「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

憲法変えるのも カネ次第?

2006-08-30 17:53:31 | Weblog
吹く風に 秋の気配を感じるようになりましたね
でも 世の中秋の爽やかさとは程遠い話題ばかりです
行き場を見失っている若者たち
言論の封殺をねらう放火事件
いじめられ続けている庶民の生活
自民党総裁選は タカ派候補が優勢だとか・・・・

そんな状況のなか ちょっと話を聞いてみませんか

◆ あまり知られていない「改憲手続法」
  憲法改定のための「国民投票法」。国会では継続審議になっています。
  弁護士の坂本 修さんは「改憲手続法といった方がわかりやすい」といいます。
  日本を戦争ができる国にするための「改憲手続法」です。
  今後 ぼくも「改憲手続法」と呼ぶことにしました。よろしく。

この法案が提出されたとき メディアは一斉に反対しました(改憲賛成の新聞社も含めて)。改憲手続きについての「報道 評論の規制」が盛り込まれていたのです。
メディア側の反発を考慮してか 自・公案から規制は削除されました。
ホッとしたのでしょうかね 秋の臨時国会に再登場するとおもわれる「改憲手続法」についての報道 評論は 影を潜めてしまいました。

でも 視聴者 読者 国民にとって大事な問題点は残されたままなのです

○ 憲法を変える場合 「各議院の 総議員の三分の二以上の賛成で 国会が これを発議し 国民に提案してその承認を経なければならない」「この承認には 特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において その過半数の賛成を必要とする」(96条)はご存知ですよね。
  特別の国民投票ということは 普通の選挙とはわけが違うということです。20歳以上なのですかね 外国のように18歳以上とするのですかね。はっきりしていません。
  「過半数の賛成」といいますが 「有権者の過半数」なのか「有効投票数の過半数」なのか・・・・。どうやら普通の選挙なみにしたいようです。50%の投票率で10%の無効投票があった場合 有効投票は40%。その過半数は20%。それで国の最高法規が変えられてしまうのです。おそろしい。
  投票期間は・・・なるべく短くしたいらしい。
  公務員(450万人)の活動制限。
  などなど 広範な意見が反映される仕組みにはなっていません。おそろしい。

○ さらに重要なことは これこそあまり知られていませんが
  法案を知ってもらうための宣伝の仕組みです。
  
  国会は 衆・参の議席数に応じて「広報協議会」を設置します。
  国費による宣伝は その時の議席数でテレビ ラジオの広報時間が決められます。新
  聞広報の大きさもそうです。
  現在の議席数でいけば 改憲派が「九」護憲派「一」。広報時間 広告の大きさも
  「九対一」 そんなことって あり?
  
  それに有料の広告・CM 有料のPR番組。
  カネにあかして(政党助成金も使われるでしょう 大スポンサーからの金も使われる
  でしょう) 改憲勢力絶対有利の仕組みです。おそろしい。
  
  「CMづくりは自由だ 表現の自由だ」という声が聞こえてきそうです。
  売上が落ち込んでいるメディアは 「この際 広告費で稼ごう」と考えているかもし
  れません。莫大な金が流れるでしょうからね。
  広告代理店は プロジェクトチームを編成して取り組むでしょう。
  その結果は・・・簡単にマインドコントロールされてしまうでしょう。
  情報格差がおきて当然ですね。「国民の知る権利」なんて すっ飛んでしまいます。
  金さえあれば なんでもあり。おそろしいことになるのです。

  こんな大事な問題を メディアは取り上げようとしない。罪ですよ。

◆ この問題を話し合う集まりを企画しました
  
  「だれが決める?憲法の行方」
   -メディアと改憲手続法を考えるー

  10月11日(水)18時開場 18時30分開会
  全労連会館(お茶の水)ホール。(200人しか入れないのです)

  澤地久枝さんの講演(澤地さんは 6月10日の「九条の会全国交流集会」で 九条
  問題を取り上げないマスコミは「犯罪ですよ」と怒りました その延長線で話して
  くださると思います)
  
  澤地さんの話(40分の予定です)につづいて
  パネル討論です

  桂 敬一さん(もと立正大学教授)がコーディネーターで
  坂本 修さん(弁護士)「改憲手続法」が中心の内容になりますね
  そして
  小森陽一さん(東京大学教授)筑摩新書で『心脳コントロール社会』という本を出し
         ています。今回の企画にぴったりの発想です
         ちょうどこの日が空いていたのですよ。ラッキー。
  豪華メンバーでしょう?

