疾風の如く!

美人画と弓道に生きる日々。

「いざ!三十三間堂へ!!」京都時雨旅 2

2015年06月14日 | Weblog





さあ、やってきました!三十三間堂です!!

なにげにテンションも上がりましたね~。


ドクンドクンと、心臓が高鳴る感じがしました。

そのまま「スーパーサイヤ弓人(ゆみんちゅ)」にでもなりそうでした(笑)




冗談は置いといて、厳粛な気持ちになっていきました。

この場所で、数多くの弓道家が、命をかけて「通し矢」に挑戦したのです。

弓引きの誇りと藩の名誉をかけての一世一代の大舞台だった。


記録を敗れなかった者は、腹を切って死んでいったので、

死んでも尚、未だ弓を引いている霊魂があるのかもしれないとすら思いました。




まあ、そういうマイナスの波動は感じませんでしたので、

地縛霊なんかにはならずに、皆さん成仏されているようです(笑)

たまーに、古いお城には、ろくでもないのがいらっしゃるんですよ。

でも、ここにはいない。心正しき「弓引き」はやはり潔い。



自分が、感じたかったのは、かつてこの場で、命がけで弓を引いていた

その決死の覚悟というか気迫です。弓にかける不退転の気魂ですね。



なにしろ、24時間かけて1万射以上引いたわけですから、

現代の弓引きにとっては、もう死んでもしょうがない矢数であります。

「通し矢」は、江戸時代初期から約80年間続いたそうですし、

最高記録は、8133本ですから、もはや人間業を越えています。





その痕が今もちゃんと残っています。

ちょうど中間地点で矢が当たってしまうんですね。

30キロ前後の超剛弓で120M先を通すわけですけど、

矢が上がりすぎてもダメなわけです。






ちなみに、この一本だけ残っている矢は、

昭和になって、どなたかが挑戦して、刺さったままにしてあるのだそうです。

そんなね~、いくらなんでも江戸時代の矢が残ってるわけがないですよ(笑)






この穴は、弦をかけるときに出来た痕ですね。

弓をここにかけて弦を張った。

そりゃ麻弦ですから、かなり弦切れもしたんでしょう。





自分も通し矢をやった気分をちょっとだけ味わいたくて、

外人さんに撮ってもらっちゃいました。シャキン






まあ、アレですね。

100射会で「疲れたあ~」とか言ってるくらいですから・・・

5~6秒で1射、24時間続けて引いたら、途中でぶっ倒れるか死ねます(笑)

だいたい1万射って・・・




史上最高の8133本という大記録は、貞亨3年(1686年)4月27日、

紀州の和佐大八郎(弱冠18歳)が、総矢13053本中に通したものです。


たぶん、この通し矢を終わらせるべく生まれてきた人なんでしょう。

弓道において、鍛錬した人間がここまで出来るということを証明した人物です。




日々の稽古で、しんどいな~とかサボりたいな~と思ったら、

三十三間堂の通し矢を思い出そうと決意しました。

そりゃ時代は違います。すでに、弓矢や刀の時代ではありませんけど、

その気迫だけは、受け継いでいきたい。








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