韓国では定食を頼んだら、たくさんのおかずがついてくる。
値段の安い食堂でもだいたい5~7品のおかずが出てくるが、そのおかずはおかわり自由。
もちろん、メインのおかず、例えばサバの塩焼き定食を頼んだ時にサバのお代わりはできないが、それ以外のものは大目に見てくれる。
ところが、ご飯のお代わりはだけは追加料金になってしまう。
昔、韓国では米がとても貴重な食べ物だった。
その名残で、食べ物におおらかな韓国でも、ご飯だけには料金をつけていたのだろう。
日本人には、割に合わない商売に見えるかもしれないが、それも韓国スタイルの食べ物の「インシム」(人心)だ。
インシンとは、韓国語で、「他人が困っている時に、頼まれなくても助けてあげる」という意味だ。
韓国では昔から、「食べ物の人心がせちがらいと罰があたる」という言い方がある。
商売だとは言え、食べ物の量を少なめにして儲けようとしたら、「ドケチ」と噂になって客は来なくなるだろう。
客が残すことがあっても、食べ物を多めに出すのが韓国の美徳だ。
だから食堂では、客が「いっぱい、多目にください」と言っても、追加料金なしでくれます。