日本最東端に位置する南鳥島(東京都小笠原村)の排他的経済水域(EEZ)内の海底の泥に含まれるレアアース(希土類)の埋蔵量は従来推定の2倍強で、世界需要の数百年分に及ぶことが東京大などの調査で分かった。英科学誌に10日、発表した。
南鳥島周辺のレアアースを豊富に含む海底の泥は平成24年に東大チームが発見。簡便な分析で、島南方の1千平方キロの範囲に国内需要の230年分に当たる680万トンが存在すると推定していた。
今回は調査範囲を2500平方キロに拡大。深さ5700メートル前後の25地点で掘削した海底下の試料を初めて詳しく分析した結果、15種のレアアースが計1600万トン存在することを突き止めた。
元素別の埋蔵量は、医療用レーザーなどに使うイットリウムが世界生産量の780年分で、電気自動車のモーターに使う強力な永久磁石に欠かせないジスプロシウムは730年分。次世代記録素子の材料となるユウロピウムも620年分、プリンターの印字ヘッドに必要なテルビウムも420年分など、先端技術に使われる重要な元素が豊富に存在することが分かった。
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