さあ、やってきました!三十三間堂です!!
なにげにテンションも上がりましたね~。
ドクンドクンと、心臓が高鳴る感じがしました。
そのまま「スーパーサイヤ弓人(ゆみんちゅ)」にでもなりそうでした(笑)
冗談は置いといて、厳粛な気持ちになっていきました。
この場所で、数多くの弓道家が、命をかけて「通し矢」に挑戦したのです。
弓引きの誇りと藩の名誉をかけての一世一代の大舞台だった。
記録を敗れなかった者は、腹を切って死んでいったので、
死んでも尚、未だ弓を引いている霊魂があるのかもしれないとすら思いました。
まあ、そういうマイナスの波動は感じませんでしたので、
地縛霊なんかにはならずに、皆さん成仏されているようです(笑)
たまーに、古いお城には、ろくでもないのがいらっしゃるんですよ。
でも、ここにはいない。心正しき「弓引き」はやはり潔い。
自分が、感じたかったのは、かつてこの場で、命がけで弓を引いていた
その決死の覚悟というか気迫です。弓にかける不退転の気魂ですね。
なにしろ、24時間かけて1万射以上引いたわけですから、
現代の弓引きにとっては、もう死んでもしょうがない矢数であります。
「通し矢」は、江戸時代初期から約80年間続いたそうですし、
最高記録は、8133本ですから、もはや人間業を越えています。
その痕が今もちゃんと残っています。
ちょうど中間地点で矢が当たってしまうんですね。
30キロ前後の超剛弓で120M先を通すわけですけど、
矢が上がりすぎてもダメなわけです。
ちなみに、この一本だけ残っている矢は、
昭和になって、どなたかが挑戦して、刺さったままにしてあるのだそうです。
そんなね~、いくらなんでも江戸時代の矢が残ってるわけがないですよ(笑)
この穴は、弦をかけるときに出来た痕ですね。
弓をここにかけて弦を張った。
そりゃ麻弦ですから、かなり弦切れもしたんでしょう。
自分も通し矢をやった気分をちょっとだけ味わいたくて、
外人さんに撮ってもらっちゃいました。シャキン
まあ、アレですね。
100射会で「疲れたあ~」とか言ってるくらいですから・・・
5~6秒で1射、24時間続けて引いたら、途中でぶっ倒れるか死ねます(笑)
だいたい1万射って・・・
史上最高の8133本という大記録は、貞亨3年(1686年)4月27日、
紀州の和佐大八郎(弱冠18歳)が、総矢13053本中に通したものです。
たぶん、この通し矢を終わらせるべく生まれてきた人なんでしょう。
弓道において、鍛錬した人間がここまで出来るということを証明した人物です。
日々の稽古で、しんどいな~とかサボりたいな~と思ったら、
三十三間堂の通し矢を思い出そうと決意しました。
そりゃ時代は違います。すでに、弓矢や刀の時代ではありませんけど、
その気迫だけは、受け継いでいきたい。