レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「24」 レイキャビク版

2022-09-23 23:02:43 | 日記
こんにちは/こんばんは。

今回はお天気についてのイントロではなく、ここ三日ほどでニュースになっている出来事について直(ちょく)に入ります。一種のBreaking newsなんですね、アイスランドでは。

それは「テロ計画の阻止」です。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Daniel_Schoibl@unsplash.com


今、これを書いているのは金曜日なのですが、おとといの水曜日の昼過ぎあたりにニュースが流れました。それは「警察がVikingasveitビーキンガ・スヴェイト(アイスランド警察のSWAT 「バイキング・チーム」の意)を投入して、大規模な作戦に従事している」というものでした。

このニュースは曖昧で、何の目的で、誰を対象にして、どこで行われているのか等については触れていません。後から分かってきた様子では、報道管制というよりは、メデイアも詳細を知らされていなかったようです。

その夜だったか、木曜日になってからだったかはっきりしないのですが、「四人の男性が逮捕され、作戦は終了した」という「お知らせ」的なニュースの入電。

そして、木曜日の昼過ぎになって、「午後三時から首都圏警察本部で記者会見が開かれ、テレビ・ラジオでも中継される」というこれもお知らせ。運転中にラジオで耳にしたのですが「麻薬関係の事件だろうな」と私は想像していました。

ところが、記者会見で明らかにされたことは、これが「アイスランド国内でのテロ計画」の疑いに基づく作戦であったとのこと。

逮捕されたのは、全員二十台のアイスランド人男性たちで、彼らのアジトからは数十丁の銃火器と数千発の弾薬が押収されたそうです。押収された短銃は、すべてかどうかはっきりしないのですが、3Dプリンターで作られたものも入っていたようです。

一部の報道のニュアンスでは、このアジトは一味がせっせと短銃を製作する3Dプリンター工場だったみたいです。とすると、全部3D仕様なのかな?

当局はかなり前から情報を入手し、念入りに捜査作戦を準備していたとのことで、当日は50人の警察官が作戦に従事しました。アイスランドの警察官は全国で750人しかいないそうなので、これはかなりのマンパワーですね。

ちなみに作戦に従事したビーキンガスヴェイトは、アイスランド警察で唯一の完全武装ポリスです。




アイスランドのSWAT ビーキンガスヴェイト
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


私自身はこの記者会見は見ていなかったので、どこまでが会見で発表され、どこからがその後のメディアの追跡取材で明らかになったことなのか判然としないことをあらかじめお断りしておきます。

テロの対象とされたのはアルシンキ(アイスランド国会)と警察だったとのこと。さらにしばらくして、来週開かれる警察の年次慰労会がターゲットだった可能性が高いという情報。

ニュースのインタビューに答えていた国家警察(日本語だとちょっと?の響きがありますが、要するに国の警察本部のこと)長官のシーグリズルさんは、「捜査はまだ続いているので、公表できる事実はまだ限られています」

ですから、押収された武器が短銃だけではないかもしれないのですが、爆弾や簡易ロケット砲などの破壊力の強いものは存在しなかったようです。

余談ですが、シーグリズル長官は、私が以前居候していたネス教会の牧師さんの奥さん。アイスランド的人脈規模です。




アイスランドの警察のトップは女性 シーグリズル長官
Myndin er ur Kjarninn.is


で、大陸のヨーロッパ諸国や日本の人たちから見れば、この規模のテロ計画では一大事とまではいかないでしょう。日本でなら「組」の抗争ですらもっとずっと規模は大きいだろうと思いますし、どう見ても「テロのプロ」の仕事のようには見受けられません。

ですが、ここアイスランドでは、このような事件あるいは企てはこれまでなかったことなのです。歴史上の初物。ですから、このニュースはそれなりのショックを社会に与えています。

カトリーン首相もニュースのインタビューを受けていましたが、彼女は作戦進行中から、その内容を承知していたとのこと。他の国会議員は知らされていなかったようです。

「アイスランドが、このような面において他のヨーロッパ諸国のようになってきたことは残念だし、もちろん不安にもなりました」と結構ブルった表情で答えていましたね。そりゃそうですよね。自分がテロの標的になったら普通ビビりますよね。

