「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

なにやら参院選の結果に似ている亀田大毅の大敗

2007-10-12 17:11:13 | Weblog
 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチをテレビ観戦しましたよ。ボクシングなんて好きではないが 内藤というチャンプに魅かれて観てしまいました。
 内藤大助は33歳 挑戦者の亀田大毅は18歳。
 内藤選手がボクシングをはじめたきっかけは”いじめ”だったといいます。27歳で世界に挑戦したが 2回もたずに倒されて「日本の恥」とこきおろされたそうです。
 一方の亀田はボクシング一家で育っている。一家のパフォーマンスはメディアの「よいしょ」もあって なにかと話題になりましたね。
 試合結果は 大差の判定でパフォーマンスの亀田が負けました。
 思わず参院選の結果と比較してしまいましたよ。
 ルール違反をかさねた亀田と 強行採決を繰り返した自民・公明政権がダブって見えたのです。

 試合前の予想は(若さの亀田に分があるかなと思っていましたが)圧倒的に内藤優位でした。彼は「国民の期待」という言葉を口にしていましたね。いってみれば「民意」ですね。
 試合の視聴率は28%(ビデオリサーチ調べ)。単純計算で2800万人が観たことになります。観た人の多くがホッとしたのではないでしょうか。そんな気がしているのですよ。
 中継したTBSは 以前から亀田一家に肩入れしていましたね。視聴率のためとはいえ その姿勢に眉をひそめていたひとも多かったのではないですか?亀田が勝ってしまったらどうなっていたのでしょうね。

 幸か不幸か 大差で亀田が負けた。
 翌日のみのもんたの『朝ズバッ』は 内藤選手一家を呼んでかなりの時間を割いて勝利を讃えていました。
 TBSもホッとしているのではないでしょうか。もしTBSの本音を知っている人がいたら教えてほしい。内藤選手の勝利で チャンネルイメージが上がったとおもうのですよ。亀田勝利だと そうはいかなかったのではないでしょうかね。チャンネルイメージは 予想を超えたところで形づくられる。内藤さまさまだと思いますよ。おかしなものですね。

 内藤選手には申し訳ないが 「日本の恥」という言葉を引き合いに出させてもらいます。沖縄戦での「集団自決」をめぐる教科書検定で 沖縄では県民ぐるみのたたかいが起きました。教科書への政治介入に対する抗議です。記述を変えた文部科学省のやりかたは 「日本の恥」を世界に晒すことになりましたね。
 メディアは 「11万人集まった」ことは報道しましたが 「この際 集団自決問題を・・・」という気概は見受けられませんでした。

 「従軍慰安婦」問題についてもそうですね。アメリカ下院議会が決議案の審議をはじめているとき 巨額の費用でロビイストを雇い 審議に影響を与えようとしたそうです。また 自民党 民主党の議員44人が 6月14日付けワシントンポスト紙に「この有料意見広告の目的は歴史的事実を提供することである」として 「従軍慰安婦」の強制性を否定した意見広告を載せました。これに対して元「慰安婦」の女性は激しい憤りの声を上げています。批判は各国から上がりました。ここでも「日本の恥」を晒したのです。メディアは 歴史認識のことになると いまだに腰が引けています。事実を事実として伝えることが そんなに大変なことなのでしょうか。

 マスコミ関連九条の会は次のような勉強会をやります。

 いまなぜ日本軍「慰安婦」問題なのか
  11月10日(土)13時30分から
  場所は東京堂書店(神田・神保町)6階

  講師は「日本の戦争責任資料センター」の研究事務局長で関東学院大学教授
  の林 博史さんです

  事前申し込みです
 
 報道現場の人がきてくれればいいのですが そうはいかないでしょうね。
 林教授の話を聞いた一人ひとりが 発信者になってくれればいいな というのが
 この催しの趣旨です。

追伸 今後の予定をお知らせしておきましょう
   12月14日 「忠臣蔵」と九条 です

   昨年の7月14日 巴里祭「シャンソンと九条」が好評でした
   今回はどんな趣向になるか おたのしみに。
あらためて 11月10日をお忘れなく。

注 これはJCJ(日本ジャーナリスト会議)機関紙「ジャーナリスト」10月号「テレビの本音」に書いたものに ちょっぴり手をいれたものです。