韓国検察が前代未聞の“セックススキャンダル”に揺れている。見習い検事が起訴しない見返りに容疑者女性と性的関係を結んだとして身柄を拘束。この女性の写真がインターネット上に流出したことで思わぬ方向に事件が拡大した。多数の検察職員が流出に関わっていた疑いが強く、写真流出を捜査する警察と検察の対立が激化しかねない事態となっている。(桜井紀雄)
■検事室でわいせつ…性交渉が「収賄罪」?
「われわれこそ正義だと思っていたが…」「検事であることが恥ずかしい」
韓国の有力紙、東亜日報によると、スキャンダルが伝えられた11月下旬以降、検察内部のネット掲示板には、現役検事らのこんな嘆きの書き込みが相次いだという。
「恥ずかしい」元凶となったのは、ロースクール(法科大学院)を今年卒業し、ソウル東部地検で実務研修を受けていた男性検事(30)だ。朝鮮日報などによると、検事は窃盗容疑で書類送検された女性(43)を、本来は業務のないはずの土曜日だった11月10日に検事室に呼び出して、わいせつ行為に及び、数日後にモーテルで性的関係を持った疑いが持たれた。
検事は「あなたを起訴せざるを得ない。起訴されれば懲役刑は確実だ」と出方次第では起訴しないことをほのめかし、性的関係を強要したとして、女性の弁護士が訴え出た。
このような事件は「業務上の威力による性的暴行」として扱われるのが一般的だ。ところが、検事は事件が発覚する前に女性との間に「性的関係は合意の上だった」とする書面を取り交わし、女性が告訴できないよう手を回していた。
このため、検事の身柄を拘束した大検察庁(日本の最高検に相当)監察本部は、起訴しない見返りに性的供応を受けたとする「収賄罪」を適用する苦肉の策に出た。これには「無理がある」と強引な法適用を疑問視する声が上がったうえ、訴えた側の弁護士が「それでは女性は贈賄容疑者になってしまう」と反発。検事の拘束で一件落着とはいかなかった。
■現役検事らが「興味本位」に女性の写真を盗み見
騒動はそれだけに収まらなかった。女性の写真2枚が韓国で人気のスマートファン(多機能携帯電話)向けメッセージサービス「カカオトーク」を通じてインターネット上に広まったのだ。
しかも、写真は女性の住民登録証や運転免許証といった捜査機関だからこそ閲覧可能な資料から転写したものとみられた。12月に入って、警察と検察が調べたところ、現役検事を含む24人が捜査用のデータベースシステムに接続し、女性の写真を閲覧していた事実が浮上した。
ほとんどの職員が女性や女性と性的関係を持った検事の取り調べとは無関係で、「興味本位」に閲覧システムで女性の写真を盗み見てコピーし、カカオトークなどで知り合いに見せびらかしているうちにネットに広まってしまったことは明らかだった。
加えて、写真が広まる過程で40代の弁護士まで関わっていた疑いが強いことも判明したが、弁護士は写真の出所についてかたくなに口を閉ざしているという。
写真流出事件を捜査している警察は、閲覧システムにアクセスした現役検事10人を含む検察職員らに出頭を要請。検察側はこのうち、検事2人を含む職員6人のリストを警察側に提出した。
大検察庁監察本部の調べでは、検事2人のうち1人は写真の転写に直接関わり、もう1人は転写を事務職員に命じていた。さらに、地方地検の事務官がカカオトークで写真を法務省職員に送っていたことや、この事務官ら検察職員13人に別の地検の事務官がコピーした写真が渡っていたことも分かった。
ただ、誰が写真を外部に持ち出した最初の出所で、どういうルートを通じてネットに流出したか全容は明らかになっていない。
検察内の不祥事は通常検察の監察部門が捜査するが、このままだと現在、捜査を進めている警察が現役検事を取り調べるという“異常事態”にも発展しかねない状況だ。
■警察が「お前にはできない」と検察に挑戦状
韓国検察をめぐっては11月、ソウル高検の幹部検事(51)がマルチ商法による詐欺容疑で逮捕された男らから計9億ウォン(約7150万円)を受け取り、取り調べに手心を加えていたとして、収賄容疑などで逮捕された。
事件は当初、警察が捜査していたにもかかわらず、検察側も独自に捜査に着手。「二重捜査だ」との批判が高まり、政府の介入もあって、最終的に検察側に捜査が一本化された。このため、警察内には「事件を横取りされた」という不満が高まった。