この夏以降でも、国内の殺人事件は二件。二件ともギャングとかは関係なく、知人・隣人間でのいざこざが原因。麻薬の押収量も着実に増加しているし、この国の犯罪や闇社会の力が上昇中であることは間違いありません。

アイスランドでこういう事件が起きた時に、たとえば日本と多少違うだろうな、と思われるのは、社会が小さい分だけ「身近」な出来事なのですよ。物理的にも心理的にも。

大阪でテロ計画が摘発されても、東京の人には「遠い出来事」でしょうが、同じ町内会で同様のことがあれば、それなりに近隣住民は不安になるはずです。人口が八王子の半分強しかないアイスランドでは、すべてがそういう感じなのです。

今回逮捕された一味の素性はまだはっきりしていません。メディアの観測ではおそらく国内の極右グループの仲間ではないかとのこと。こちらにもいくつかの極右の集まりがあります。




ショックが顔に出ていたカトリーン首相のインタビュー
Myndin er ur Ruv.is


この夏に、難民の人たちが多く宿泊しているアパートのある地域で「難民ではなく、アイスランド人を優先しろ」という内容のアジビラがまかれたりしましたが、これもこれらのグループによるものと推測されています。

そのうちのひとつはNordurvigiノルズルヴィーイ「北の砦」と呼ばれ、ノルウェーの同種の組織の子分のようなグループ。Nordurvigiは声明を出して関わりを否定しています。「我々はテロ組織ではない」と。ウハハ。確かに今はまだ「テロ思想集団」でしょうね。

モルグンブラウズィズ紙の報道によると、逮捕された一味は、2011年にノルウェーのウトヤ島で77人の若者の生命を奪うテロを単独で行ったブレイビクを手本にしていたとのこと。

ブレイビクは労働党の掲げる移民政策に反対し、特にイスラムへの憎悪を持ち、ウトヤ島での労働党ユースの大会を襲撃したのでした。

アイスランドの極右も総じて反移民です。ネオナチ。そうなると、こちらの移民支持者や移民自身がテロの標的になる可能性は事実あります。そう考えると、ワタシもやばいかも。

十年くらい前にもネットのグループチャットとかで、社会で積極的に発言する他の幾人かの移民の人たちと並べられて「日本産の黄色いトマト(Toma-to)たちを一緒に始末しないか」とかの呼びかけがなされたことがありました。

その頃は「そんな実行力ないじゃん」と思ったので、気にもしませんでしたが、最近の負の方向への変化を鑑みると、これからは多少気をつける必要はあるかもしれないですね。

とはいっても、どうやって気をつければいいのか?3Dピストルを持った人間が近づいてきていきなりズドン、とかだったら事実上個人では防ぎようがないですよね。VIPでもない人物を「絶対仕留めよう」と決意したら、それを防ぐのはかなり難しいだろうと想像します。




アメリカCNNでも報道
Myndin er ur Cnn.com


今回の一味にどのような背景があるのか、ノルウェーあるいは他の外国と関係があるのか否か、これからの取り調べで明らかになっていくものと考えます。同時に社会全体の警戒というか、テロ予防の仕方とかも議論されることでしょう。

ですが、それに関連して、もうひとつ気になることを最後にひとつ。

こういう事件が起きると、必ず「反動」があります。もうすでに「警察官の数を増やさないと」「武器も増強しないと」「国境管理を見直さないと」等々の意見がそこここから聞かれています。

本当に必要な対策はもちろんありましょうが、同時に、行き過ぎた反動というものもあります。極右とはいかない右派がこういうニュースを利用しようと動き出したりもするものなのです。だからその点はよくよくフォローしていかないと...

というわけで、今回はIceland Today 「これもアイスランドだから」の回でした。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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アイスランド 中秋の名月と食欲

2022-09-17 20:34:09 | 日記
こんにちは/こんばんは。

「中秋の名月」の頃となりました。と、書いた途端に「そもそも中秋の名月っていつなんだろう?」と自分の無知に気がつきネット検索。

「中秋の名月」とは、旧暦の8月15日のお月様のことだそうで、現在では九月から十月のいつかになるとのこと。旧暦では8月15日が秋の真ん中に位置するのだそうです。

今年の「中秋の名月」は9月10日だそうで、もう終わっちゃってるんですね。そういえば数日前にきれいな満月(っぽいお月様)がレイキャビクでも夜空に浮かんでいました。

ついでに「中秋の名月を、『十五夜』と聞き慣れている方も多いだろう。月は、新月から満月まで15日かけて少しずつ満ちていくことから、旧暦では新月の日から数えて15日目の夜を十五夜と呼ぶようになった」(JALスカイワードプラスより)のだそうで、十五夜そのものは旧暦の月のすべての「15日」の晩のことだそうです。これは、いつかどこかで聞いた覚えがあります。

