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北本市・デーノタメ遺跡 色鮮やかな漆塗り土器が出土

2009年02月23日 | Weblog
 北本市教委は17日、同市下石戸下のデーノタメ遺跡第四次発掘調査で、縄文中期(約4800年前)の漆塗り土器の破片約300点や集落と接した水場遺構が出土したと発表した。

 黒地に赤の文様が入った色鮮やかな土器で、これだけまとまって出土するのは全国的に珍しいという。市教委は全国の研究機関と協力し、保存方法の開発や遺跡の分析を進める。
 同遺跡は約4ヘクタールの範囲で広がっているとみられる縄文中期・後期の遺跡。
 出土した土器片は微細なかけらから十数cmのものまであり、食料保存に使用した浅鉢とみられる。保存状態がよく、黒の漆で地を塗り、その上から赤の漆で模様が描き入れられている。土器の表面と内側の両方が塗られ、丹念に加工された状態がよくわかる。黒はすす、赤はベンガラで色を出したと考えられるという。復元すれば直径約30cmとなる破片もあった。
 ほかに、関東では二例目となる漆塗りの糸の断片やクルミ形土製品(長径6・5cm、短径5・4cm)なども出土。台地上には竪穴式住居跡が25軒ほど見つかり、周囲からは、水場へ向かう道や溝とみられる水場遺構、大量のクルミの殻、栗、ヒシなども出土した。
 3月15日午前10時から同11時半まで市文化センターで報告会を開く。問合せは、市生涯学習課文化財保護担当
[参考:東京新聞、読売新聞]
<コメント>
 昨年(平成20年)7月27日(日)、第41回遺跡発掘調査報告会(於:埼玉県立さきたま史跡の博物館講堂)に出席し、デーノタメ遺跡の報告も聴いてきました。
 本遺跡の第四次発掘調査は昨年1~6月までの期間で実施されたもので、今回掲載されていた写真類も、報告会でいただいた資料にほぼ掲載されている。その資料には、「遺跡名のデーノタメとは、かつてこの地にあった1000㎡ほどの湧水池の名称で、おそらく縄文時代から人々の生活に欠かせない水源であったろうと思われる」と記されている。
 本遺跡は、現表面から1.5m下の泥炭層から出土品が多数現れた。出土品は、土器(漆を塗った浅鉢形土器など)、木製品(棒状木製品など)、石器類、クルミ形土製品、ヒスイ(翡翠)製大珠、ベンガラ塊、植物遺体(クルミ、トチ、クリ、ナラガシワ)など。

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 デーノタメ遺跡
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