日本では、事件捜査は警察が、起訴するかは検察が判断するという分業がなされている。しかし、韓国では、容疑者の逮捕段階から検察に絶大な指揮権があり、警察が検察に完全に従属させられる構造にあった。この抑圧下に置かれた現場の刑事には前々から検察に対する不満がくすぶっていたのだ。
動画投稿サイトのユーチューブには、賭博師を描いた韓国映画をパロディーにし、検察の不祥事を皮肉る動画がアップされ、話題を集めた。現役の警察官が作成したものだ。検察の不正を笑い飛ばす字幕が流れた後、主人公が言う。
「賭けるか? お前にはできない」。身内びいきの検察には身内の捜査はできないと皮肉ったのだ。
幹部検事による収賄事件では、同窓生だった大検察庁中央捜査部長(50)がこの検事にマスコミ対応をアドバイスしていたことも判明。韓相大(ハン・サンデ)検事総長(53)が部長への監察を指示したところ、逆に「内部抗争のために職権を乱用した」と内部批判にさらされた。
新人検事によるセックススキャンダルも直後に起き、韓総長が11月末、引責辞任に追い込まれた。
検察にとって「史上最大の危機」に陥っている最中に、警察との対立まで抱え込むという“内憂外患”に見舞われることになった。
警察側は、日本をモデルに、事件捜査で警察と検察が捜査権限を分け合い、警察捜査の独立性を高める改革策を朴槿恵(パク・クネ)次期政権に提案する方針だという。
不祥事に揺れる韓国検察、抜き差しならないほどにこじれた警察と検察の関係をいかに健全化させるのか。韓国初の女性大統領が取り組むことになる最初の“宿題”の1つといえそうだ。
日本では最近は「ベビーカー」というらしいが、本来の「乳母車」という日本語は傑作だと思う。実の母に代わって赤ちゃんにお乳を与えたり育てたりする女性を意味する「乳母(うば)」という言葉自体が今や死語に近いが、ベビーカーを乳母のような役割と見立てたところがなかなかいい。
日本語の「乳母車」は韓国ではハングル読みで「ユモチャ」といって韓国社会に定着しており、ベビーカーなどと気取らず今でも「ユモチャ」といっている。「乳母車」が韓国に残っているのはうれしい。
ところがそのユモチャが最近、社会問題になっている。「反日」とは関係なくて、輸入物でノルウェー産の高級ユモチャ(日本円で10万円以上もする)が韓国では飛ぶように売れていることに対する批判だ。この外国メーカーは韓国だけで全体の13%も売れているほど人気なので、韓国に支社を設けることになったという。
ママたちの輸入高級品好みをメディアなどが「ぜいたくだ!」と批判しているのだ。子供の塾通いや海外留学などものすごい教育投資にも通じる「子供だいじ」の話で、目くじら立てることもないと思うのだが。ついでにママたちに聞いてみると「紙オムツや哺乳ビンは日本製に限る」のだそうな。
俳優ウォンビンと少女時代のスヨンに思いがけない熱愛説が振ってわいたが、2人の所属事務所は「事実でない」と否定した。
ウォンビンの所属事務所関係者は28日午後、スターニュースの取材に「スヨンさんとの交際説は事実でない。親交も全くない。一面識もない間柄だ」と語った。この関係者は「一体どこからこんなうさわが流れたのか、こちらとしても本当にあきれている」と戸惑いを見せた。
一方、スヨンが所属するSMエンターテインメントの関係者も「なぜこんなうわさが出たのか分からない。事実でない」と語った。
この2人の交際説は「証券街チラシ」と呼ばれる証券情報誌に折り込まれている紙に掲載されたことから広まった。これには、2人の交際が来年1月1日にあるメディアで報道されるという内容もあった。
こうした内容がネットに転載されてさらに拡大、リアルタイム検索ワードランキングに2人の名前が登場する事態に至った。
ウォンビンは現在、次回作の検討中だ。スヨンが所属する少女時代は来年1月1日に4thオリジナルアルバムをリリースする。
STXグループが世界最大規模のクルーズ船2隻を受注した。過去、ほぼ同じ大きさの船の価格が10億ユーロ(約1兆4200億ウォン)だったため、今回の受注金額は3兆ウォン(約2400億円)前後になる見込みだ。
