レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ゴーザン ダイインと「ごきげんよう」

2019-11-24 00:00:00 | 日記
十一月の最終週に入ります。教会のカレンダーでは「年末」になります。教会の暦は「待降節」(アドベント)という期間から始まります。十二月のクリスマスに向かって準備をする期間なのですが、これが毎年十一月の終わりか十二月の始めに始まるのです。

今年は一昨年、昨年に続いて、またアドベントの始まりは十二月になりました。三年連続。おととし2017年は12月24日が日曜日で、アドベントが最も短くなる、という状況でした。来年からはまた、アドベントは十一月に戻ります(はずです (^-^;)。

日曜日が三回しかないアドヴェント?




本文とは無関係ですが、先日見られた大きなダブルのレインボー


さて今回は、またアイスランド語の関連のお話しです。始めにお断りしておきますが、もしかしたら同じ内容のことを過去に書いているかもしれません。老化が進むワタシの頭脳は、過去の記憶が日に日に曖昧になっていきます。いや、頭脳そのものは昔から曖昧だったかな...?

「年寄りは物忘れをする」という定説は本当だろうと思います。私は、特に同じことを繰り返すような状況で「言った?言わない?」ということが多くなってきました。

教会での集会でのお話し(説教)でもよくあるのです。週に三回くらい違う場所でお話しをしていると、どこの集会でどのお話しをしたか、混乱してきたりして。最近はメモで記録を取るようにしています。

ブログもある意味、同じ作業を続けていくものですから、時に「これ、言ったかな?」と思うことがあります。ですが書いたか書いていないか、全部を調べてチェックするのはなかなか難しいのです。

そういうわけですから、繰り返しになっていたとしても高齢者介護の精神で大目に見てやってください。

さて、アイスランド語です。語学の学習書というのは、だいたい皆そうだと思うのですが、第一課は「挨拶」で始まりますよね?“Good morning Ms. Reagan. How are you today?” とか。いきなり“Hi, Erin, are you lonesome tonight?” とか始まるのはないだろうと思います。

私もいくつもアイスランド語の入門書は読んだり見たりしてきました。スウェーデン語やデンマーク語の入門書も何冊も持っています。だいたい挨拶から始まります。

ちなみに白水社のエクスプレス・アイスランド語とかいう入門書を昔使ったことがあるのですが、そのシリーズのスウェーデン語や、デンマーク語は全部同じ内容をそれぞれの言語に置き換えたものでしたね。(*^^*) 別に悪いことではないのでしょうが。




ペルシャ語の入門書もやはり「挨拶」から


とにかく、アイスランド語に関心のある方が始めに習う言葉のひとつは、間違いなくGodan daginnゴーザン・ダイインだろうと思います。「おはようございます」と「こんにちは」の兼用の挨拶で、日中を通してこの言葉を使います。

ところが、実際にこちらで生活している中で学んだことは、Godan daginnは決してオールマイティの挨拶語ではないということです。

Godan daginn という挨拶がどういう状況で使われるか?ということを私なりの観察に基づいて説明してみたいと思います。あくまでも私の経験からの推論です。

第一は、知り合いではない人に対して挨拶する時。だからスーパーのレジ係の人とかと交わす挨拶はGodan daginnとなります。散歩中にすれ違ったおじいさんとかに挨拶するのもGodan daginn。

第二は、不特定多数の人に対して挨拶する時。例えば、何かの用事で会社とかのオフィスに入っていくような場合。中にいる複数の人たちにまとめて挨拶するような状況の時です。ラジオのアナウンサーとかの挨拶も同じですね。

第三は、話者が外国人の場合で、ともかく「『こんにちは』はGodan daginnだ」と頭にインプットされてしまっている場合です。別にバカにしてるわけではなくて、移民の挨拶言葉はGodan daginnが多いと見受けられます。だって、そう習ったんだから、仕方ないでしょ。

ここまで読んでこられると「では、アイスランド人は既知の中の人にはなんと挨拶するのだ?」と思われることでしょう。既知の人、友だちや職場に顔を出した時などには、普通はSaell サイットゥル(男性に対して)、Saelサイル(女性に対して)と言います。男女混合している場合にもSaelサイルが使われます。

