カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

たなか家

2013年02月17日 | 京都
「透明饂飩。」

どのような思惑でそのように配合されているのか、其れは定かではないものの、此処まで漂白され、透き通った純白の饂飩でありながらにして、こんなにも旨い饂飩というのは、個人的には初めてのことである。

よくある話、例えば日本酒などは、醸造上そもそもが黄ばんでいて当たり前のものを、如何にも透明であるかのように其の液体の色を近付けて、浅薄な消費者の好感を得易いようにと、あえて無理に漂白する、残念なことながら、其れは常套手段のようである。

其れと同じことが、あらゆる飲食物にまま適用されてしまっている。

そんな外見の白さだけを新鮮であること、そして清潔であることと勘違いし、全面的に善しとしてしまっているような現代の日本社会において、あらゆる旨味を内包するその濁りというのは、印象としての行き過ぎた潔癖さと差し引きに、あまりに疎かにされている、其れが現実である。

ところで此処の饂飩というのは、ちょっと類を見ない、其れ程の透明感で、正直、一見、実際のところ期待できないな、と、当初勘違いさせられてしまったのではあるけれど、むしろ、個人的には不思議に思わせられるのではあるが、不足なく旨いのである。

しょっぱさが過ぎるというのでもなく、旨味が足りないというのでもない、絶妙のバランスが其処に在る。

こんな田舎で此処まで才色兼備であることが、むしろ、ちょっと過剰であるような、そのような要らぬお節介心までもがむくむくと湧いてくる、そんな風情なのである。

そして更に、そんな不思議な饂飩そのものも何ではあるけれど、実際、其の食事処というのもかなり可笑しな建物で、造りとしては、もしかすると幼稚園だったのか、もしくは小さな植物園、菜園であったものの居抜きのようにしか見えないという奇妙な代物で、其の饂飩の意外な旨さと相俟って、つまり此処は、ひとつの異次元である、そう言って過言ではないのであろう。

たなか家うどん / 玉水駅
昼総合点★★★★ 4.0



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