  知られていないことを 知ろうじゃないですか そして知らせようではありません
  か。

  先のことですが 予定に入れていただければ ありがたいのです。
  申し遅れました
  主催は マスコミ関連九条の会連絡会です。

「朝ズバッ」 JCJ 8月15日

2006-08-15 22:36:56 | Weblog
◆「朝ズバッ」のスタッフルーム
 
 「朝ズバッ」のスタッフルームに ぼくの拙いコラムが拡大コピーで
 貼られていたようです。
 赤旗日曜版の『メディアをよむ』という欄の 第一週はぼくの担当です。
 ここで みのもんたの「社会性」と 何気ない「呟き手法」を評価させてもらったので す。
 きっと担当者は 番組に関する記事があれば読むようにしているのでしょう。
 そのことを聞いて うれしかったですよ。ぼくの記事を目にとめてくれたという単純な
 ことではないのです。
 よく 「番組に物申しても 暖簾に腕押し」と 多くの人はテレビ局に物申すことを諦 めている向きがあるじゃないですか。
 実は そんなことはないのですよ。各局には「視聴者サービスセンター」があって 寄
 せられた意見は冊子になって配られる仕組みになっているのです。担当者がその気にな
 れば 視聴者の「声」を知ることができるのです。だから どしどし言った方がいいの
 です。
 ぼくのコラムが貼られていたということは たとえ僅かでも コミュニケーションが成 立したということです。うれしかったのは そのことなのです。
 いろいろ工夫して放送しても 反応がなければ担当者もがっかりするものです。
 「朝ズバッ」も いまの手法が飽きられるときがくるでしょう そんなとき また書こ
 うと思っています。「朝ズバッ」頑張れ!ですよ。

◆『明仁さん 美智子さん 皇族やめませんか』

 JCJ(日本ジャーナリスト会議)は 毎年8月15日に「JCJ賞」を贈って優れたジャーナ リスム活動を激励しています。ことしは8月12日(土)にやりました。
 本来なら15日ですが 集まりが悪いだろうと土曜日にしたのです。

 最近の特徴は 地方のメディアが元気なことです。大手メディアに元気がありません。
 ことしのJCJ大賞は東京新聞特別報道部の「共謀罪キャンペーン」
 JCJ賞は北海道新聞「沖縄返還密約・元外務省高官証言スクープ」
    元宮内庁記者・板垣恭介さんの本「明仁さん 美智子さん 皇族やめませんか」
    テレビ朝日 朝日放送「サンデープロジェクト」取材班の「シリーズ・言論は
    大丈夫か」
 JCJ特別賞は長崎放送記者だった伊藤昭彦さんの録音構成「ヒロシマ ナガサキ 私た
    ちは忘れない」
    熊谷博子さん監督作品「三池 終わらない炭鉱の物語」
 JCJ市民メディア賞は 女優斎藤とも子さんが書いた「きのこ雲の下から 明日え」
 黒田 清JCJ新人賞は 堤 未果さんが書いた「報道がおしえてくれない アメリカ弱
    者革命」
    堤さんは 放送ジャーナリスト・ばばこういちさんの娘です。知らなかった。

 板垣さんの本を(会場で買って)読みました。タイトルにインパクトがありますから
 ね。
 昭和天皇の戦争責任を いろんな角度から論じています。皇族の「人権」についても
 心配しています。おすすめの本です。大月書店です。

◆靖国は 戦争神社なのだ!
 
 ことしほど靖国問題が熱く議論されたことはないようですね。
 きっかけは いまの首相が参拝するかどうかどうかでした。
 誰もが「15日に参拝する」と思っていました。総裁選の公約です。予想どうり 彼は靖
 国にいきました。「最後っ屁」のような参拝です。
 多くの番組が かなりの時間を費やしてとりあげました。
 
 かって 昭和天皇が亡くなった時 長時間追悼番組が放送されましたが 結果は「昭和
 の歴史は 戦争の歴史だった」ことをあらためて教えてくれたという効果をもたらしま
 した。
 今回も それに似たような感じではないでしょうか。
 おかげで 靖国の歴史 A級戦犯合祀の経緯 靖国の性格 戦争責任 の勉強に役立っ た と思うのです。
 靖国の性格は 付属の建物「遊就館」を見れば(太平洋戦争は自存自衛の戦争 侵略戦
 争肯定)の宣伝の場であることはあきらかです。そのことを承知の上での 首相の参拝
 ですから 単なる「慰霊」の参拝ではありませんね。
 靖国の性格に触れ 首相の参拝を批判したコメンテーターは何人かいましたが 自民党
 の加藤紘一さんの発言が印象的でした。
 その加藤さんの山県の実家と事務所が放火されたようです 加藤発言にたいする嫌がら
 せ 政治的テロではないかと・・・直感です。
  
 多くの番組の議論の中心は「A級戦犯」の分祀論で 靖国の性格についての議論が少ないのにはがっ
 かりでした。
 「A級戦犯」問題は 戦争責任の問題です 結局うやむやに終わってしまうのは「天皇
 の戦争責任」にいきつくからでしょう。議論するいい機会です。