Saellというのは、Sに続く文字が本当はAとEが合体した一文字なのですが、多分このブログでは文字化けしてしまうと思うので、トランスクリプションの規則に従ってAEと書いておきます。

ついでですが、Godann のDもアイスランド特有の文字なのですが、ここではDを代用しています。せっかくですので、アイスランド語のアルファベット表を写真の形でお見せしておきましょう。




アイスランド語のアルファベット 英語にはない文字、英語にはあるのにない文字もあります
Myndin er ur Ja.is


さて、Saellは実は形容詞で、「幸せな」とか「機嫌が良い」とかハッピーな状況を表す言葉です。挨拶語のsaell をきちんと文にするとVertu saell ヴェルチュ サイットゥルとかVertu sael ヴェルチュ サイルとなります。きちんと挨拶をする必要がある時はこう言います。

直の意味は「幸せであるように」とかになりますので、「ごきげんよう」というのが一番近いニュアンスではないかと考えます。

普通の状況では、saell ⁄saelか、これに「祝福されるよう」という意味のblessadur(男性に対して)もしくはblessud(女性に対して)を付けてSaell og blessadur! とかSael og blessud!というのが定番の挨拶言葉となります。

知り合い同士の場合は、まず間違いなくこの挨拶が使われます。Godan daginnはまずないでしょうね、... Godan daginn を知り合いに対して使うとしたら、なにか戯けたニュアンスとかを含ませる時だろうと思います。

もっとくだけた間柄ならHaeハイで済ませてしまうことでしょう。スウェーデンとかデンマークでは、このHaeのご当地版Hej ヘイ、ハイが完全に社会の普通の挨拶語 になっている気がしますが、アイスランドはまだそこまでいっていません。Haeはごく近い仲での挨拶です。

と、ここまで書いてきましたが、私は、実は挨拶言葉にGodan daginn を使っています。なぜかというと、以前十年間いたネス教会では、他のスタッフと共に大部屋にいたので、皆に向かってのGodan daginnだったのです。

で、今の教会に移ってからもずーっとGodan daginn で通しています。「なんで変えないのかなあ?」と自分でも考えてみたのですが、要するに言いやすいのです。それに、やはりワタシの頭脳の決してアジャストしない部分が「おはよう=Godann daginnなのだ」と主張しているのです。

「どの部分が適応できて、どの部分が適応できないか?あるいは適応したくないか?」という問題、過去二十年以上考え続けてきているトピックですが、これも未だ明確な理屈を見出せずにいます。

理屈「らしきこと」はあるんですけどね。それは「自分にとって都合が良いか悪いか」「自分が気分良く感じる方にアジャストまたはキープ」だろうと思います。(^-^; いずれまた、改めて(もう何度取り上げていますが)書いてみたいと思います。


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国際社会 ー アイスランドの厄年

2019-11-17 00:00:00 | 日記
先の週末はストームに見舞われ、大風と大雨に悩まされたアイスランドですが、先週の半ばには台風一過?なのか、雲ひとつないと言えるような好天に恵まれました。ただ、この週末からまたミニストームが来たりして、猫の目の天気が続いています。

日本でも大雨の際に、思わぬところで洪水が発生することがニュースになっていましたが、レイキャビクも同じような現象が起こります。まあ、道路が主なのですが水たまりがそこここに誕生するのです。

排水の仕組みがきちんとしていないのでしょうが、加えて道路の凹凸がその原因ではないか?と疑います。

スパイクタイアが禁止されていないここでは、やはり道路が削れて轍(わだち)ができます。毎夏に相当な補修はするのですが、間に合わない部分もあります。そうするとそこに水が溜まってしまい、運転するのが難しくなります。

そのような水溜りの近くに歩道がある場合、歩行者は不運にもバシャッと水をひっかけられることもあります。ワタシはひっかけられたことはありませんが、ひっかけたことはあります。スミマセン。

雨と冬の闇の中で、水たまりが見えなかったのですが、道路脇に立っていた女の子ふたりにバシャッとやってしまいました。止まれる場所ではなかったので、謝ることも、クリーニング代を渡すこともできませんでした。

