良い風が吹いているので(ナウシカか!)散歩に出ると、小雨が降ってきた。
多摩川からの帰り道の真ん中に、小さなカタツムリを見つけた。
そいつは、道の真ん中をゆっくりゆっくり進んでいるが、
けっこう人が通るであろうこの道では、いつ誰に踏み潰されるかわからない。
今だって、俺も気がつかずに、またいでしまった。
危ないから、はしっこにどかしてあげようと思って、そっと手でつかんでもちあげた。
体長2センチに満たないその小さなカワイイカタツムリは、なんだかあたふたしていた(笑)
葉っぱの上にそっとのっけたら、水滴に滑って、30センチほど下の地面に落下。
「あっ・・!」と思ったら、カラの中にしぼんで隠れてしまった。
死ぬことはないだろうが、なかなか出てこないので、
地面の大きな葉っぱの上にそやつを乗せて、小雨の中、俺は座り込んでじっと見ていた。
すると、犬がヒョイと、俺の顔の横から・・・
そして、傘をさしたどこぞのおばさんが「大丈夫ですか?」とたずねてきた。
そのおばさんは、俺がめまいなどして座り込んでいると勘違いしたようだ。
「あ~。いえいえ。実はカタツムリが、ここを横断してまして・・・かくかくしかじか」と言うと、
「まあ~~優しいのね」とおばさんは、ニコニコして犬と行ってしまわれた。
しばらくすると、カタツムリがようやくうにょーと動き出した(笑)。
ゆっくりゆっくり眼を出し、あたりを探り、そやつは恐る恐る歩き出した。
ああ、カタツムリ!
小さな、小さなカタツムリ!!
そして、臆病なカタツムリ!
すぐに、自分のカラに閉じこもって、逃げてしまうお前よ。
さあ、勇気を出して生きていくんだよ。
カラをくっつけたままでもいいから、
勇気を出して、前に歩いていくんだよ。
臆病でもいいし、いつだってカラに逃げても構わないけれど、
でも、これからは、少しでいいから『勇気』を出していくんだよ。
ああ、カタツムリ。
小さな、小さなカタツムリ。 バイバイ。