「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

教えてほしい ベネズエラのテレビ局のこと

2007-06-05 18:08:11 | Weblog
事情を知っていたら 教えてほしい。
ベネズエラの民間テレビ局が チャベス大統領によって免許が剥奪されたという。
「言論 報道の自由に背く」と 各国のニュースは伝えた。
日本も同じような論調のニュースだった。
剥奪された局の 放送最後の日の模様も伝えられていた。
替わって 新しい民放局が誕生したことも伝えていた。

事情を知っている人がいれば 教えてほしい。
ベネズエラの国営放送は チャベス大統領寄りだったという。
民放局は 反チャベスだったという。
これまで ベネズエラは国民の一割にも満たない富裕層によって支配され続けてきたという。
免許剥奪された民放局は 富裕層とアメリカの代弁者だったのかもしれない。
その局が潰された。
たしかに 言論・表現の自由に背く行為である。大統領命令で潰されるなんて あってはならないことである。
だが 「言論・表現の自由」とは何なのだろうか。
一方に偏った報道をしても 文句は言えないのだろうか。
その局に 言論の自由はあったのだろうか。

教えてほしい。
ベネズエラで 「言論・表現の自由」をふりかざしたのは誰だったのか。
ほんとうに 視聴者 国民が怒ったのか。
本来 報道は公正 公平でなければならない。どこの国だってそうでなければならない。
対立の図式はさまざまだが イギリスのBBCはブレア首相と対立したことがある。アメリカのテレビキャスターが イラク戦争報道をめぐって降板を余儀なくされたことがある。ロシアだって プーチン大統領に楯突いたテレビ経営者がいた。
もしも どこかの国のテレビ局が「靖国派」の意のままにされたら 怒るのは視聴者であり 当該のテレビ局であり テレビ界ぜんたいである。その関係のなかで解決されるべきものである。大統領や首相命令で潰されることがあってはならない。
教えてほしい。ベネズエラの民放局は どのような放送をしていたのか。
そのことについて 視聴者 国民は声をだしていたのか。黙っていたのか。
「言論・表現の自由」は守らなければならない。 そのために たたかわなければならない。
日本国憲法第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は 国民の不断の努力によって これを保持しなければならない。又 国民は これを濫用してはならいのであって 常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
ベネズエラはどうだったのか。日本のテレビは 今後どうしようとしているのか。


追伸
Uさん ありがとうございました
日本の報道を呆気にとられて見ていたので メモする暇がなかったのです。
閉鎖されたテレビ局はラジオカラカステレビ(RCTV)でしたね。
RCTVは 他のテレビ局と共謀してクーデターを扇動する役割を果たしたそうですね。
ベネズエラの「放送倫理規約」に違反するRCTVに対して チャベス大統領は 刑事訴追はせず 放送免許更新の拒否にとどめたそうです。
視聴者 国民はどうだったのか。
街頭に大集結した民衆パワーがチャベスの命と政権復帰を支えたそうですが 日本では「言論の自由を守れ」と叫ぶ反チャベスの映像だけを流していました。きっと 外国メディアが送ってきたものをそのまま垂れ流したのでしょう。メディアの怖さの一端を見せつけられた思いです。
”日刊べりタ”がその間の事情を伝えているそうですから 詳しくはそちらを見ましょう。ぼくもそうします。

再追伸
ぼくが言いたいのは 外信を伝える場合 なんの検証もせずに「一方的」な報道をしていいのか・・・ということなのだ。「垂れ流し報道」でなく 「ベネズエラでどんなことが進行しているのか」を 少しは調査して報道してほしい。「追跡報道」だってできるではないか。
あのニュースのあと ベネズエラ関係の報道は いまだになされていない。