良心の呵責を感じましたので、その日のうちにFacebookに起こったことを記載し「ごめんなさーい。m(_ _)m わざとやったわけではないんだよー」その子たちの目にとまれば幸い。

その際に「水をひっかけた」というのをどう言えばいいのかわからず、「水を投げるとか放る」という意味のkasta vatniという言葉を使いました。

そしたら「ヒャーッ、トシキ! Kasta vatniは『おしっこをする』という意味だから」とからかわれました。女の子たちに水をひっかけたのも失敗でしたが、アイスランド語でも失敗。へへ、そういうこともあります。




現在のニュースの中心ナミビア ここにあります


で、雨の中での運転は嫌いなのですが、この時期は快晴というのも意外な難物になることがあります。それは太陽です。この時期は朝もだいぶ暗くなっていて、日の出は午前十時くらいです。

日の出から十分くらいすると、お日様全体がお目見えするわけですが、真冬と違って、今の時期はまだお日様に力があるのです。

このお日様が運転中に目の前に登ってきたりすると、相当な災難で、サングラスを使っていても視界が非常に悪くなります。前の車が走っているのか止まっているのか?信号が青なのか赤なのか?危険です。

ぶつけてしまうだけではなく、ぶつけられる危険もありますからね。それを回避する最善の策は「晴れ予報の日は、日の出の時間帯には運転しない」ということです。一日中というわけではなく、わずか三十分くらいのことですからね。

さて、ここ数日の間、アイスランド中を揺るがしているニュースがあります。結構大きな問題で、私もほんのさわりの部分しか理解できていません。それ以上理解したくなるかどうかも定かではありません。

そのニュースは、アイスランドの大きな企業であるSamherjiサムヘルイが「過去相当な年数に渡って、ナミビアの権力者に数億クローネという多額な賄賂を送っていた」というものです。

ニュースの概要のまた概要だけしかご紹介できませんが、サムヘルイという企業は、もともとが魚を獲り売る会社です。「漁業会社」と言うのかな?個人の漁師さんではなくて、漁獲割当を持って外洋へも出て行く、アレです。

キプロスやナミビアに子会社をいくつか持っており、今では別の方面にも事業を広げています。儲かっているわけです。




サムヘルイのスキャンダルを報じるStundinネット版
Myndin er ur Stundin.is


今回のニュースの中心はナミビアの高官への賄賂なのですが、ナミビアってどこにあるかご存知ですか?アフリカの左側サイドの下の方です。鉱業が基幹産業で、特にダイヤモンドの採掘が盛んらしいのです。一方で長い海岸線も持っていますが、漁業は盛んではないようです。

ナミビア海域で魚を獲るには、もちろん許可を取って漁獲割り当てをもらうわけですが、サムへルイは自分たちの海域での割り当てが保証されるように、2012年から賄賂を送り始めました。

受取手は三人の個人なのですが、うちのひとりは当時の漁業大臣の息子。それに現法務大臣。もっともこのニュース発覚後の水曜日には辞任してしまったそうです。最後のひとりはナミビアでの漁獲割り当てを振り分ける国営企業の会長だそうです。

送った賄賂の総額は数億クローネとされています。それに見合う儲けがあったのは確かで、サムヘルイの船のナミビア沖での儲けは、過去数年は700億から900億クローナだったと伝えられています。

今回のニュースは、ネット新聞のStundinシュトゥンディン、国営テレビの中のKveikクヴェイクという番組の班、それにカタールのテレビ局Al JazeeraがWikileakとも協力して取材したものだそうです。元サムへルイのナミビアの子会社のスタッフで、実際に賄賂の金を送ることを担当したと言う人物も出てきて証言しています。

このスタッフは「なぜ告発する気になったのか?」と問われて、「やっぱり正しくないことでしょう?ナミビアは貧しい国なんです。国民の半分以上は貧困の中で生活しています。

そういうのを見ると、元来彼らの財産であるはずの魚を、こういう形で獲っているということを知らせるべきだと思いました」というような主旨のことを言っていました。

実際にナミビアは貧しい国のようです。アイスランドは1990年から2011年まで、ナミビアの開発援助に協力してきました。私の記憶に間違いがなければ、UNCEFや教会の支援組織もナミビアへの援助金を募っていたはずです。




