実は、昨日、土曜に行った時は、すでに午後3時半。
しかも、閉館が午後6時なのに、2時間待ちの大行列だったので、引き返した。
そして、今日、開館20分前に行ったら、それでも1時間10分待ち!!
でも最終日だし、頑張って観るしかない。
感想は、山下清さんは、とんでもなく凄い貼り絵作家でした。
貼り絵だから小さめのものなんだろうと思っていたら、
けっこう大きめの作品があって、そこに超緻密な貼り絵が描かれていた。
それは、もはや衝撃的な緻密さで、どれだけの時間と労力をかけたのか想像できないくらい・・!!
これは凡人には到底できない仕業だ。そう思った。
おそらく人並外れた物凄い集中力で、延々と千切っては貼り続けたのだろう。
一枚一枚が数ミリ単位の貼り紙だったり、こよりも作って張り付けたりで、
ここまでやって、大きな号の作品にするのは尋常ではない。
しかも、旅先ではスケッチせず、自分の驚異的な記憶だけを頼りにああいう作品を作り上げたのは、
もう天才と言っても過言ではないと思う。
3歳の時に三ヵ月寝込んだせいで知的障害が出てしまったそうだが、
もしかしたら、それが芸術家としては、良い方に働いたのかもしれない・・。
風景画が多いが、そこに描かれる人物も、
まるで小学生が描くような顔立ちになっていて、
あのちびまる子ちゃん風の絵柄なのだ。
あるいは、谷内六郎さんのような童話調の少年少女のようでもあった。
「童心を失わない絵描き」の描く人物は、ああいうパターンになるのだろうか。
あと、人柄に関しては、物凄くピュアな人物だと思う。
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。そう言ってはばからないような・・。
頭で考えて嘘をつけるような人ではなかったように思う。
「〇〇なんだな」という語り口調に、偽りのない本心が込められているのだろう。
今回の展示作を見た中で、最も感銘を受けた作品は「長岡の花火」だ。
あれは、一度通り過ぎて、また戻って鑑賞し直した。
あの貼り絵の傑作を、自分の眼に焼き付けておきたいと思ったから・・。
思うに、山下清さんの貼り絵作品は、直に見なければその凄さがわからない。
ネット画像などで見ただけではダメなような気がする。
今日は、本当に素晴らしいものを見た。
最後に、思わず吹いて(苦笑して)しまった作品がある。
鉛筆画だが「水に溺れた時の事」という作品。
きっと、放浪の旅の途中で、こういう目に遭ったのだろう。
裸で口から水があふれている・・これも偽りのない傑作だった(笑)