とにかく「中秋の名月」と聞くと秋を思い浮かべるものだと思います。私もそういうところからこの言葉を先ほど思いついたわけです。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir John_Salvino@unsplash.com


前回、アイスランドではSummer is come back!ということを書きました。この一週間で、さすがにSummerも勢いを失い、秋の気配が濃くなっています。

しかしですねえ、それでもやはりこれは「異常」です。例えばこの二、三日、寝ていて明け方に暑く感じて、パジャマ(本当はMLBパドレスのジャージ。もちろん11番でDARVISHのネーム入り)を脱いで、Tシャツだけになりました。

例年、この時期 -九月中旬- なら「晩夏から秋」よりも「晩秋から冬」を感じるものなのです。それが朝からTシャツ一枚で過ごせるというのはフツーではなくなっていますね、ここでも。一年中こんな感じでいてくれたらありがたいけどな。そうなったら、それはそれでつまらないか?

ちょっとだけお天気関係のことを付け加えておくと、この一週間余り、すっごくきれいな夕焼けの晩が多かったです。写真撮りたかったのだけど、この古アパートのベランダに出るドアが老朽化していて、一度開けるときちんと閉めるのが難しく、それ故ギブしてしまいました。

さらに、オーロラがはっきりくっきり出ていた夜も頻繁にあったようで、Facebookに多くの人が写真をアップしていました。こちらの方は、ワタシはまったく気がつきませんでした ... スミマセン。オーロラ興味なし ... でした。




中秋のオーロラ 友人が撮影したものを拝借


ところで秋といえば「食欲の秋」でもありますね。最近何度も「焼き魚」について触れてきました。日本でなら日常の生活の一部に過ぎないでありましょう焼き魚が、アイスランドではいかに「非日常」に属するものになっているか、ということでした。そしてワタシが焼き魚を欲していることも。

その後、コロナになったことなどもあり、いまだ生のお魚を自分で捌いて焼いてみることはできていません。

そのかわり、結構色々なレトルト状の焼き魚を、アマゾン経由で購入し試してみましたので、ちょっとご紹介してみたいと思います。

もちろん、日本にお住まいの方にはほとんど何の価値もない情報でしょうが、それでも「ああ、アイスランドなんかに住んでいると、こういう苦労もあるのか」ということをご理解いただく一助にはなるのではかと。

レトルト食品の良いところは、まず常温保存が可能。そしてだいたい三ヶ月くらいは日持ちします。これはもう、日本から食品を買う場合の絶対必要条件になります。

缶詰類もこの点はクリアしているのですが、缶詰は重量がヘビーという難点があります。普通の航空荷物の郵便が使えればとにかく、使えない今現在、缶詰類はNGですね。

日本からの国際郵便の可否状況はこちらから


で、いろいろお試し中です。その中のオススメのものをいくつか。ただし、鮭やタラというような魚は、こちらでも日頃からスーパーで買うことができますので、こういう入手可能なものは試していません。

私が日本から買ってみたのは、こちらでは手に入りにくいアジ、サンマ、ホッケ等の種類に限られています。

まずアジですが、二、三種類試してみましたが、九州の「ミート21」というショップのものが一番でした。ペナペナの薄いアジが多いものなのですが、ここのアジは結構肉厚で貧弱ではありませんでした。




「骨まで食べられる干物 焼き魚 あじ 約90g ひもの 国産 九州産 真空パック レトルト」
Myndin er ur Amazon.co.jp


次いでサンマ。これは「函館えさん昆布の会」というショップの商品。「北海道産さんまを圧力釜で骨まで柔らかく仕上げた 塩焼さんま(レトルト)」とのことです。二尾入りで100グラムなので、サンマそのものは小さめです。

