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パナマ運河拡張,NYタイムズの指摘、コンテナー2万個級が通れない、海運の未来、

2016年06月27日 06時50分51秒 | thinklive

パナマ運河はアメリカ東海岸とアジアを結ぶ海運の3分の1を担う重要ルートですが、交通容量が限界に近づいていたことから拡張工事を実施。16年5月31日に工事が完了し、いよいよ、6月26日から拡張された「新パナマ運河」として運用が始まります。

拡張工事は07年にスタート。それまで使われてきた閘門を使わない、パナマ運河の第3ルートを作ることを目的としたもので、本来は14年の完成が予定されていましたが、2年の遅れがあり、2016年になってようやく完成しました。工事期間は9年、投じられた予算は54億ドル(約5700億円)だったとのこと。

運河拡張にはいくつか要因があります。小型船の交通が集中して、容量が限界に達していたこと。そして、海運が低調であることから船会社が「大型船2隻」より「超大型船1隻」での運航を選ぶようになり、パナマ運河を通れないような船が多数出てきていたことです。

従来のパナマ運河を通れるサイズは「パナマックス」と呼ばれ、国際貨物で使われる20フィートコンテナを5000個積載可能でした。しかし、拡張された新パナマ運河を通れる「ネオパナマックス」は積載可能コンテナ数が1万3000個まで増えます。すでに「パナマックス」では通れなかった船舶136隻が新パナマ運河にルートを変更することがわかっていて、今後、新パナマ運河の航行量はトン数換算で2倍に増えるとみられています。
また、時間についても、パナマ運河を経由すればホーン岬を回るのに比べると5日ほど短縮され、大きな効果が見込まれます。ただし、NYタイムズでは、コンテナ2万個を積載するような船舶は相変わらず通れないこと、そもそも海運自体が斜陽産業であることを挙げ、拡張工事の実施はリスクのある大きな賭けだったのではないかと指摘してイマス、

 新たな航路は航行できる船の幅がおよそ17メートル広がり、全長366メートル、幅49メートルまでの船舶の航行が可能になりました。この結果、液化天然ガスなどを運ぶ大型船舶も通れるようになり、燃料をアメリカ東海岸などから輸入する日本にとっても、コストや日数の削減につながることが期待されます。

同じ中米のニカラグアでは、太平洋とカリブ海を結ぶ総延長およそ280キロメートルの運河の建設を、香港に拠点を置く中国系企業が請け負っていて、海運を巡る争奪戦が加速することが予想されます。

 


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