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日立造船、放射性廃棄物、米で中間貯蔵に成功、今後、国内原発の廃炉に先例、

2015年11月20日 15時09分16秒 | thinklive

*日立が原発廃炉事業に参入する重要な先行事業となる、13年の日立造船による米,NAC買収はグループの戦略的決定の一環?アジアを含め、世界規模で展開、

日立造船は19日、子会社の米NACが高レベル放射性廃棄物の屋外乾式貯蔵に成功したと発表した。NACはウェスト・バレー再処理工場(米ニューヨーク州)を廃止措置にする米国エネルギー省(DOE)の実証プロジェクトのうち、高レベル放射性廃棄物の屋外中間貯蔵施設への輸送・貯蔵を請け負っている。屋外に新設する乾式中間貯蔵施設は、NACが設計・製造する縦置き型の貯蔵キャスク55基で構成される予定。現在、16基の貯蔵キャスクの据え付けが進められている。キャスク1基に対しキャニスター5基が収納される。再処理工場内のキャニスターは合計275基で、18年までに全ての輸送・貯蔵が完了する計画だ。

ウェスト・バレー再処理工場は、米国で唯一の使用済み核燃料の商用再処理施設。1972年に運転停止し、80年に廃止措置に向けた実証プロジェクトを開始した。

このプロジェクトの「フェーズⅠ」の一環として、今回、高レベル放射性廃棄物を屋外の乾式中間貯蔵施設へ輸送・貯蔵した。再処理工場内の約2300立方メートルの高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化の状態でキャニスター275基に貯蔵されている。

日立造船は25日、使用済み核燃料の輸送や貯蔵に使う容器を設計する米NACインターナショナル(ジョージア州)を買収すると発表した。NACの全発行済み株式を親会社から4500万ドル(約40億円)で取得する。日立造船は同容器の製造のみを手掛けており、買収により設計から製造、輸送サービスまでを一貫して提供する体制を築く。

 NACの親会社で低濃縮ウラン燃料を製造する米ユーゼック(USEC、メリーランド州)と23日に株式譲渡契約を結んだ。3月に買収手続きを完了する。ユーゼックは財務改善を目的にNACの売却先を探していた。日立造船はNACから容器の製造を受注するなど、かねて取引があった。

 使用済み核燃料の容器は、熱を外部に放出しつつ放射能は遮蔽するといった特殊な設計が求められる。輸送では安全確保などで高度なノウハウが必要。NACの11年12月期の売上高は7100万ドル(約64億円)。米エネルギー省や米電力会社が主な顧客で、アジアでも事業を展開している。

 日立造船はNAC買収で各国政府や電力会社に幅広い提案ができる体制をつくる。使用済み核燃料の輸送・貯蔵ビジネスはアジアや東欧で拡大が見込めるという。同分野の事業規模を現在の年50億円前後から16年度には3倍の150億円に伸ばす。


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