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東芝、キャノン、3次元メモリー共同開發、サムスンは米企業と量産に入る、

2014年05月31日 08時50分58秒 | thinklive

東芝とキヤノンは次世代半導体技術で提携する。年内にウエハーに回路を 形成する露光工程の微細化を進めるための共同研究に着手。2015年度に 世界最小となる15ナノメートルの回路線幅を実現したNAND型フラッシュ メモリーの量産を目指す。1990年代以降、日本の半導体産業の競争力は 低下してきた。両社は「日本連合」として手を組むことで技術革新をリードし、 反転攻勢に打って出る。 

両社幹部が提携に向け話し合いを進めていることを明らかにした。東芝の四日市 工場(三重県四日市市)にキヤノンの先端製造装置を導入し研究を進める方針。 開発費の分担などの詳細は年内に詰めて発表する見通し。 

共同研究するのは「ナノインプリント」と呼ばれる次世代半導体露光技術。 樹脂材料を塗布したウエハー上に型を押しつけて凹凸を付ける形で回路を 形成する。キヤノンは同技術で高いノウハウを持つ米モレキュラーインプリント (テキサス州)を4月に完全子会社化することを決めている。 

東芝はNAND型フラッシュメモリーの世界トップの座を韓国のサムスン電子と 競っている。微細化で1枚のウエハーから取れる半導体の数を増やしてコスト 競争力を高める戦略で、今夏には線幅16ナノ―17ナノメートル(現行は 最小19ナノメートル)の生産を始める計画。従来、東芝は先端露光装置を 蘭ASMLから調達してきたが、新たにキヤノンが加わる。 

   サムスンの3次元円筒型CTFはシリコンに微細な穴を開ける「チャンネルホールエッチング(Channel Hole Etching)」技術が核心だ。崔専務は「サムスン電子瑞草社屋の44階の屋上から数十億個の穴を地下まで重ならないよう垂直に掘り下げる技術」と説明した。この穴を通じて電極を連結し、外側に不導体とゲートを作る方式だ。 

  崔専務は「チャンネルホールエッチングの難しさのため現在は25層以上は積めないが、理論的には無限に拡張できる」と説明した。これを受け、サムスン電子はライバル企業との格差を1-2年以上広げたと評価される。 

  市場調査会社アイサプライによると、世界NAND型フラッシュメモリー市場は今年の236億ドルから2016年には308億ドルに成長すると予想されている。サムスン電子は現在の主力製品20ナノ級64Gbを来年末まで10ナノ級128Gb製品に変える戦略だ。崔専務は「今後、京畿道華城工場で3次元円筒型CTFセルを量産しながら工程技術を確立し、来年4-6月期から中国西安でも量産する計画」と明らかにした。 

  サムスン電子はV NAND関連核心特許300件以上を国内はもちろん、米国・日本など世界各国に出願したと明らかにした。サムスン電子と半導体特許クロスライセンスを結んでいるSKハイニックスの場合、今年末まで技術開発を完了し、市場状況を見守りながら来年または再来年に3次元構造のNAND型フラッシュメモリーを量産する計画だ。フラッシュメモリー2位企業の東芝は現在19ナノ工程で生産している。 

  一方、日本経済新聞はこの日、東芝が米サンディスクと共同で40億ドルを投入し、16-17ナノメートル級のNAND型フラッシュメモリー工場を増設すると伝えた。 

 韓国サムスン電子は18日までに、半導体受託生産で世界2位の米グローバル 
ファウンドリーズと提携すると発表した。最新の生産技術をライセンス供与し、 
共同生産できるようにする。大規模な受注ができる体制を整え、業界首位の台 
湾積体電路製造(TSMC)を追撃する。 

 サムスン電子の半導体事業はメモリー半導体であるDRAMやNAND型フ 
ラッシュメモリーが中心だが、ソウル近郊の京畿道・華城や米テキサスの工場 
では大規模集積回路(LSI)などの受託生産もしている。米調査会社のIC 
インサイツによると、2013年の受託生産事業の売上高は34億ドル(約3480億円) 
で世界4位だ。 

 サムスン電子はこのほど回路線幅14ナノ(ナノは10億分の1)メートルで3 
次元構造を持つLSIの生産技術を確立した。TSMCが実用化済みの最先端 
品、平面型で回路線幅20ナノメートルの半導体に比べて消費電力は最大35%減 
少。面積も大幅に減らせるというのが特長だ。 

 この新技術を用いたLSIの量産を、14年末に始める予定。自社工場のほか 
今回の提携でグローバルファウンドリーズの米ニューヨークにある工場でも生 
産する計画だ。 

 サムスン電子は提携の効果を「生産能力を拡大し、商品供給を安定させられ 
る」と説明する。グローバルファウンドリーズの工場を含めるとサムスンの受 
託生産能力は従来の5倍に増える、と韓国紙は伝えている。 

 業界関係者の間では、米アップルとの取引の関係に関心が集まっている。サ 
ムスンにとってアップルは現在、主要顧客の一つ。スマートフォン「iPho 
ne(アイフォーン)」に使うCPU(中央演算処理装置)をこれまで独占的 
に供給してきた。ただアップルが今年発売する見込みの新しいiPhoneに 
使うCPUは、TSMCが供給するとされる。 

 生産設備に余剰が生まれかねない環境にもかかわらず、サムスンが実質的に 
生産能力の拡大に動くことになるため、「アップルが15年に使うCPUの受注 
へ好感触を得たのではないか」(証券アナリスト)との観測が浮上している。 


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