「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

(続)海よ 山よ 空よ

2012-03-14 10:43:39 | Weblog
 東日本大震災から1年。全国各地で被災地に思いを寄せるとりくみやパレード(どうも「パレード」という言い方は ぼくにはなじみませんねえ)がとりくまれました。
 ぼくの住む鎌倉の大船地域も「STOP原発 大船パレード」をやりました。朝からの小雨で心配しましたが 出発時は好天気。昨年9月11日の行動参加者は80人でしたが、今回は(たいした宣伝もしなかったのですが)95人と2匹のワンちゃんが参加。今回の特徴は フランス人のヨガ教師が知人を誘って参加してくれたことです。おもいおもいに黄色を身につけ ギター弾く人あり カスタネットを鳴らす人ありで アピールには十分すぎる行動でしたね。
 大船の次のとりくみは、15日の『いま フクシマを考える』です、いまや「時の人」となっている城南信用金庫の吉原毅理事長の講演と、福島大学名誉教授・真木実彦さん、会津の片岡照美さんが「福島の実相」を話してくれます。
 場所は 大船教会(大船駅東口から徒歩です)。開会時間は15時です。
 
 9日に公表された原子力災害対策本部などの議事録の概要を知らされておどろきましたねえ。
 アメリカ原子力規制委員会の報告書3000ページにくらべて、対策本部のものはわずか76ページだというじゃありませんか。
 当初から、メルトダウンの可能性が指摘されていたのです。
 実務的オペレーションの統率がとれていなかったのです。つまり、誰が 何をやるのか決まっていなかったのです。
 SPEEDI(放射性物質拡散の予測)のデータを「パニックが起きるから」と知らせなかったのです。公開されていれば、放射能の飛び散る方向に避難することなく、住民の被ばくを減らせることができたのです。
 知らせるべきことを知らせなかった・・・・。政府の危機管理のなさが、あらためて浮き彫りになりました。
 被災者には、(不十分とはいえ)情報はマスコミを通じてしか入らなかったのです。
 しかも、政府や東電の議事録によれば、海江田万里経産相(当時)が、原子力安全委員の一人に「外部に情報を出さないよう」くぎを刺そうとしていたのです。
 福島県の地元紙が一面トップで「収束、年内は絶望的」と報じたときには「社内(東電)の情報管理をしっかりする」という発言があったこともあきらかになりました。
 関係者が「いい格好をしたいから(議事録を)書き直させた」(『NEWS23』TBS系、9日)というにいたっては空いた口がふさがりません。
 いのちに関わる情報が隠され続けた一年でした。
 にもかかわらず、原発再稼動発言が聞こえはじめました。「原発事故の原因究明も尽くさないまま政府が『安全』だと再稼動を決断するのは文字通り新たな”安全神話”をつくるもの」(しんぶん赤旗10日付け)・・・。まったくそのとおりです。
 原発も、消費税増税もTPPも、基地問題も、「国民が犠牲になる」という点では「図式」は同じです。
 大手メディアは、この「図式」を直視してほしい。
 これからの一年、大手メディアには国民目線に立った「勇気ある報道」を期待したいですね。

 前回、ぼくの詞のことを書きました。12日、銀座のスタジオで作曲家の十河陽一さん、歌手の佐藤真子さんと仮の録音をおこないました。
 歌いやすいように、歌詞の一部を削りました。いい曲に仕上がりました。
 その節は よろしくです。
 あらためて詞を紹介します。

       海よ 山よ 空よ

    あの日
    春まだ浅い故郷の 大地が揺れた
    町が 営みが 消えた
    あの人はどこに・・・・
    あァ
    わたしの 海よ 山よ 空よ
    わが同胞(はらから)よ
    もう 泣かせはしない
    それは「約束」
    忘れはしない いつまでも いつまでも

    あの日
    わたしが愛した海が 山になった
    大地は 揺れつづけた
    あの人はどこに・・・・
    あァ
    この国の 海よ 山よ 空よ
    わが同胞(はらから)よ
    もう 悲しませはしない
    それは「約束」
    忘れはしない いつまでも いつまでも

    あの日
    背伸びして見た空が 汚された
    仮住まいで過ごす夜は長く 辛い
    あァ
    この星の 海よ 山よ 空よ
    わが同胞(はらから)よ
    もう 失わせはしない
    それは「約束」
    忘れはしない いつまでも いつまでも
    

海よ 山よ 空よ ーー東日本大震災から1年ーー

2012-03-05 11:16:11 | Weblog
 あの日から1年が経ちました。
 いわき市出身の小野寺利孝弁護士の話を聴く機会がありました。小野寺さんとは、昨年7月18日の「上野の森に広島・長崎の”火”を灯しつづけて20年」のつどい(日比谷公会堂。彼が実行委員長。ぼくが舞台の構成・演出を担当したのです。)以来のつき合いです。
 彼は、いわき出身ではあっても原発「安全神話」に毒されていたこともあって、原発過酷事故を想像することはまったくなかったといいます。長い間、核兵器廃絶を求める市民運動に参加しながら、危険な「核」を原発で管理使用できるものと思い込んできた自分の無知を恥じるだけでなく、ふるさとでの福島原発差し止め訴訟にも一切関与しなかったことについて自責の念を禁じえないものがある。と述懐しています。
 3.11が彼に与えた衝撃は計りしれません。「怒りで身体が震えた」といいます。彼は先日、双葉町を(防護服に身を固めて)訪れたそうです。さっきまで営みがあり、賑わう人影があったような表情で町並みがつづいているといいます。「すぐにでも帰れるだろう」と、サンダル履きで逃げた女性もいたといいます。しかし、戻ることはできません。
 一瞬にして人が消えた!。「まるでSF映画を見せられている思いでその町並みを見続けた」といいます。
 人影もないメインストリートに、「原子力 正しい理解で豊かなくらし」「原子力 明るい未来のエネルギー」と書かれた横断幕が、いまも風にはためいているそうです。