ちょっと缶詰っぽい食感ではあります。焼き魚としての歯ごたえは物足りないのですが、それでもサンマ。「食べる?食べない?」の選択下であるのなら断然OKです。




「焼き魚 レトルト 塩焼き さんま 6尾(2尾入り×3袋) 北海道産 秋刀魚 真空パック いかめし屋が圧力釜でつくった 骨まで柔らか 」


次はホッケ。ブランドは「骨まで食べられる焼き魚」で、製造はマルコーフーズ。「平成17年度全水加工組合会長賞!骨ごと丸ごと美味しい!子供やお年寄りにも食べやすい!」とのこと。

私が買ったものは 4点セットで、アジ、金目鯛、ホッケ、サンマでした。ホッケは残念ながら、いかにも小さい。70から90グラムの間くらい?骨まで難なく食べられるので、お年寄りの方とかには重宝するものでしょう。

ちなみにこの商品は半年間の保存が可能ということで、非常食の備品にもなりますね。




「骨まで食べられる焼き魚 厳選4点セット(ほっけ入り)」
Myndin er ur Amazon.co.jp


最後はサバ。サバに関しては、こちらでもいくつか入手方法もあり、実際にスモーク・サバの開きのグリルは、自分で試して満足しています。ですから、ネット購入は「ものは試し」の気分でした。

「ええもん広場」というショップで購入し、生産者はYSフーズ。これはかなり美味しく食べられました。多分、日本のコンビニで売ってるレトルトに近いのではないかと思います。




レトルト食品 惣菜 おかず 魚 鯖 塩焼き 味噌煮 2種8食 詰め合わせ 国産乾燥野菜 セット YSフーズ 常温保存


もう一点は福井の「越前宝や」というお店のもの。一尾80グラムくらいあり、味も普通にサバでした。




「骨まで食べられる焼き魚 さば 塩干し 10枚入 焼かずにそのまま」


レトルト食品ならではの長所はもちろんいくつもあります。ですが総じて、味や量に関しては、これはもう普通の焼き魚には及びません。それは「分かったうえでの」探索の努力なのでした。

もうひとつの努力は、こちらで生の魚を焼くこと。これも現在進行形。この間は鮭の切り身を室内グリル機で焼いてみました。これは完璧に焼き魚。悲しいのは鮭はそんなにワタシのお好みではないことなのでした...  次はサバでトライします。






かなり優秀なNinjaの室内グリル器 皮もパリパリの仕上がり


最後の最後に、前から訴え、願い、祈っていることをもう一度:「日持ちするレトルト納豆をつくってくれー!!」


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Summer is back! の月曜日の過ごし方

2022-09-08 23:59:52 | 日記
こんにちは/こんばんは。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Roma_Ryabchenko@unsplash.com


八月の初めあたりに「アイスランドは急速に晩夏に入った」とか書きました。肌寒い、風は吹く、雲が多い、暗い、とかの多重奏で実際に「晩夏」化していたのです。いつもより二、三週間早く。

ところがです。Summer has been back!! というこの二週間になってしまいました。いや「しまいました」ではなくて「なってくださいました」の方ですね。とにかく、快晴の日が続き、気温も毎日14〜15度。時には16度にも達しました。

しかも、これはレイキャビク界隈の話しで、アイスランドで一番夏らしくなる東部では、その上をいく気温になったとのこと。

今週の月曜日もそのような「なつーっ!!」の快晴日でした。ですがこの日、私は外へは一歩も出ず -正確には玄関前に数歩は出ました- 家の中に引き篭もっていました。いや、別にコロナがぶり返したわけではありません。一生懸命、作業をしていたのです。

これには前史があります。

新橋でサラリーマンをしていた二十代の頃、給料が入るようになって、多少のお買い物ができるようになった私は、ホーム筋トレ用のグッズを時折購入していました。当時、大のボクシングファンだった私は、自分でもかなりワークアウト好きだったのです。

その頃購入した筋トレマシンというか器材のひとつに、ボートを漕ぐような姿勢でスプリング付きのロープを引っ張るものがありました。ポータブルなケーブルマシンですね。単純な仕掛けで、残念ながら抵抗の増減とかはできなかったのですが、肩や腕にはかなり効き目があって、私のお気に入りのグッズでした。




