カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

レストラン ピカタ

2012年12月23日 | 京都
「ベーコン・バナナ・ピザ。」

巷で偶に聞くフルーツ・ピザなるものには然程興味が湧かない。

其れが何故なのかと言えば、ピザの上でそのままの形を残したフルーツというのは、所詮見たまま果物の風味であるに過ぎず、それではちょっと料理であるとは呼べない、其処に味覚的なマジックが現れているとはちょっと思えない、其れは言わばおやつの類であって、たとえ其れによって腹が満たされたところで、きちんと食事したという満足感を味わうことはきっと出来ないことだろう、単純にそのように思われるからである。

だがしかし、食材にフルーツを用いた此の店で提供されるピザ、其れは、そのような上辺だけ艶やかなものなどではまったくないと、一見してわかるのだ。

何なら其れは、あえて言われなければ果物であるとはわからない地味な姿で、其のくらいピザという存在に馴染んだバナナやレモン、其の外見、其の風味というのは、正統派の具材そのものと不思議と一体化し、しっくりと馴染んだ、しかしやはり其れなりの個性を発揮しているという、此れはそんな未知のピザなのである。

其の果物以外の何ものでもない風味、そして存在感というのが、予てからの期待を裏切らない、しかし予想すら出来ない不思議な味覚であったのは、とてもとても喜ばしい。

明らかなバナナの甘い香りを漂わせ、少々癖のあるチーズと一体化した其の風味というのは、決して下手物でも何でもなく、未知の味覚を説明するのは本当に難しいことではあるものの、初見であってさえ其の味は決して悪くない、そして何より、およそ他では経験したこともない。

其の味覚についてあれこれと考えを巡らせつつ、着々と次々に口中へと運んでしまい、其の塩気の利いた生地の旨さも相俟って、あまりにもすんなりと抵抗なく胃袋に収まってしまう。

そして其の後、記憶を辿ってみると、よくよく見れば其処にバナナの欠片が確かに存在していたのではあるけれど、一見して何の違和感も感じさせない其の外見、其れ故なのか、既に其の味覚を思い出すのはちょっと困難なのが実際で、やはりもう一度食べてみなければと、ふとした時に思わされてしまうのだ。

レストランピカタイタリアン / 茶山駅元田中駅一乗寺駅
昼総合点★★★★ 4.0



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