 彼はいま、法律家5団体共催(マスコミ関連九条の会も後援者として名前を連ねます)による「福島原発災害連続講座」(4月7日~8日 福島)に取り組んでいます。

 あれから1年。
 3.11には全国規模で「脱原発」行動が取り組まれます。
 東京は井の頭公園。何万人あつまることでしょう。国会包囲の「人間の鎖」行動もあるようです。

 ぼくの住む大船では、昨年9月11日の行動「第二弾」として、3月11日午後2時から「STOP原発 大船パレード」をおこないます。
 大船駅東口を出て徒歩3分。大船中央病院と三菱電機の四つ角にある「対話の広場」が集合場所です。
 今回もワンちゃん ニャンちゃんが参加するでしょう。お近くの方は 気楽にご参加ください。

 ついでに、3月15日(木曜日なのです) 15時から大船教会で『いま フクシマを考える』講演とパネルトークを開催します。
 講演は「脱原発宣言」で話題の 城南信用金庫理事長・吉原毅さん。「企業の社会的責任」に触れられるにちがいありません。お忙しいのにお引き受けいただいたのです。
 パネルトークは真木実彦さん(福島大学名誉教授)と片岡輝美さん(放射能から子どもの命を守る会・会津代表)の「原発被災地の実相を伝える」です。いい企画だと思っているのです。
 ぼくの役回りは総合司会。パネルトークのコーディネーターはハワイ大学大学院生の飯田洋子さんです。
 誘い合ってご参加いただければ うれしい。

 3月は いろんなとりくみが続くでしょうね。

 私事になりますが、「愛のうた三部作ーー想いーー」につづく第二弾の詞をつくりました。
 歌手の佐藤真子さんから「被災地に思いを寄せる歌を」といわれて書いたのが「海よ 山よ 空よ」です。曲になるのかなと思いながらつくったものに、なんと作曲家の十河陽一さんが(きっと苦心されたと思います)曲をつけてくれたのです。

      海よ 山よ 空よ(仮)

            詞 仲築間卓蔵
            曲 十河陽一

 あの日
 春まだ浅い東北(古里)の 大地が揺れた
 立つことさえままならず 怯えていた
 大丈夫か! 怪我はないか!と 
 叫ぶ声が飛び交った
 大地は揺れつづけた
 あのひとはどこに・・・
 あァ あァ
 わたしの 海よ 山よ そして空よ
 わが同胞(はらから)よ
 もう 泣かせはしない
 これは「約束」
 忘れはしない いつまでも

 あの日
 慣れ親しんだ海が 山になった
 悪夢(ゆめ)かとさえ思えたが これは現実(うつつ)
 早く逃げて! 早く逃げなさい!と
 無線の声が叫びつづけた
 町が 営みが 消えた
 あの人はどこに・・・
 あァ あァ
 この国の 海よ 山よ そして空よ
 わが同胞(はらから)よ
 もう 悲しませはしない
 これは「約束」
 忘れはしない いつまでも

 あの日
 背伸びして見た空が 汚された
 空の色は変わらないが 汚したのは誰か
 帰りたいが 帰れる日はいつか
 仮住まいの夜は長く 辛い
 あの人はどこに・・・
 あァ あァ
 この星の 海よ 山よ そして空よ
 わが同胞(はらから)よ
 もう 諦めさせはしない
 これは「約束」
 忘れはしない いつまでも


 *ブラームスの「子守唄」用に口語体の詞をつくったのですよ。
  「法定作詞」とやらで簡単に詞を替えるわけにはいかないといいます。
  この詞にも十河さんが曲をつけてくれました。


    (子守唄)
    あしたは きっと(仮)

        詞 仲築間卓蔵
        曲 十河陽一

 お眠りなさい
 なにが気になるの
 きょうのことは お忘れなさい
 花の 香りに
 包まれなさい
 明日(あした)はきっと
 さわやかだから

 お眠りなさい
 何も気にしないで
 きょうのことは お忘れなさい
 わたしの胸で おやすみなさい
 明日(あした)はきっと
 すばらしいから

 るるる るるる
 るるる・・・・・
 ・・・・・・・・
 わたしの胸で
 おやすみなさい
 明日(あした)はきっと
 ひかり満ちるから

 *十河さんの映画音楽を聴く機会がありました
  その中に 気に入ったメロディーがあったのです。布団のなかで半徹夜状態で詞をつけました。出来合い
  の曲に詞をつけるのは けっこう難しいものですが、出来上がりました。「祈り」と仮題しました。
  3月12日、銀座のスタジオで佐藤真子、十河陽一両氏と仮の音入れをやることになっているのです。
  何人かに聴いてもらって、CD化を考えようと思っているのです。

   
   祈り(仮)

     詞 仲築間卓蔵
     曲 十河陽一

 忘れはしない
 あの日のことを
 泣きはしないと 約束しても(したが)
 あァ 思い出す
 古里で
 見上げた星のきらめきを

 諦めはしない
 いのちのかぎり(いついつまでも)
 悲しまないと 約束したが
 あァ 思い出す
 古里の
 遠くに霞む 山並みを

 伝えてほしい
 あの日のことを
 諦めないと 約束したが
 あァ 思い出す
 古里の
 はるかな海の 輝きを