今週の火曜日、近隣のアウス教会からのダウンタウン方面の眺望


ここ数年、還暦に前後して、また筋トレを始めたことは以前書いた通りです。もうすぐ六十四歳になりますので「その歳で筋トレなんて、無駄ムダ」と思われる向きもありましょう。

高齢者とダイエット、筋トレの組み合わせについてはこちらも:「還暦 ダイエット ダルビッシュ」


ですが、効果はあるのです。今現在の状況で言いますと、筋トレをすればその分筋肉は付きます。ある説によると「高齢者ほど筋トレをして、代謝を高めるのが良い」とか。

私自身は、筋トレをすると全身の眠っていた神経が覚醒するような気分になるのが好きですね。普段意識したことないようなところの神経が起きてくれて、その部位の意識ができてくるのです。変な話しですが「自分の身体の管理者は自分だ」みたいな気になります。

で、昔の器材の思い出から、私はここ数年間もケーブル系のマシン、器材を欲しいと思っていました。ジムに行けばきちんとしたケーブルマシンはあります。ですが自宅用となると、これはもうチューブやロープを引っ張るしかないのが実情です。でも、チューブ、ロープでは効き目が薄いし、使い方も好きになれないのです。

そういう中で、見つけてしまいました。ホームトレ用のケーブルマシン。レイキャビクの行きつけのフィットネス用具店が仕入れて売り始めていたのです。値段は十万以上しますが、手が届かない額ではない。

ネットで見つけて、どういう代物かYoutube等で検索チェック。普通Bio Forceという商品名で呼ばれるマシンで、出始めたのはもう十年くらい前に遡るようです。ネットで見た限りでは「これこそ夢に見ていたマシン」という感じ。

結局、分割払いの「可」を確認して、ネット購入するまで一日。

次の一日は、屋根裏にあるMy home gymを片付けたりして、マシン用のスペースをつくったり、床に敷くマットを家具屋さんで買ってきたりとか「お迎え」のための準備作業。




これは八月最後の土曜日、シンクヴェットゥル国定公園近くへのピクニックより


そして、先の月曜日の午前中にマシンの配達が来たのでした。日曜日が労働日の私は、月曜は代休日。月曜日に配達してくれるよう予め頼んであったのです。

配達のトラックが来たので、玄関前に出ると、中型の貨物トラックがアイドリング中。その貨物室の中にあったのは... 私宛のマシンのみ。寂しいー。

ところでこの荷物。大きな段ボールの箱ふたつのセットなのですが、それぞれの箱がなんと40キロあります。意外と重いのです。

陽気で朗らかなドライバーのお兄ちゃんに「家は4階なんだけど、運ぶの手伝える?」と訊くと、「いやー、悪いんだけど、ボクは『玄関まで』という仕事なんで」

コロナが蔓延して以降、こういう形式がはびこるようになったのです。感染予防だったものが、今では単にサービス劣化になっているような気がしますね。まあ、しかしこれは想定済み。ちなみに西街の古アパート、エレベーターなど当然ございません。

配達は午後になるだろう、と踏んでいたので、アフターファイブに息子に手伝ってもらうつもりでした。ですが時間はまだ昼前の十一時。夕方まで待つのはいかにもバカくさい。

というわけで、私は作戦を立てました。40キロの箱をひとりで四階の自宅まで運ぶのは無理。でも、一階の玄関ホールで開封し、パーツを小分けにして運ぶのなら大丈夫。幸い、平日のこの時間、アパート内はもぬけの空の状態で、作業をしても他所様に迷惑をかける心配はなし。

ということで、ナイフやハサミを持参して作業にかかりました。まずひとつ目の箱を開封。パーツを五、六回に分けて運び上げます。結構疲れるけど... その後、ダンボールの空き箱を、ナイフで新聞紙代に切り刻みます。これも結構疲れるひと仕事なのですが、これをしないとゴミ捨てで結構な手間がかかってしまいます。

パーツをひとつひとつ包んでいるビニール袋や、プラスチック製の紐、隙間を埋めている発泡スチロールとかは、全部まとめてひとつのゴミ袋へ。分別、分別。

ひとつ目の箱を片付けるの小一時間かかりました。そしてふたつ目。また一時間。これって、相当な作業でしたよ。暑いし。ふたつ目の空き箱等を整理し、ゴミはとりあえず一階にある物置の中でキープ。

