「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

こんどは 年金積立金200兆円

2007-07-16 12:01:44 | Weblog
解体される社保庁は 2010年から「日本年金機構」になる。
「官」から「民」。これで何弾目の民営になるだろうか。

古くは「国鉄民営化」。
JR採用にあたって選別がおこなわれた。対象は国労だった。「親方日の丸」論がでた。職員の勤務内容が攻撃された。油まみれの車両点検係りが 終業後風呂に入るのは当然だが メディアは 「昼から風呂に入っている」と まるで温泉気分の職場であるかのような伝え方をした。
いまJRはどうなっているのか。
採算のとれる線は たしかにきれいになっているし 便利になっている。だが 不採算部門は切り捨てられた。ローカル線は消え。足が奪われた。中曽根政権の時代だった。

小泉時代は いわずもがな「郵政民営化」だ。
長期にわたるアメリカからの要請によるものだった。このときもメディアの反応は
鈍かった。古館伊知郎なんか「(アメリカの要請について)そんなことがあるわけないじゃありませんか」と声を荒げたことがある。
狙いは郵政マネー340兆円である。
「日本郵政株式会社」になるが 社長は元三井住友の頭取である。

同じ頃 全国小売酒販組合中央会で年金共済事業をめぐる使途不明事件があた。小売店主たちの”虎の子”の144億円が 運用先の英国企業の破綻でパーになった。

こんどは年金である。社保庁職員は夏の一時金を返納させられるという。新規採用にあたっての「踏み絵」である。
選別して再雇用。足りない人員は新規採用だという。専門職員が必要なときに わざわざ素人を雇うこともないと思う。従来の職員に「心機一転」頑張ってもらったほうがいいのではないか。それより なぜ民営化するのか。

全厚生労働組合は「今回明らかになった年金記録問題について 根本的には社会保険庁の業務処理方法 および膨大な事務量に対する事務処理体制をかくりつしてこなかったことに最大の原因があると考えます。具体的には 漢字をカナに変換する際 本人に確認することなく 専用辞書まで作成して入力したことなどに端的に表れているように 正確に記録を管理しなければならないという姿勢が欠落していました。また 未統合となっているデータについては いつまでに解決するという方針を示すことなく 裁定時に申請に基づいて確認・整理すればいいという社会保険庁の業務姿勢がありました」
「国民の年金受給権確保の担い手である私たち職員や労働組合も これらの問題を指摘し 是正させる運動が不十分であり 結果として社会的な問題を引き起こしたことについては その責任を重く受け止めています。私たちは 年金受給権かくほの基本である記録管理の適正化に向け 全力をあげる決意です」という書記長談話をだしている。(6月26日)
また 昨年12月23日 朝日新聞「私の視点」では 「民間企業が求めるのは利益で そのために効率が重視される。しかし 滞納を減らす仕事ほど効率が悪いものはない。よく 保険料徴収にかかる経費が問題になるが 民間が徴収を始めると
滞納者がきりすてられはしないか」「皆年金を前提に 永遠に続くべき国の年金制度は くにが直接関与する形でなければ維持できないと主張したい」と述べている。

年金積立金は 厚生年金が200兆円弱 共済年金を併せると200数十兆円といわれている。この運用が「自由化」されたらどうなるのだろうか。郵政マネーの行方とともに気になる。
メディアも そんな視点で社保庁「民営化」をとりあげたらどうだろうか。
黙っていると 日本は目茶目茶にされるのではないか。
折しも参院選真っ只中。よーく考えて一票を行使しよう。
ぼくは この際 日本共産党に伸びてもらいたいと思っている。

ものすごい4号台風につづいて 新潟を震度6強の地震が襲った。震源地はすぐ近くだった。
柏崎刈羽原発は自動停止したらしい。火災が起きた。いちはやく「放射能漏れはない」と発表していた。こんな報道だけは速い。でも 事実は違っていた。
沖縄の辺野古では 新基地づくりが着々?とすすめられている。反対運動は多くの人達で取り組まれている。が 本土のメディアはその現状すら伝えない。沖縄のひとたちは歯ぎしりしているだろう。
地球は怒っているようだ。「日本の政治は ちょっとひどすぎるんじゃないの?」と。