全国学力テストの結果が31日公表され、宮城県内では仙台市と他地域の学力差が依然として埋まらない実態が明らかになった。仙台市は中学校5科目の平均正答率が政令市20市で1位、小学校5科目は全国平均並みだったのに対し、仙台を除く県平均は中学校が全国平均を下回り、小学校は最下位だった。県教委は「現状をしっかり受け止め、対策に乗り出したい」と危機感を強める。
仙台市の中学校5科目は全国でもトップ級の好成績で、特に理科は1位の石川、福井両県と肩を並べる。小学校は全国平均と比べ理科が1ポイント上回り、国語Aと算数A、Bが同等だった。
市教委は中学生の高い学力を支える要因として、市内の小学3年~中学3年を対象に毎年実施している標準学力検査を挙げる。春日文隆学びの連携推進室長は「市独自の学力検査で判明した弱点を学年ごとに指導し、課題を積み残さないようにしている。小学校段階から丁寧に改善を重ねた結果、中学校での高い成績につながった」と分析する。
県教委は今回初めて、県の全国順位を公表した。仙台市を除く県平均は小学校5科目でいずれも最下位。中学校も30~40位台と下位層に低迷した。仙台市との比較では、中学校の数学A、Bが最大9ポイント差だったのをはじめ、小中の全科目で下回った。
小中の全10科目でみても、仙台市を除く県平均は全国平均を1~5ポイント下回った。県教委義務教育課の奥山勉課長は「大きな差はないと思っている」との認識を示しながら、「小学校は前年度、重点的に取り組んだが、改善に至っていない」と首をかしげた。
県教委によると、仙台以外の県内34市町村のうち、5分の1程度が全国平均をおおむね上回ったという。奥山課長は「(学力向上で)成果を上げている市町村もある。県全体の結果を丁寧に分析し、改善策を考えたい」と話した。
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