サムヘルイとは? ホームページをどうぞ
Myndin er ur Samherji.is



「そのかたはらで、こういう仕組みで荒稼ぎをしていたのが、他でもないアイスランド人だった」ということに相当数のアイスランド人がショックを受けているようです。

そうですよね。サムヘルイの儲けはアイスランド政府の財政にも貢献してきましたし、多くの人に職を与えていますし、社会全体がなんらかの恩恵を受けているはずです。もちろん私も含めて。

その恩恵の源が「貧しい人たちからの騙し取り」であったとなれば、これは怒らない方がどうかしているでしょう。

サムヘルイは、キプロスでのビジネスについても同じような「黒い疑惑」が以前から囁かれていたのですが、調査には至らなかったそうです。今回のナミビアについての報道は、シュトゥンディンやクヴェイクの根気のある努力と調査が実を結んだものとなりました。

ところで、アイスランドの現在の漁業大臣はじつは二十年間もサムヘルイの重役を務めていた人です。すでに彼のこの問題への関わりとかが問われ始めています。箱が開かれたばかりですので、まだまだいろいろと出てくることでしょう。パンドラの箱ですね。

「この間マネーロンダリーの『灰色国』に載せられたばかりなのに、今度はこのスキャンダル。アイスランドの信用が地に落ちた」と嘆く声もメディアでよく聞かれます。春先のWOW沈没と合わせて、アイスランドの国際信用の厄年なのかもしれません。

ワタシはそんなにはショックを受けていない、かな?日本人だから?なんか賄賂とかのニュースには慣れてしまっている???気がします。やはり日本人だったか... (^-^;


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Come out and PLAY with us!

2019-11-10 00:00:00 | 日記
このブログを定期的に覗いてくださる 奇特な方ならお気付きのことと思いますが、私は口癖のように「もうこんな時期だ」とか「月日が経つのがものすごく早い」というよなことを言っています。

これは「口癖」「書き癖」なだけではなくて、本当にそう感じているのだから仕方ありません。今、これを書いているのは11月8日の金曜日の夕方なのですが、実は今もそのように感じています。

というのが、今日が私の誕生日だからです。「この間、四十歳の二十周年のお祝いをしたばかりなのになんで?」なぜなら365日過ぎたからです。それはそれでいいのですが「早すぎるだろ!」と私は言いたい。




六十代になったら「タイム・セーブ・モード」が欲しい!


今時のスマートフォンとかアップルウォッチとかには、バッテリーセーブモードとかが付いているじゃないですか。バッテリー残量が少なくなると、バッテリーをケチケチ使うようにするスイッチが入るやつです。

そういうシステムを私らの人生にも作ってもらいたい気がします。六十越したら「月日セーブモード」とかを使うことができて、月日が勝手にどんどん流れてしまうのを防いでくれるようなシステム。デベロッパーの皆さん、よろしくお願いいたします。

アイスランド人が総じて「お誕生日会」好きで「年齢に関わらず」自分たちの誕生日を、家庭で、職場で、学校で祝うことは以前書いたことがあります。

Happy Birthday いい.でーす.ね♪


ですが、私は日本人だからか、あるいは「古い」日本人だからか、はたまた「四十歳の二十一周年」という半端な誕生日であるからか、今日は極めて日本的に誕生日を祝いました。要するに別に何もしない。

娘が「外で食べようか?」とか訊いてきてくれたのですが、寒いし、ケトダイエットを再開したばかりだし、お金もないし、家でひとり(独り)静かに過ごすことにしました。

さて、いく日か前に見たニュースです。あのWOWエアの復活のニュースの続報です。




WOW復活? 新聞見開きの広告


WOW航空はこの春に破産宣言をして、アイスランド内外にいた何千人という「乗るつもりだった」人たちを見捨てたまま一切のサービスを停止しました。

アイスランド でかすぎる春の嵐


その後、アメリカの投資グループがこの破産したWOWエアを買取り、バラリンさんという投資グループの中のチョーお金持ちの婦人が「またすぐに飛び始めるから」宣言をしていました。