 靖国の国家護持という意見が持ち上がっていますが 憲法九条を変えたいという勢力
 と一体ですね。
 靖国問題と「九条を護る運動」 大事な時期にきていますね。
 
 

真夏なのに 「うすら寒い」

2006-08-04 18:51:53 | Weblog
暑中お見舞い申しあげます
ニューヨークはひどい暑さだそうです 人間の体温以上だそうです。
なにかの報復でしょうかね。まさか。

ところで
この暑さのなかで 「うすら寒さ」を感じたこと二つ

「寒さ」その一
将棋の名人戦をめぐってのことです。
勝ち組・負け組論について 大方のメディアは批判していますが こと自分自身のこととなるとどうやら別のようです。
将棋名人戦といえば 将棋界きっての歴史と格式を誇るものです。
1935年に毎日新聞主催で始められています。
太平洋戦争終戦の前年からしばらくの間 朝日新聞に移っていましたが 1978年から毎日新聞に戻っています。将棋名人戦といえば毎日新聞 は定着していましたね。

その名人戦を 朝日新聞が狙ったのです。
ことしの3月 朝日は(毎日に一言の挨拶もなく)単独主催案を提示しました。
それを受けて日本将棋連盟理事会は 毎日に契約解除を通告しました。
騒ぎ?はそこから始まっています。
将棋連盟は 8月1日臨時総会を開いて第66期以降の名人戦契約問題について 棋士による採決をおこなったのです。

言い忘れましたが 連盟の会長は米長邦雄という元名人です。天皇主催の園遊会かなにかの席で教育基本法「改正」に取り組んでいることを話して 天皇にたしなめられた人といったほうがわかりやすいですかね。彼は東京都の教育委員です。

話をもとに戻しましょう。
採決は (朝日の提示に対して)契約金増額などを盛り込んだ毎日の提示案についてです。
賛成 90 反対 101
僅差でした 
森内俊之名人 羽生善治三冠(王位 王座 王将) 渡辺 明竜王など棋界を担っている若手は この騒ぎを憂慮していたようです。米長某に比べるときわめて冷静です。
将棋界は迷走をはじめたようです 朝日が毎日と共催する意思があれば それも含めて交渉すると言い始めました 最初のボタンの掛け違えからはじまったのです。
理事会はどうするのでしょうかね。
 
理事会は 「発行部数が多く 金もある」朝日提案に飛びついたとしか思えません
朝日はどうか 「歴史と格式のある名人戦が欲しい」ということでしょう。金持ちのこどもが 友だちの玩具を欲しがるのと同じだといったら 怒りますかね。
「歴史と格式」は 主催者の長年にわたる「努力」とセットのものだと思いますが どうでしょうかね。
歴史と格式を尊重することは 文化を重んじることにも通じると思うのです。
金さえあれば「なんでもあり」路線は まさに勝ち組論です。

選抜高校野球を読売新聞が狙っていましたね これはうまくいきそうもないようですが
「なんでもあり」路線に踏み込んだと思える大手紙の考え方に なにやら「うすら寒さ」を感じてしまったのです。

「寒さ」その二
8月2日の 浪速の闘拳・亀田興毅の世界タイトル戦を観ましたか?
ぼくは夜のニュース 翌日のワイドショーで知りましたよ
中継したのはTBS 亀田一家の生き様を美談仕立てで盛り上げていましたね
「そこまでやるか」という批判はあるでしょうね。でも 中継権を獲ったのですからチャンネルイメージのためには当然といえば当然でしょう。

問題は 「判定」ですよ
1Rでダウンでした。初めての世界戦ということもあったのでしょうが 相手選手の動作は「さすが」と思えるものでしたよ 素人目でも亀田選手の動きは「幼稚」に見えましたね。
誰も勝つと思っていなかったみたいですね 観客のインタビューも「あれは負けだよ」でしたよ。
ほとんどのメディアは「不可解な判定」「疑惑の判定」という見方でした(TBSは中継した手前 言えませんね)
でも2対1で亀田の勝ち。三人の審判で 最初は1対1 三人目の審判で決まるところなんかは出来すぎでしたね 亀田選手の父親の顔が映りましたが 「えっ!」という顔でしたよ ドロー(引き分け)と思っていたのでしょうかね。

この種の試合は地元有利といいますが 「それにも許容範囲がある」とスポーツ評論家の二宮清純さんが言っていましたよ。許容範囲を超えていたのですね。
「日本の恥だ」と言った人もいました。
憶することなく判定を批判したメディアに軍配を上げますよ。

どうしてこんなことになってしまったのでしょうかね。
「少々のことには目を瞑る」ことにした人がいたのでしょうかね まさかTBSがそれに噛んでいたなんてことはないでしょうね。おかしな風潮が蔓延しはじめているような気がします。
真夏だというのに ここでも「うすら寒さ」を感じてしまったのです。
みなさん 暑さに負けずお過ごしください。