カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

ひみつ堂

2012年05月13日 | 東京
「日暮里の、ひみつ。」

日暮里(にっぽり)にある氷蜜堂(ひみつどう)、例えばその名が小物や古着を扱っているような店ならば、然程気に留まるようなことも正直なかっただろう。

日暮里の駅から続く道路が途中で途切れ、夕焼けだんだんと呼ばれる古びた階段を下った左手にある狭い路地に、そのかき氷屋は小さく小さく店を構えていた。
下町そのものの谷中銀座(やなかぎんざ)商店街の一角に、その店は在る。

おしゃれでも高飛車でもない、如何にも自然なその店構えは、運良くその日、混んでいるという程でもなかったからだろう、気負いなく好きになれる、そんな長閑な風情だった。

特別なことは何もない、そんな店内で戴く、うぐいす桜と名付けられたかき氷、その頂上には、桜の花びらの塩漬けが小さく載っていて、その仄かなしょっぱさが、程好く微妙な甘味をさらに引き立たせる。

広い谷中霊園を少々さ迷い歩き、じわりと汗をかきながら、おもむろに最初に辿り着いたのは、実は洋菓子店らしからぬ名のチョコレートの専門店で、しかしそれを差し置いてでも、やはり氷蜜堂に行ってみたい、そう思わせる何か、期待させる何かが、氷蜜堂にはあったと思う。

実際その後も幾らかの店に立ち寄ったのではあるけれど、久し振りに訪れた今回の東京旅行の終着点は、おそらくこの氷蜜堂であると、心の何処かでは感じていた、それはつまり、目的地もこの日暮里であった、取り立てて必然性はないのだけれど、そんなような気がしたのは何故なのだろうか。

この地を初めて訪れる者であろうとも、ほっこりと、何処か懐かしさを感じさせられてしまう、今も昔も、きっと日暮里という処は、そこはかとなくそういう町であるような、そんな気がする。

ひみつ堂かき氷 / 千駄木駅日暮里駅西日暮里駅
昼総合点★★★★ 4.0



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