玄関ホールは、段ボールから出た細かい屑とかがわんさか。これも想定済み。4階から、最近買ったダイソンの掃除機を持っておりてお掃除。これで第一段階クリア。






My home gym 上は新規においでくださったBio Force 様


第二段階は、運び上げたパーツを、さらに屋根裏部屋へ搬入すること。これは狭い螺旋式の階段を通過しなければならず、ちょっと面倒な作業。

そして、第三段階はマシンの組み立てです。これは事前にマニュアルをネットでダウンロードして読んでおいたのと、Youtubeでも組み立て解説用動画があったので、それほど難儀ではありませんでした。

それでも組み立て始めたのが午後二時過ぎで、組み立て終わったのが夕の六時くらいにはなりました。その頃にはかなりヘトヘト...

ようやく組み立て完了。最後の作業は、パーツから出た段ボールやプラスチックをまとめて袋に仕分けし、それを下の物置に持っていくこと。

そして、めでたくすべて完了したのです。そして、わがホームジムに、立派なケーブルマシン様が鎮座ましましてくださったのです。

なぜ、こんなことを長々とここで書いたか、と思われるでしょう。それはですね、この爽快な「達成感」を残しておきたかったからです。気持ちイー!! のです。

玄関に残されたひとつ40キロの荷物ふたつ。それを、まもなく六十四歳になるおじ(い)さんが、ひとりで段取りをつけ、事実上の5階にまで運び上げ、後をきれいに掃除し、マシンを組み立てあげる。

久しぶりに、なんというか、「始まりがあって、終わりがある」というはっきりとした労働を完遂した気分です。

普段の仕事の性格が、いつ始まっていつ終わるのかはっきりしない性格のものですし、さらにいえば、どこまでが仕事でどこからが自主労働なのかも判然としないことが多いです。そういうなかでは、今回のような作業は、作業それ自体がリフレッシュになった気がしますね。

外は快晴の月曜日。私はお日様を仰ぐことなく終わりましたが、それでも十分に満喫できた一日となったのでした。


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ブログ十周年到達でーす!   感謝 m(_ _)m

2022-09-01 06:58:09 | 日記
こんにちは/こんばんは。




清涼感アップ用ピック1
Myndi er eftir Sergi_Ferrete@unsplash.com


“September そしてあなたは September 秋に変わった... ” と、毎年必ず書いていますが、かつて私がまだ東京で暮らしていた頃には、九月の始まりには必ずこの歌がラジオから流れてきたのです。

さすがに今はそんなことはないのでしょうね。

人生のある時、ある地点を通過すると、自分の経験してきた事柄のあるものが、フリーズされてそのまま残っていたりします。それはそれでいいのですが、怖いのは自分自身がそのことにまったく気がついていないこと。

つい一週間前に、まだ二十歳代のシリアからの難民の姉妹と話しをしていました。なりゆきでシリアやヨルダンの遺跡のことがでてきました。

「牧師になる勉強をしていた頃、『インディ・ジョーンズ』の映画のロケで出てきたヨルダンのペトラ遺跡に行きたかった」と思い出語りをしたのですが、姉妹さんはキョトン。「『インディ・ジョーンズ』?」

ガチョーン!! まさか、そこまでか...?ワタシ的には「インディ・ジョーンズ」なんていうのは銘菓ひよこなみに誰でも知ってるブランドのはずだったのですが...

ちなみに「『Bond, my name is Bond』は知ってるよね?」と尋ねると、こちらはさすがに知っていてくれました。ああ、よかった...  接点はまだあった。




まさかのOldies入りの「インディ・ジョーンズ」


さて、先週の後半に、このマイナーブログの十周年を迎えることができました。まずもっては、このマイナーブログを覗いてくださる奇特な皆様に感謝を申し上げます。

たとえ少人数ではあっても、読んでくださる方があるから続けられるのであって、訪問IPがゼロだったら、さすがにどこかの時点で沈没してしまっていたと思います。そうならずにすんでいるのは皆様の人徳のおかげでございます。m(_ _)m

始めた頃は、毎日の更新を目指していましたし、すぐに息切れした後も、週二回とかをキープしようとしていた時期もありました。

もう七年くらい前から週一に落ち着き、それ以降はほぼ「ルーチン・ワーク」みたいになってきましたので、別に何年続けているとかは、それほど意識することはないままできました。