STXグループは28日、「STXフランスが米ロイヤルカリビアン社から22万5000トン規模の超大型クルーズ船2隻を受注した」と明らかにした。今回受注したクルーズ船は、STX欧州が09年と10年に建造した「オアシス・オブ・ザ・シーズ」「アリュール・オブ・ザ・シーズ」並みの世界最大規模。全世界で運航中の20万トン以上のクルーズ船はこの2隻だけだ。
STXグループが受注したクルーズ船はサッカー場3・4面ほどの大きさで、全長361メートル・幅66メートル、高さは72メートルで16階建てビルとほぼ同じ。船室は2700室で、乗客・乗務員など最大9400人を収容できる。船上には長さ135メートルの船上公園もある。
この船はSTXフランスのセント・ナザレ造船所で来年9月から建造される予定。
韓国消費者院は29日、異物混入に関する安全事故が、2011年は計2612件発生したことを明らかにした。複数の韓国メディアが報じた。
発表によると、異物混入があった食品は「粉ミルク」が186件(7.1%)でもっとも多かった。次いで、「その他調理食品」173件(6.6%)、「パン」142件(5.4%)、「スナック菓子」126件(4.8%)、「袋麺」109件(4.2%)、「その他飲料」74件(2.8%)、「コーヒー」70件(2.7%)となった。食品以外では、「浄水器」57件(2.2%)、「乳児用おむつ」53件(2.0%)の順だった。
異物の種類は、「虫」が669件で全体の25.6%を占めた。2位以下は、「鉄片・鉄粉・釘・ねじなどの金属」が226件で10.2%、「プラスチック」227件(8.7%)、「髪の毛・動物毛」14件(5.4%)などが続いた。
食品への異物混入で怪我をした部位は、「歯」242件(9.3%)、「呼吸器・消化器系統」101件(3.9%)、「口」30件(1.1%)だった。
消費者院は、金属やプラスチックなどを噛むと歯や消化器が傷つく恐れがあるとして、注意を呼びかけた。
陸軍特殊部隊所属の軍人たちが、酒に酔って飲食店の従業員たちとけんかになり、殴られて病院に搬送されるという事件が発生した。
今月15日午前4時ごろ、ソウル市広津区華陽洞の飲み屋で、特戦司令部所属の中士(曹長に相当)=22=など下士官4人は、同じ部隊に所属する女性兵士2人と酒を飲んでいた。そのとき、隣のテーブルで酒を飲んでいた、同じ部隊に所属する後輩の下士官3人と口論になった。後輩の下士官たちが、先輩に対し失礼な態度を取ったというのが理由だった。
飲み屋の店主(28)は、下士官たちがけんかを始めたため「書き入れ時なのに、商売の邪魔だ。やめろ」とたしなめた。ところが、泥酔した下士官たちは店主の言うことを聞かず、今度は店主に対し怒鳴った。
腹を立てた店主は上着を脱ぎ、竜をあしらった入れ墨を見せ「(けんかを)やめなかったら、全員営倉(部隊内の懲罰房)にぶち込むぞ」と一喝し、店員9人も下士官たちを取り囲んだ。
結局、下士官たちは店員たちと口論の末、取っ組み合いを始めた。店員の中にはボクサーや体育専攻の大学生もいた。
特殊部隊員は普段、対テロ作戦などを遂行するためハイレベルな訓練を受けているが、泥酔していたため十分な力を出せず、店員たちに殴られる一方だった。下士(軍曹に相当)の1人は鼻の骨を折り、目の周りの骨にもひびが入った。別の下士(21)は全身打撲のため救急車で病院に搬送された。2人の下士は全治3週間の診断を受けた。一方、飲み屋の店員(22)は頭部に裂傷を負い、全治3週間と診断された。
ソウル広津警察署は28日、軍人2人にけがを負わせた疑いで飲み屋の店主を逮捕するとともに、店員2人を書類送検した、と発表した。また、下士官4人も、飲み屋の従業員たちに暴行を加えけがを負わせた疑いで逮捕し、憲兵隊に引き渡した。
なお、飲み屋の店主は、けがを負った軍人たちに示談金を支払ったという。
ハンバーガーチェーンのマクドナルドなど一部の飲食店が、子どもや青少年に人気のフライドポテトなど揚げ物を調理する際に古い食用油を使用していることが分かり、当局に摘発された。
食品医薬品安全庁(以下、食薬庁)は28日「揚げ物を調理・販売する韓国国内のファストフード店など飲食店1144カ所で、揚げ物用の油脂を検査した結果、7カ所が酸価(油脂の酸化に伴って発生する脂肪酸の数値。油脂の劣化を評価する基準の一つ)の基準値(3.0以下)を超過したため、管轄の地方自治団体に行政処分を依頼した」と発表した。
