田中雄二の「映画の王様」

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『ネバーセイ・ネバーアゲイン』

2020-02-20 09:26:35 | 映画いろいろ

『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(83)(1991.9.27.金曜ロードショー)

 ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じた最終作の『007/ダイヤモンドは永遠に』(71)を見た時は、似合わないかつらのせいもあったのか、コネリーが随分と老けて見えて、もうボンド役には無理があると思わされた。

 だから『007/死ぬのは奴らだ』(73)でボンド役がロジャー・ムーアに替わったときは、ボンドが若返ったと思って歓迎したものだ。実際はムーアの方が年上だったのだが…。

 ところがその後コネリーは、渋くなった風貌を逆に生かして、数々の映画で立派な演技を披露し、見事にイメージチェンジに成功した。その彼が、今度は枯れたボンドを演じれば、「やっぱりジェームズ・ボンドはショーン・コネリーでなくちゃ」と思わせるのだから大したもの、というか、見る側は勝手なものである。

 ただ、シリーズとは別に作られた一種のパロディ的なこの映画にコネリーが出たのは、彼が俳優として自信を持ち、「昔俺はボンドだったんだぜ」と余裕で言えるようになったからだろう。だから、この映画も遊び心を持って、楽しみながら演じることができたのではないかと思う。ただ、これで本当に「ネバーアゲイン」にしてほしいが。

 この映画の監督のアービン・カーシュナーは、『サウス・ダコタの戦い』(76)『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)『ロボコップ2』(90)と、いわゆる“続編もの”を撮っている。だから、この映画の監督の話も彼のところに行ったのかな。

 


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