ペンス副大統領、29歳大臣、WOWの再生とお金持ち


そして会社は仮の名前をWOWからWAB air に変えたということ。WABの意味、想像できますか?We Are Backの頭文字だそうで。なんとも楽しそうな会社ですね、へへ。と笑いつつ、出だしから心配になってきそうです。

そしてどうやら営業再開の見通しがたったようなのですが、新しいブランド名が公式に決定したようです。新しい航空会社名はPLAY。そしてイメージカラーは真っ赤。航空会社でイメージカラーが赤というのは、珍しくないと思います。

パッと思いつくのはヴァージンアトランティック。スイス航空。エアアジア等でしょうか?私の「夢のCAさん」を抱くJALも、「赤」と言えば言えなくもないですよね。

ただこれらは、むしろ白を基調にすることによって、赤を際立たせています。エアアジアだけはどぎつい赤ですが。




赤がイメージカラーのヴァージンアトランティック でも白の方が多い
Myndin er ur TravelTradeJournal.com


新登場(と言うべきか「再登場」と言うべきか迷いますが)のPLAYもエアアジアに近い赤です。新聞やネットに出ている写真だけで判断するならば、機体はすべて真っ赤っか。PLAYという文字だけ白。どういうセンスなのか... ???

「白地に赤」と「赤地に白」って、似ているようで全然違うでしょう?日の丸の逆バージョン、耐えられますか? ああ、でも、広島や浦和の皆さんとか、リバプールの人たちとか赤を愛する人も多いですから、あまり言わない方がいいか?(^-^;

とにかくPLAYのお披露目の記者会見は、先の火曜日にペルトランというレストラン兼イベント会場で開かれたました。基本的な情報がプレスリリースとしても流されました。

即刻十一月からチケットの予約をスタートするそうです。始めはエアバスA320を6機キープして、ヨーロッパ各地と六つの定期航路を結ぶようです。それから来春には北アメリカとの路線も開く予定とか。飛行機の数も徐々に増やしていくそうな。

本当にもうチケットの販売始めたのかな?と思い、ホームページFlyPlay.comを開けてみましたが、まだ予約受付は始まっていないみたいですね。

ホームページ自体も、まだまだ「取りあえず作った」感がする単純なものです。ですが、フロントページのトップ付近にA new Icelandic airlineと掲げられています。会社そのものはやはり「アイスランドの会社」ということで運営するようです。

その下にあるCome out and play with us! というのがこの会社のモットーというかキャッチフレーズのようで、「我々の提供するフライトでもっと『外へ遊びに行こう!』」という意味なのだそうです。そして、そこからPLAYという社名が出てきたとの説明。




ホームページ FlyPlay.com


この新会社の社長はアルトナー・マウル・マグヌスソンという方ですが、この人は元パイロットにしてWOWの重役だった人です。その他にもWOWで働いていた人たちが、多くこのPLAYに雇われています。

記者会見でも「元WOWの従業員を多く再雇用したい」と述べられていたようで、翌日の水曜日の昼には千人を越す仕事の申請者があった、とニュースは伝えています。

この人たちがPLAYで再び働き始められるのなら、これはありがたいことで、アイスランドの失業者数は目に見えて減少することでしょう。まあ、路線は縮小されてますから、元通りには、すぐにはならないでしょうが。

Stundinシュトゥンディンというネット新聞のページには、「PLAYでフライトすることに興味があるか?」というアンケートボックスが開かれていました。それを見ると「とても興味がある」が65%、「興味がある」と合わせて82%の回答者が関心を示しています。

私自身は「他に乗る便がない」という状況にならない限りは、PLAY機に乗り込むことはないと思いますが、それでも新会社には頑張って、順調に軌道に乗って欲しいと願います。生活がかかっている人が大勢いますからね。

それにしてもあの「あの真っ赤っ赤」に囲まれて仕事をするのもかなり大変なことではなかろうか?と心配してしまうのですが。

日本の皆様も、どうか次のご来訪の際にはPLAYで遊び気分に浸ってみてはいかがですか?


