「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

続・「指定公共機関」のこと

2005-02-02 11:37:55 | Weblog
NHKの特別番組で新会長のあいさつを聞きましたが 予想どおりの内容でしたね。
視聴者・国民が知りたかったのは 政治介入問題をきっかけに「公共放送としての独立性をどのように確保していく覚悟なのか」でしたが 一言も触れられませんでした。

放送局の独立性との関わりでは 有事関連法の一つである「国民保護法」で 電気・ガス・交通・放送などの事業者160社が「指定公共機関」に指定されたことですが このことは一般には知られていません。
放送局で指定を受けたのはNHKと東京・名古屋・大阪の広域圏民放19社。地方民放局は「指定地方公共機関」として 都道府県知事から指定を受けることになります。
災害など緊急事態を報道するのは 放送局のそもそもの役割です。政府からあれこれ指図されるものではありません。
わざわざ「指定公共機関」とするのは 有事の際の放送の監視と かつての「大本営発表」を望んでいるとしか考えられません。
そうでなくても イラクへの自衛隊派兵の際 報道協定という名でメディアは規制されました。その結果 サマワからの情報を得る手段はなくなりました。

「指定公共機関」について NHKが異議を申し立てたということは耳にしていません。
日本民間放送連盟(民放連,放送局の経営者団体)も 当初は「手続きに瑕疵がある」と批判的でしたが 最近では「戦前のような大本営発表にはならない」と方針転換してきています。

そんなとき 日本民間放送労働組合連合会(民放労連)は1月29,30日 臨時大会を開催し 「指定公共機関」についても議論しています。
その席で『放送局を「指定公共機関」(指定地方公共機関)とすることに反対し 報道機関としての独立・自立を守る措置を講ずること』という要求にもとずいた統一スト権を確立したそうです。
民放労連本部のある友人は 「ことしは戦後60年 春闘がはじまってから50年目 労連大会としては100回目という区切りのいい年。頑張らなければ」と決意をあらたにしていました。

個別に頑張っている局もあります。
広域U局のテレビ神奈川労働組合は 「指定地方公共機関」の打診があったことをいち早く察知し 勝手に受諾しないように」と ストライキも辞さない決意で会社と交渉したといいます。
その結果 会社は 県知事への回答を留保しています。
地方局は 「年度末にむけて これからが攻防戦」ということになります。
機会があれば 放送局で頑張っている人たちを励ましてください。

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