丈の短いホウレンソウ

　直売所などで、よく肥えた丈の長いこまつなやほうれんそうを見かけることがありますが、窒素肥料のやりすぎと思う。
　過剰な窒素施肥は、こまつな、ほうれんそうの硝酸イオンの含有量をたかめる。
　日本土壌肥料学雑誌（第７５巻第６号２００４．１２）には、市販のほうれんそう、こまつなの硝酸イオン含有量を測定した調査が報告されている。
　その結果によると「EUの規制値を上回ったものは、ほうれんそうは２４試料の全て、こまつなは２４試料のうち２１試料であった」そうです。
　「硝酸イオンは、体内で亜硝酸イオンに還元し、亜硝酸イオンはアミン類と結合して動物実験において発ガン性を示すニトロアミンを生成する。しかし、今のところ硝酸イオンの摂取とヒトの胃ガンの発生を結びつける疫学的証拠はない」とのことです。
　わが国ではまだ規制値はないようですが、旬鮮では窒素施肥の限度量を充分に把握できていなく、安全のために施肥量をおさえており、現在のところ丈の短いほうれんそう、こまつなに甘んじています。