省か? 産業、実業、労働市場とか、ルーツが同じ分野も複数に別れてるんですけどー?

複雑怪奇な「仕分け」ですが、ひとつポジティブに考えられるのは、この仕分け、すべて「現存する問題の解決」という視点からなされているように理解できることです。

コロナ禍で、労働マーケットが麻痺し、福祉需要が増大。経済立て直しには観光業のへのテコ入れと、新規産業分野の開拓が不可欠。住宅問題の解決には、新しい住宅建設が必須、等々の諸現実に対応するための新編成だということは理解できます。

おそらく数年後には、また仕分けのし直しがなされることでしょう。




政治の口直し用ピック キルキュバイヤールという町の学校のツリー
Myndin er ur KBS.is


ここでは書ききれませんでしたが、新しい分野が省庁の看板に乗っかったのとは裏腹に、これまで看板に乗っていた「人権」とか「同権」とかの消えていったタイトルもあります。もう要らねえっ!てか?

そういうところに今回の新政権の主要な力点が見え隠れしていますね。経済関係の事細かな分類に比して、表に出てこない分野にも共通性がある気がします。今、挙げました「権利問題」や「性差別問題」「貧富格差問題」「移民問題」「難民問題」等々も、大きな課題だと、ワタシは思うのですが。

どうせなら「Me too省」「貧乏省」「移民難民人権省」とかも設けて欲しかった気がします。

個人的にはカトリーン首相は好きなんですけどね、この路線には少し心配させられます、というのがホンネです。


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