油脂の酸価が高いと、それだけ油が古くなっていることを意味する。摘発された店舗の中には、酸価が基準値の5倍を超えているところもあった。
摘発されたのは▲「韓国マクドナルド」周礼店(釜山市沙上区、酸価3.5)、竜鳳店(光州市北区、酸価3.7)、蔚山虎渓店(蔚山市北区、酸価3.4)、亀尾荊谷店(慶尚北道亀尾市、酸価15.2)▲「キムパプ(韓国風のり巻き)天国」江華店(仁川市江華郡、酸価12.4)▲「トッポッキ(甘辛く煮込んだ棒状の餅)と揚げ物いろいろ」(京畿道議政府市、酸価3.9)▲「サンダーチキン」大淵店(釜山市南区、酸価5.3)-の計7店舗。
食薬庁の関係者は「飲食店が、揚げ物用の油を、適切な時期に交換しなかったのが原因。食品を購入する消費者は、揚げ物の色がひどく黒ずんでいたり、おかしなにおいがする時には、摂取を控えるように」と語った。
250万人の人口を抱える大邱市が、12.5センチの積雪で都市機能がまひしてしまった。地下鉄を除く全ての交通手段がほぼストップし、各地で渋滞や交通事故が発生。学校や職場では遅刻が相次いだ。元々雪の少ない都市ではあるが、それでも市民は「雪への備えが余りにもずさん」と不満を隠さない。大邱市庁で防災を担当するチョン・ウンシクさんは「この地域は1年にせいぜい1回か2回しか雪が降らないため、除雪計画や備えは不十分で、市の対策室も突然の積雪に当惑した」と語る。
今回の雪は28日午前4時10分から降り始め、午前6時の出勤時間帯直前までに1.7センチ積もった。この間、大邱市内の各区庁で除雪作業を行った作業員は476人。54台の除雪車は66トンの塩化カルシウムをまいた。大邱市は除雪作業に備え、各区庁に派遣するため1万5600人以上の市職員を待機させていたが、結局今回はどこにも派遣できなかった。除雪車も民間と協定を結んだ69台を含む514台が準備されていたが、その中で実際に作業を行ったのはわずか10%。大邱市の関係者は「あの時点ではまだそれほど積雪はなかったので、各区庁の担当者だけで除雪作業は可能と判断した。通勤時間帯に混乱が発生した最も大きな原因は、市職員を除雪作業に投入しなかったことだ」と述べた。
その後も通勤時間帯が終わる午前9時30分ごろまで雪は降り続き、6センチほど新たな積雪を記録した。この時はすでに通勤通学の混雑はほぼ収束していたが、幹線道路の新川大路や達句伐大路、東大邱路など、往復6-10車線の主要道路はどこも激しい渋滞による混雑が続き、一部では渋滞の長さが数キロに及ぶところもあった。また交差点では信号機が故障し、警察官が手信号で交通整理を行った。普段なら車で20分の通勤時間が、この日は1時間以上かかった。タクシーはほとんど見当たらず、路線バスも時間通りに運行できない状態が続き、一部では最初から運行を諦めていた。
大邱市がこの日除雪作業に投入した作業員の数は2396人。除雪車は185台が出動した。これに民間所有の除雪車58台、軍からは80人が支援を行ったが、それでも今回の積雪への対応には不十分だった。除雪車の多くは1トンから2.5トンの小型トラクターで、1台では1車線もまともに除雪ができない。15トン以上の大型除雪車はわずか8台しか動員されなかった。
2011年1月に慶尚北道浦項市では気象観測開始以来最大の積雪を記録したが、この時は1万9000人の作業員と472台の掘削機が除雪作業に投入された。人口が大邱の4分の1以下の都市で、7倍以上の作業員を動員したわけだが、それでも浦項市は除雪作業を計画通り進めることができなかった。大邱市中区大鳳洞に住むアン・ジョンヒさん(34)は「天気予報は前日から何度も雪が降ると言っていたのに、この程度の対策しか取れないようでは、市民は不安を感じざるを得ない」「道路は全面に雪が積もっているのに、わずか数人の職員が歩道で手作業で除雪しているのを見ると、怒りがこみ上げてきた」と述べた。
この日、韓国の南部では各地で雪の被害が相次いだ。釜山-金海間の軽電鉄は線路に積もった雪の影響で午前5時から1時間30分にわたり不通となり、また智異山や伽�塩山など慶尚南道や全羅南道の山岳国立公園では入山が禁止となった。全羅南道順天市のNC百貨店では雪の影響で館内が停電となった。