はい、すいません、新選組関連の話です(笑)
局長、芹沢鴨が土方らに暗殺された夜に、平間の横に寝ていたと言われる糸里と
言う女性のお話。実際には定かではない。
「輪違屋・糸里:浅田次郎」
当然小説として盛り上げるため、大分作られた話だけど、新選組に関しては非常に明るい
著者なんで、変なところもなく、楽しく読めました。物語としての評価とはまた別だけど。
沖田が永倉にタメ口を聞くのが新鮮だったな。大体どの小説も沖田、藤堂はタメ口で、
永倉、原田達には敬語を使うことが多かったから。「永倉のバカタレ」とか言っちゃうんだもん。
それにしても、これは芹沢が暗殺されるまでを詳細に書いてあるんで、芹沢派の新見錦、
平山五郎、平間重助などについても詳しく書かれていて、なかなか興味深い。
実際、水戸藩で数々の修羅場を潜り抜けてきた男たちで、その頃はまだ近藤、土方達も
芹沢たちに気おくれがあったのかもしれない。
基本は女性目線から描かれていたりするので、まあ、切ないお話です。
糸里って題名に入ってるけど、平山の女の吉栄の方が印象に残る気もする・・・。
斉藤もかっこよく描かれているんで斉藤一ファンも楽しめますよ(笑)。
あの頃の武士の慣習を、今の倫理観で判断することはできませんものね。
芹沢の様な豪傑が居なければ、新撰組そのものが無かったのは間違いないですし、妾を持つ週刊だって、現代の「サラリーマンが愛人を囲う」感覚とは違ったのかなって思います。
自分の主義主張を通すために命すら手段の一つでしかないのですから、一瞬を生きるために女性に心のよりどころを求めるのも当然かなって。
観てはいけないんですね。「そんなバカな話あるか」って
思うんだけど、この当時はそんなに理不尽でもない・・ってことも多いようです。
文庫本で一冊600円くらいなんで、買っても損はないとは
思いますが、良ければ貸します。
芹沢による大和屋焼き討ちの裏に仰天する事実が判明しますよ、
いや、フィクションですけど(笑)。