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「昔はコレやがな…」

2019-11-03 00:00:00 | 日記
突然の寒気の襲来に一時「アイスマン」と化したワタシですが、ここ一週間は天候は普通の秋に戻ってくれ、私もフツーのニンゲンに戻りました。ここのところ気温は朝方は0度くらい、日中は3、4度くらいまで上がります。

あれ?気温からすると、「突然の寒気の襲来」時とそんなに変わっていません。だから、先々週が特別に寒かったわけではなく、それまでの「いつもよりかなり暖かい」日々から、急に普通の寒さに戻っただけだったのでしょう。身体が慣れてくれば大丈夫です。

さて、この「西街ひとり日誌」というブログを始めてから、八年目に入っています。マイナーなブログであることは重々承知していますし、ブログランキング上位などはもともと望んでいることではありません。

そういうマイナーブログであっても、ブログをしているから「故に」いただけるコンタクトというものがあります。例えば、「今度アイスランドに行きます。見所は?」というようなご質問をいただいたり、「お会いしたいです」とかまで言ってくださる方もあります。

時折、テレビやラジオ関係の方からご連絡をいただくこともあります。マイナーであるが故に、そういった事柄がToo much! にならないで、適度に来てくれるのがありがたいところです。




伝統的な「ア英」辞書の中身 Vaxaについての記載


先日、ある方からアイスランド語についてのご質問をいただきました。コメントにも書き込んでくれましたので、質問そのものは秘匿する必要はないと思うのですが、「『ivaf』(趣き)という言葉について、もっとよく知りたいのだが、ネットでは調べ切れません。よろしかったらもう少し説明を」という趣旨でした。

その方には、コメント欄ではなく、普通にメイルでお返事をさせていただきました。ちょうど同じ時期に、別の方から「アイスランド語の学習」全般に関わるようなご質問もいただいており、成り行きで「アイスランド語学習の昔と今」みたいな追想に耽ってしまいました。

アイスランドに移ってから早二十七年が経過し、二十八年目を迎えています。それでもアイスランド語の学習が完了してしまったわけではなく、いまだに「それなりに」勉強は続ける必要はあります。

正直言って、これが結構超し難い峠で、学習し始めの頃は無我夢中で取り組むのですが、ある程度「まかなえる」ところまでやってくると、そこの「まあまあ」の程度で安心してあぐらをかいてしまい、先へ進む努力を怠ってしまう、ということはよく起こり得ます。

スミマセン。ワタシもその峠を越せないでさまよっているのが現状です。m(_ _)m

そういうだらしないワタシですが、学習しはじめの頃はそれなりに頑張りました。で、当時の学習の仕方を振り返ってみて、現在と一番大きく異なると思われることがあります。思われる、というよりは「間違いない」と確証できることです。それは「辞書」です。

辞書といっても、その内容ではなく、「内容を運ぶ器」つまりハードウェアの方です。もっとも、内容の方にも語るべきことがあるか?私がアイスランド語を学び始めた頃、そしてそれからずいぶん何年もの間、私は普通の書籍版の辞書を使っていました。紙の辞書です。まあ、とりあえず、内容に関することからお話しします。

アイスランド語―日本語という辞書は、その頃できるかできないか、という時期でしたが、私はむしろ好んでアイスランド語―英語の辞書を使いました。結構大きくて重いものです。日本の百科事典の半分くらい?だったでしょうか。

ところが、こちらの辞書は、なんというか内容の質が低いのです。日本で研究社の「英和辞書」を中高生の頃から携え慣れている皆さんは、日本の辞書がいかに高度な内容を保っているか、しかと感謝してくださいませ!

日本の英和辞書は、単語についての意味はもちろんのこと、類似の言葉との用法の違いや、国や地域によっての用法の違いまで事細かに説明してくれます。こういうことは、決して世界中どこでも「当たり前」ではないのです。

例えば、学習の初期に必ず学ぶ言葉にVaxaという動詞があります。辞書では第一にgrow が挙げられ、第二の意味としてincreaseが出ています。ヨッしゃ! 「成長する」「伸びる」だな。

と、合点し、知り合いに「あなたのお子さんはvaxaしましたね」と言ったら、「アハハ! うちの子供は草じゃないわ」「ハッ???」「Vaxaは草木や花、経済なんかに使う言葉よ!」だって。聞いてないよ、そんなこと!

