未曾有の大震災。
被災されたみなさんに こころから こころからお見舞い申し上げます。
このような時期に、石原慎太郎東京都知事がとんでもない発言をしたといいます。「この津波をうまく利用して(日本人の)我欲を1回洗い落とす必要がある。これはやっぱり天罰だと思う」と言ったのです。どこからこんな発想が出てくるのでしょうかね。即刻、知事を辞任すべきでしょう。都知事選に立候補するそうですが、当然、とりやめるべきでしょう。そして、被災者の皆さんの前で謝罪すべきです。強くそう思います。
東京都は災害用の特殊車両を持っていたんですってね。きょう(18日)になって被災地に出動させたそうです。「天罰」に支援は必要ないとでも思っていたのでしょうか。
被災地では、寒さ、避難所の環境の悪さ、物資のなさで命をおとす人が増えています。避難所に「計画停電」が及んだというじゃありませんか。東京電力は慌てて中止したそうですが、すべて後手々々です。
後手といえば福島原発問題です。
福島第一原発は40年前に建設されています。「マグニチュード7,9まで絶えられる」「それ以上は100年に一度しかあり得ない」(黒い白鳥)といっていたのです。今回の東北地震はマグニチュード9,0です。100年に一度があり得たのです。
事故の原因は「津波によって非常用電源が不能になった」といいます。
3月15日の日経新聞(夕刊)に、第一原発の下請け作業員のコメントが載っていたようです。「『圧力容器内の水位が下がった時点で、容器の下部から水が漏れていたことは明白』。すぐに容器内の圧力を抜き、廃炉覚悟でホウ酸水を入れていれば深刻な被害は避けられたと断言する』。『11日の午後5時ぐらいまでは天災だったが、後は人災。もう、どうしようもない」と。
東京電力はあくまで「商売」で原発をやっている。だから、人の命が一番ではない。「できれば廃炉したくないのが本音」と言った人がいます。そのとおりでしょうね。後手々々なのですよ。国は、それを後押ししてきた。「政府への連絡が遅い」などと怒っていた首相がいましたが、手遅れですね。
2005年2月23日の衆議院予算委員会公聴会の議事録を送ってもらいました。石橋克彦・神戸大学教授が公述人として発言しています。要点だけ紹介しましょう。
「日本列島の大地震の起こり方には、活動期と静穏期がある」「日本の現在の発展がつくられたのは、たまたま巡り合わせた日本列島の地震活動の静穏期に合致していた。ところが現在、日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」「人類がまだ見たこともないような、震災が生ずる可能性が非常にあると思っている」
「”地震”と”震災”という言葉をごっちゃに使っているが、”地震”は地下の現象。自然現象」
「”震災”というのは社会現象。文明があるところに生ずる」「超高層ビルが建てられているが、まだ実際の長周期振動に洗礼されたことがない。かなり危険性が高い」
「最悪の災害として原発震災がある。普通、原発の事故というのは”単一故障”といって、どこか一つが壊れる。その場合は多重防護システム、バックアップシステム、安全装置が働いて大丈夫のようにつくられているが、地震の場合は複数の要因の故障で多重防護システムが働かなくなる。最悪の場合、シビアアクシデント(過酷事故)という炉心溶融とか核暴走とかにつながりかねない」といっていました。石橋教授が公述したのは05年。まさにそのことが、いま現実になっているのですよ。
石橋教授は、さらに
「日本列島にいる限り、地震と共存する文化というものを確立しなければならない」「全国の原子力発電所の原発震災のリスクというものをきちんと評価して、危険度の高いものから、順に縮小する。そういうことを考えない限り、大変なことが起こって、世界が一斉に救援に来て、同情してくれるでしょうけど、逆に世界中から厳しい非難を浴びるということにもなりかねないわけで、こういうことを急いでやることは日本の責務だろうと思います」と締めくくっていました。そのときの予算委員長は自民党の甘利明議員でしたね。
今回の大震災についてのメディアの対応については別の機会にしますが、ここでは3月15日の官邸記者会見の一齣を紹介しておきましょう。
あの会見は原発事故が中心でしたが、ある記者が「予算を組み替えるという考えはないのか」と質問していました。いい質問だと感心しましたよ。阪神淡路地震とはケタ違いの大震災ですから、当然の質問ですね。でも、その質問を応援するような質問はありませんでした。枝野官房長官の答えは「いまの(予算案)のままでお願いしたい」というにべもないものでした。その後、民主党の岡田幹事長は「子ども手当て、高速料金などについて見直す」みたいなことをいっていますが、いま、ちょうど本予算審議です。補正予算審議は当然ですが、この際、本予算の抜本的な組み換えをすべきじゃないでしょうか。メディアは、そのために団結して声を上げるときだと思うのです。
いろんな思いが錯綜していますが、きょうはここまでといたしましょう。
余震は治まりません。また何かありそうな気配です。
みなさん、くれぐれも体調に気をつけてお過ごしください。
