「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

[パワー・フォー・リビング」は もしかしたら

2007-03-20 17:08:33 | Weblog
憲法九条を変えやすくするための「改憲手続き法」は ヤマ場です。
朝日新聞の「国民投票法案に関する世論調査結果」をみて驚きました。
国民投票法案が必要と思う 68%
       必要でない 19% 
だそうです

一方 2月24日から3月10日にわたって全国36個所で行った街頭シール投票では
国民投票法案に賛成    13%
       反対    69%
    わからない    17%
となっています
賛否が逆転しています なぜ?
朝日は 電話で「国民投票の手続きを作ることは必要だと思いますか」と聞いています。一方の 岡山大学の野田教授を中心にして行われたシール投票は 「手続き法案」の内容を示して その賛否を問いました
それだけでこれだけの違いが出るのです
朝日への問い合わせや抗議はものすごかったようです。当然でしょう。

「改憲手続き法」を阻止する取り組みは高まる一方ですが それでもまだまだ内容の危険性は知られていません。
3月10日に行われたシンポジューム”国民投票法の「カラクリ」 カネで変えさせていいの”(JCJ MIC 自由法曹団 マスコミ関連九条連絡会主催)は 立ち見がでる盛況でした。
こんな危険な法案を通させるわけにはいかない」ということではみなさん一致していました。
若干の意見の違いがあったのは 有料広告問題です。「カネにあかして改憲宣伝をさせていいのか」「テレビCMについて 法的規制をする必要があるのではないか」「言論・表現の自由の立場から テレビ局側で自主的ルールを作ることが大事」「そのための独立行政委員会を」「ルールはどこまで有効か イタリアのように”有料広告全面禁止”を」という議論です。
ぼくはテレビ出身ですが 大事な問題を避けて通るいまの報道の現実を思えば 悩ましいけれど 全面禁止が現実的だと思うのです。

有料広告が野放しにされれば 政党助成金 財界のカネ 果てはアメリカのカネもながれてくるでしょう 
そこで気づいたのが あの「パワー・フォー・リビング」なのです
アーサー・Sデモス財団。 生命保険料で財をなしたデモス氏が1995年に設立し 総資産は数百億円とか。中絶や同性愛に反対したり 進化論を否定するキリスト教の保守派を支援しており 米国では 半年で33億円と 大統領選を超える金額のキャンペーンをやっているようです。
ドイツでも01年から(本の)配布が始まりましたが 宗教思想を宣伝するという理由でCMは放送中止になったといいます。
日本では ことしのはじめ 10億円を超えるカネを投じて(日本語訳の本80万冊を用意したようですが 捌けたのは1万部程度だったとか)テレビ 新聞 雑誌に広告し 1ヶ月で あっという間に引き揚げました。
これが 日本のメディアを活用しての宣伝のウオーミングアップだとしたら・・・。
日本にはなじまない宗教的な宣伝で 「なぜ いま日本なのか」という疑問をもたれていただけに もしかしたら 第2段の宣伝の地ならしかもしれないと思いはじめたのです。
「パワー・フォー・リビング」の宣伝費をめぐって日本のメディアは右往左往しました。
有料広告が野放しになれば その額たるや数百億円になるでしょう。
九条が邪魔だといいはじめたのは もとはといえばアメリカじゃないですか。九条を変えるためにアメリカのカネも流れてくるかもしれない。

テレビ地方局は デジタル化の設備投資もあって経営は大変です。 カネが入るとなればなりふりかまわぬというのが実情です。
「改憲手続き法案」をめぐっては いろんな意味で大事な時です。
話し合うことはゴマンとあります。
ぼくの感想が危惧におわればいいのですが 注意して見ておきたいものです。