教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

モニターの秘密

2012-09-30 | 音楽的アドバイス

それほど大げさなものではないけど、モニターの仕組みってあまりわからないでしょ?

いや、別にわからなくても全然かまわないので、知りたい人だけ読んでね。

通常の100人以下くらいのライブハウスだと、メインのミキサーが30chくらい、小さいところだと

16chくらいでやってるところも多いと思うんだけど、その卓にはAUXってのがあるわけね。

これは全チャンネルに配置されているんだけど、そのチャンネルの信号をAUXアウトを

通じて外に出すことが出来る。(オグジョリーアウトとか言ったかな)。

で、そのくらいのチャンネル数の卓だと通常2つから6個くらいのAUXがついているのが普通。

たいていそのうちの2個はEF(リバーブなど)に使う場合が多いので、残りの4個を

モニター用に割り振ることになる。4系統ってことだね。

これだと、センター、レフト、ライト、ドラム、と4系統のモニタースピーカーにバラバラに

音を送ることが出来る。

卓の各チャンネルには、ゲイン、EQ、PANなどのツマミと一緒にAUXのツマミも6系統なら

6個ついている。うち2個をEFに使っている場合、4個は個別にモニターに自由に

信号を送れる。これが残り2系統しかないと、たとえステージに4個モニタースピーカが

あっても、4個個別ではなく、2個&2個とか3個&1個とかの一緒の音像になる。

で、単純にその各チャンネルについているEF以外のAUXツマミ(例えば4個)のうちひとつを

右回りに回せば、そのチャンネルの音がステージ上の任意のモニタースピーカーから

音が出ると言う仕組み。そして、卓とステージの間にはアンプと言うものがあって、

それで信号を増幅して送る。

これが通常のライブハウスなどのモニターの仕組み。

もっと大きな会場になると、もう一つモニターをまとめるミキサーがあって、それで、

別のオペレーターがモニター環境を管理することになる。ここまでくると、巨大なシステムに

なるので、かなり大きいところでないと不可能だ。

ちなみにT☆ROCKSは4系統個別に動かせる卓を使っているので、自由度は結構高い。

 

それからモニターの役目は当然、歌や演奏するにあたって必要な音を返すのが目的で、

素晴らしい音響を届けるためではない。ないのだが、もちろんいい音に越したことはないので、

極力努力はするが、それよりもいかに「聞こえるか」に重点をおかなくてはならない。

いい音でも聞こえなかったら何にもならないからね。

なので、ある程度のEQ処理はしてある。超低域は必要ないので切ってあるし、

高域でハウりやすいポイントも切ってある。よってあんまりここに関して要望を言うのも

実はオペレータ側は困ることが多い。「ローをもっと欲しい」とか「固めに返して」とかも

なるべく要望に沿うようにやるけど、「わざわざ切ってるんですよ」って場合も無きにしも非ず。

過去に「4キロ上げて」なんて言う人もいたけど、そこ上げるとハウるんだってば!(苦笑

耳がいいのは認めるけど、そうすると音量を稼げないのよ。音量も欲しいんでしょ?

なので、まあ、あまり自信のない人はモニターの音質に関しては言わない方がいいかもよ。

音量に関しては言った方がいいけどね。ただ、この辺の事情を分かったうえで、例えば

「モニターの音をもう少しシャリっとした音にしたいけど、ハウりますかね?」とか言えばいいかも。

ただ、混同してはいけないのは、例えば自分のアコースティックギターとかベースの音を

根本的に変えたい場合はこの限りではない。「このベースはあまりローが出ないので、

そっちでローを足してください」とかだと、モニターの音質を変えるわけではなく、ベースそのものの

信号に手を加えるだけなので、それはアリだ。



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