被災されたみなさんに こころから こころからお見舞い申し上げます。
このような時期に、石原慎太郎東京都知事がとんでもない発言をしたといいます。「この津波をうまく利用して(日本人の)我欲を1回洗い落とす必要がある。これはやっぱり天罰だと思う」と言ったのです。どこからこんな発想が出てくるのでしょうかね。即刻、知事を辞任すべきでしょう。都知事選に立候補するそうですが、当然、とりやめるべきでしょう。そして、被災者の皆さんの前で謝罪すべきです。強くそう思います。
東京都は災害用の特殊車両を持っていたんですってね。きょう(18日)になって被災地に出動させたそうです。「天罰」に支援は必要ないとでも思っていたのでしょうか。
被災地では、寒さ、避難所の環境の悪さ、物資のなさで命をおとす人が増えています。避難所に「計画停電」が及んだというじゃありませんか。東京電力は慌てて中止したそうですが、すべて後手々々です。
後手といえば福島原発問題です。
福島第一原発は40年前に建設されています。「マグニチュード7,9まで絶えられる」「それ以上は100年に一度しかあり得ない」(黒い白鳥)といっていたのです。今回の東北地震はマグニチュード9,0です。100年に一度があり得たのです。
事故の原因は「津波によって非常用電源が不能になった」といいます。
3月15日の日経新聞(夕刊)に、第一原発の下請け作業員のコメントが載っていたようです。「『圧力容器内の水位が下がった時点で、容器の下部から水が漏れていたことは明白』。すぐに容器内の圧力を抜き、廃炉覚悟でホウ酸水を入れていれば深刻な被害は避けられたと断言する』。『11日の午後5時ぐらいまでは天災だったが、後は人災。もう、どうしようもない」と。
東京電力はあくまで「商売」で原発をやっている。だから、人の命が一番ではない。「できれば廃炉したくないのが本音」と言った人がいます。そのとおりでしょうね。後手々々なのですよ。国は、それを後押ししてきた。「政府への連絡が遅い」などと怒っていた首相がいましたが、手遅れですね。
2005年2月23日の衆議院予算委員会公聴会の議事録を送ってもらいました。石橋克彦・神戸大学教授が公述人として発言しています。要点だけ紹介しましょう。
「日本列島の大地震の起こり方には、活動期と静穏期がある」「日本の現在の発展がつくられたのは、たまたま巡り合わせた日本列島の地震活動の静穏期に合致していた。ところが現在、日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」「人類がまだ見たこともないような、震災が生ずる可能性が非常にあると思っている」
「”地震”と”震災”という言葉をごっちゃに使っているが、”地震”は地下の現象。自然現象」
「”震災”というのは社会現象。文明があるところに生ずる」「超高層ビルが建てられているが、まだ実際の長周期振動に洗礼されたことがない。かなり危険性が高い」
「最悪の災害として原発震災がある。普通、原発の事故というのは”単一故障”といって、どこか一つが壊れる。その場合は多重防護システム、バックアップシステム、安全装置が働いて大丈夫のようにつくられているが、地震の場合は複数の要因の故障で多重防護システムが働かなくなる。最悪の場合、シビアアクシデント(過酷事故)という炉心溶融とか核暴走とかにつながりかねない」といっていました。石橋教授が公述したのは05年。まさにそのことが、いま現実になっているのですよ。
石橋教授は、さらに
「日本列島にいる限り、地震と共存する文化というものを確立しなければならない」「全国の原子力発電所の原発震災のリスクというものをきちんと評価して、危険度の高いものから、順に縮小する。そういうことを考えない限り、大変なことが起こって、世界が一斉に救援に来て、同情してくれるでしょうけど、逆に世界中から厳しい非難を浴びるということにもなりかねないわけで、こういうことを急いでやることは日本の責務だろうと思います」と締めくくっていました。そのときの予算委員長は自民党の甘利明議員でしたね。
今回の大震災についてのメディアの対応については別の機会にしますが、ここでは3月15日の官邸記者会見の一齣を紹介しておきましょう。
あの会見は原発事故が中心でしたが、ある記者が「予算を組み替えるという考えはないのか」と質問していました。いい質問だと感心しましたよ。阪神淡路地震とはケタ違いの大震災ですから、当然の質問ですね。でも、その質問を応援するような質問はありませんでした。枝野官房長官の答えは「いまの(予算案)のままでお願いしたい」というにべもないものでした。その後、民主党の岡田幹事長は「子ども手当て、高速料金などについて見直す」みたいなことをいっていますが、いま、ちょうど本予算審議です。補正予算審議は当然ですが、この際、本予算の抜本的な組み換えをすべきじゃないでしょうか。メディアは、そのために団結して声を上げるときだと思うのです。
いろんな思いが錯綜していますが、きょうはここまでといたしましょう。
余震は治まりません。また何かありそうな気配です。
みなさん、くれぐれも体調に気をつけてお過ごしください。