そうなんです。日本の辞書なら絶対に「(草花等について)成長する」とか注釈が付いているはずの事項なのに、それがないのでした。




不完全さは数でカバーする! 辞書「類」


他にもいくつか同じような例がありましたが、こういうことが二三回あると「辞書不信」に陥ります。辞書が信じられない、というのは外国語学習においての地獄に等しいですね。でも、そういう地獄に落ちてしまったのだから仕方がない。

もうひとつ、メジャー級に困ったことは、動詞や前置詞の「格支配」についても説明がないことでした。

「格支配」という言葉をご存知ない方もあろうかと思います。ドイツ語とかを学習された方はすぐにおわかりと思いますが、アイスランド語でも動詞や前置詞に格支配というものがあります。

あえて日本語にしてみると、例えば「彼に会う」という時、「会う」という動詞には「彼に」と「に」を使いますね、「彼を」ではなく。ですが「彼を好きになる」という場合には「彼を」であって「彼に」ではおかしくなります。

この「彼に」というのを「与格」、「彼を」を「目的格」と文法では呼びます。アイスランド語の学習でもelska「愛する」だけでは不十分で、「彼を」か「彼に」かをきちんと知る必要があるのです。

小難しい話しはどちらでもいいのですが、要するにfara (英語のgo)とかsakna (英語のmiss)だけでは十分ではなく、何格が動詞の次に来るかがわからないとダメなのです。にもかかわらず、辞書にその格が示されていないことが往々にしてあるのでした。

では、どうやってこの不十分さをカバーするか?これはもう、自分で例文を探ってその例文でどの格が使われているのかをチェックする以外にはありませんでした。

というわけで、辞書の説明の不十分さをカバーし、「辞書不信」の地獄から這い出すために、私は複数の辞書「類」を使わざるを得ませんでした。「ア英」「英ア」「用法辞典」(百科事典並みの大きさ)、「類似語事典」、そしてさらに慣用句などを理解するために「言葉のルーツ」と呼ばれるこれも百科事典並みの大きさの本、等々。

私の場合、幸いにもこれらの辞書「類」をなんとか揃えるだけの経済力はありましたが、普通の学生さんだったら往生するでしょう。私も決して裕福ではなかったので、キツかったし… こちらでは辞書類は高いのです。当時で6000〜10000クローナくらいしました。今なら一万以上に相当?

高いだけではなく、持って歩くのが一大事なのですよ、これらを。学習はもちろん、学校と自宅、とか職場と自宅とかにまたがります。職場で勉強を始めるのではなくとも、何かを絶えずチェックする必要がありますから、辞書は手放せないのです、たとえ不十分な辞書であっても。


… それから二十数年…


あの大きな辞書「類」は、本棚に収まり鎮座ましましています。




オフィスの本棚に鎮座ましまする辞書「類」


もう辞書を引きずって歩く必要はなくなりましたね。これは大変化ですよ。すべてネットで完結。「ア英」も「英ア」も、「類語」も「用法」も「ルーツ」も全部ひとまとめ。スマートフォンがあれば、バスの中でもトイレの中でもチェックできます。しかも安いし…

「ちょっと確かめないと」と言うことを、時をおかずに調べられるというのは、現代の特権です。思い辞書を持ち運ばなくていいことも、特権でしょうが、すぐに、いつでも調べられる、というのはその上をいくアドバンテジだと思います。私自身、今ではそのアドバンテジを十分に活用させてもらっています。

昔、何かのCMで -確かアルミサッシの引き戸だったかな?- 「昔はコレやがな」というのがありました。開かない引き戸を無理に開けようとガタゴトやりながら。このCM そのものが「昔」のものになりましたが、本棚の辞書「類」を見ると、このCMの言葉が頭に浮かんできました。

でも、逆に愛着もあるんですよね、これらの辞書「類」に。なんというか、グラムフォンのLPアルバムに、CDや言わんやiTunesでは持てない「想い」を持っていらっしゃるレトロな方も多いだろうと想像しますが、それと同じ類の気持ちです。

学習の友にしろ、戦友にしろ、古き良き辞書たちをお払い箱にすることはできません。本棚に飾り拝み奉ります。m(_ _)m


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