ですが、十年ねえ... と思って改めて考えてみてビックリするのは、「オレ、十年間、なんも進歩してない。 (しばし沈黙) この十年って、なんだったんだろう?」

十年というのは、それほど長い期間だとは今は思いませんが、それでも十年で変わってくることもいろいろありますよね。昨今はVログなるものがフツーになってきていますし、多分、ブログでも動画の取り込みとかがあってしかるべきなのでしょう。

ですが、ワタシのこのマイナーブログでは、この先も相も変わらずアナログな「作文ブログ」で続いていくことになると思います。日本語で書くのが楽しい、というのがブログをしている理由のひとつでもありますのでね。

ただ、ワタシも稀にですが「天啓」を受けてというか、「突然変異」を遂げてというか、急に思い立ってなにか新しいことを始めることもあります。ですから、ひと月後に、急に「Vログ、始めました」みたいなことが絶対ない、とは言わないでおきます。(^-^;




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Luca_Micheli@unsplash.com


で、このブログというものを続けている方々は、それぞれに楽しいことも、難しいこともご承知のことでしょう。難しいことに関していえば、おそらく皆さんに共通することは「ネタ集め」だろうと想像します。

ですが、それはさておいて、私がブログを書きながら、毎回のように遭遇するもうひとつの難しいことがあります。それは、どのように「日本語表記」をするか?ということです。

これは文法ではなく、「表記」の仕方についてのことです。文法は文法で、何度も調べなくてはならないことがあります。ですが、頻繁さということでみるならば、表記に関して迷うことの方が多いですね。

たとえば「ひとり」を「ひとり」とかな表記にするか、「一人」と漢字にするか?「なにか」を「なにか」のままとするか、「何か」とするか?「取ってくる」は「取ってくる」なのか、「取って来る」なのか?というようなもの。

日本語って、文法とは別のところで、なんというか視覚的というか、書いてあるものを見て受ける印象というものも強いじゃないですか。漢字が多すぎるとゴツゴツしたイメージになるし、漢字が少なすぎると単純に読みづらくもなります。

結局、いい塩梅は自分で見極めないといけないですね。一応ルールらしき原則は決めています。たとえば、「行く」「来る」「見る」「言う」のような動詞の場合は、その動詞が他の動詞と連結している場合にはひらがな表記にする、というようなことです。

「向こうの看板を見る」に対して「そのプランを試してみる」みたいになります。でも、実際には迷うことしきりです。じゃあ「そういえば」は「そういえば」なのか「そう言えば」なのか?とか。




清涼感アップ用ピック3 車で10分でこんな場所へ
Myndin er eftir Toshiki Toma


あと頻繁に出てくるのは「数字表記」ですね。漢数字を用いるか、アラビヤ数字か。これは「特定の数値を表すときはアラビヤ数字」「ある単位をまとめて示している場合には漢数字」と、わりとスッキリ区別できます。

ですが、それでも「千円台」か「1000円台」か?というような「?」は残ってしまいます。ルール的には「千円台」なのでしょうが、読む側には「1000円台」の方が読みやすいのでは?と考えてしまいます。

結局のところ、これらの表記の仕方は、一応の自分のルールはあるものの、最終的には「その時の気分」で決めていることが多いのです。ですから、注意深く読まれている方の中には「この人、表記の仕方に原則がないわ」と看破される方もありましょう。

さすがです。その通りなのです。ですが、書く側も気づかずにしていることではなく、迷って、迷って、考え込んだ挙句にそうなってしまっていることも多いのです。ご容赦のほど。m(_ _)m

まあ、とにかく、自分自身では日本語で気ままなことを書くことを楽しんでいます。アイスランド語でものを書くことも好きなんですけどね。それはそれで「自己実現」みたいな感じです。それでも日本語で書ける、ということもある種の「自己回復?」的な癒し効果がある気がします。

「じゃあ、結局自分のためにやってるだけか?」とお叱りを受けるかもしれませんが、そうですね、自分で楽しめながら、かつ多少なりともお役に立てる情報とか、経験のシェアとかをできれば(もっけの)幸い、というところでしょうか?

これからもこんな感じのゆる〜い調子で続いていくことになりますが、どうぞ、引き続きお引き立てをよろしくお願いいたします。


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