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12134、カプコン廣瀬氏が語る、英国を欧州拠点にするメリットとは ?

2011年10月30日 08時54分49秒 | thinklive

駐日英国大使館は19日、「英国スマートフォン&ソーシャルメディア ビジネスフォーラム ―英国版シリコンバレーへの投資機会―」と題した講演イベントを開催した。同講演会での 、カプコンCFO、広瀬氏の要約

氏は英国の拠点を大きくした理由について、「ロンドンは人材の流動性が高い。ドイツ、フランスではスタートアップの会社にはなかなか人が移ってきてくれない。ロンドンは人材が流動的に入ってきて、人材にかかる社会保障費もドイツ、フランスと比較して低い。労働法も整備され、ビジネスモデルの変更や組織変更もきっちりとできる」と、ドイツやフランスと比較した英国のメリットを挙げる。また、メディアや広告関連などのビジネスが集積している点も挙げ、「協業の機会が比較的簡単に持てる」とロンドンのメリットを紹介した。

 グローバルオペレーションという観点では、北米に拠点を設けている場合、欧州拠点は日本と北米との時差の中間に位置するという点も指摘。24時間体制でコンテンツを管理する際に、日本、欧州、北米と、大きな時間を開けずに対応できる点も紹介した。例えば、何かのコンテンツやコミュニティで問題が発生した際、時差の問題で半日放置してしまった、といった事態を防げるという。

 廣瀬氏は交通の面でもロンドンの利便性を挙げる。「ヒースロー空港は大きく、行きやすい。来てもらう際にも楽。パリからでも、ユーロスターで1時間と、東京~大阪間を新幹線で移動する感覚。宿泊施設も、パリでは夏にホテルの予約が全く取れない時期があり、ビジネスでは困ることも多いが、ロンドンではそうしたことはない。

 さらに、会計的にもメリットがあり、例えば英国の会計基準は国際基準のIFRSとほとんど差がなく、すぐに連結できる点や、日本の本社の会計システムに大幅な変更がいらずコストを抑えられるといった、より実務的な利点も紹介した。このほか、法人税率が欧州のほかの都市より低い点や、グループ納税が可能なこと、日系企業が増えたことで日本語で財務関連の相談を行える窓口が増えているといった点にも触れた。日本でいう公認会計士のような人材も、欧州拠点にロンドンを選ぶ企業が多いことなどから、優秀な人材が多いという。

 メリットが多いロンドンだが、廣瀬氏が自社の経験から「ちょっと大変なのは」と紹介したのはオフィスの賃貸事情。ロンドンの中心地では賃料が高く、古い建物では共益費が「意外と高い」という。「貸手市場で、リース契約で10年、5年をコミットとかもある。IT企業で10年は大変。Tech Cityのようにインフラが整っているところは、立ち上げのスピードが上がりメリットがある」と語り、拠点の規模に合わせて柔軟に立ち回れる施設を見つけることがポイントとした。


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