「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

憲法?「それどころではない」

2006-01-20 12:27:27 | Weblog
テレビは さまざまな反省をしながら2006年を迎えました。
「反省」の一つは 「小泉劇場」の宣伝の片棒を担いだのは テレビだったーーーはずです。
ところがどうでしょう 年末年始番組は 自分たちが片棒を担いで当選させた「小泉チルドレン」を 競ってとりあげていたのです。
理由は簡単「視聴率」。
視聴率さえとれれば 反省などどこ吹く風なのです。
NHKも例外ではありませんでした。
『紅白歌合戦』への力の入れようは異様でした。湯水のように金を使っていましたね。
NHKも そろそろ視聴率競争から脱却して あたらしい路線を目指すだろうと 僅かな期待をしていたのですよ。しかし やっぱり視聴率主義に終わってしまいましたね。

年明けのNHKニュースでびっくりしたのは 陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の共同訓練の報道です。まるで 憲法九条が改悪されてしまったのかな」と錯覚させられる伝え方でしたよ。「こんな報道をしていいのかな」と疑問に思ったひとはいなかったのでしょうかね。
これで 受信料拒否が また増えたのではないでしょうかね。

そんな矢先に 「情報通信省」構想なるものが急浮上してきました。
「改革のスピードを上げる」というテーマに沿って こんどは IT(情報技術)や通信・放送を融合させるために 行政の在り方を変えようというのでしょう。
主導は またもや竹中です。
またもや・・・といったのは 郵政民営化の先頭にたったあの竹中が こんどは・・・という意味です。

ある経済官庁の幹部は 「竹中さんのやろうとしていることは 放送・通信業界に 世界のメディアと競争できる力を付けさせることと そのメディアを通じてアニメや映画 音楽などのコンテンツを世界中に流し 日本をアピールすることだ」と分析(東京新聞の取材)しているようです。

「世界のメディアと競争できる力をつけることができる」・・・どこかで聞いたことがある言葉だなと考えていたら 思い出しましたよ。TBS(東京放送)株取得に動いた時の楽天・三木谷社長の発言でしたよ。

郵政民営化では 日本とアメリカの金融資本が 郵便貯金・簡易保険に参入できる道を開きました。
こんどは 通信・放送の世界に外資が参入できる仕組みをつくろうとしているのでしょうか。

竹中総務相は 彼の私的懇談会(1月20日)で 通信・放送・ITの在り方を議論することにしているようです。併行して NHKの在り方についても議論する構えのようです。
一部の人間の「好き勝手」で 強引に物事が決められていいのでしょうかね。

うかうかしていられませんよ。
職場はどのように感じているのでしょうかね。
「国によって事情がちがう。簡単に放送・通信・ITの融合は進まないだろう」と 高をくくっている向きもあれば 「放送・通信・ITの融合問題も大事なことかもしれないが いまは それどころじゃない」という向きもあります。
成果主義による競争 視聴率競争にかつことが優先なのですね。

憲法についても 「大事だとは思うが それどころではない」のでしょうかね。

視聴率競争どころじゃないんじゃないの?
成果主義競争どころじゃないんじゃないの?
そんなことを話し合える2006年にしたいものですね。 

ぼくは 肺炎で年を越しました。
健康第一を痛感しています。
みなさん くれぐれも健康にご留意を。