ロス市警の未解決事件捜査班が動いて、かつて大騒ぎしたロス「疑惑」が再びメディアに登場してきた。
あのときぼくは現役のワイドショープロデューサーだった。三浦和義という人物は、「俳優も顔負けの演技派だ」と思ったことを思い出している。足を撃たれてロスの病院に入院中の彼を在ロスのテレビクルーに取材してもらったのだが、そのときのディレクターの後日談では、「クルーが行くまでは 彼は友人と雑談していたが、インタビューとなったら毛布をはがして包帯を巻いた足を出し、傍に娘さんの写真を置いて 何度も妻の名を口にしながら泣き続けながら答えていた」という。「映像の効果を知っている人なんだろうな」と思ったものだ。
久しぶりに、当時 ロス「疑惑」取材のチーフをしていたH氏と電話で話し合った。彼の分析はこうだ。「三浦某がロスを訪れていたという報道があるが、夫人によれば”行っていない””パスポートを見ればわかる”といっていた」「共謀とすれば 1 知人に頼むか 2 (彼は酒を飲まないから、食事にでも行ったとき)行きずりの人物に(彼はジョークを好むタイプだから)「カネになる話があるが」ともちかけたことも考えられる」「ライフルが見つかったか、その人物が何かの事件で司法取引に応じたか。ロス市警はあたらしい証拠をもっているとしか思えない」「それにしてもメディアは騒ぎすぎだ。ほかに報道することは山ほどあるのに。日本では無罪になっている。静観するのがスジだろう」という。
今回の逮捕が、今後どのような展開を見せるかは、わからない。
だが、考えてみた。このことで「得をするのは誰か」と。共謀が立証できれば未解決事件捜査班の名は上がるだろう。もう一つ。政治的スキャンダル以外のスキャンダルを待ち望んでいたものがいたとしたら・・・・。言い古された言葉だが「フレームアップ」効果だ。
思い出すのは1999年。「サッチー・ミッチー騒動」だ。熟年女性のバトルをワイドショーは延々と追跡した。その陰で、「日の丸・君が代」法案が、「盗聴法」があっという間に通過した。
2003年。アザラシの「タマちゃん」騒動があった。「白装束集団」を追いかけ回した。その陰で「有事立法」が強行採決された。途端に「タマちゃん」はいなくなった。「白装束集団」の追跡は終わった。おもしろおかしいことを「やるな」とは言わないが、ほかにも伝えなければならいことがあったのだが、それをしなかった。
もしかして、今回の「逮捕事件」を密かに喜んだ向きはないか。
なにせ20年前の逮捕状である。三浦某がサイパンに行ったのは今回が4度目である。その気があれば逮捕できたのではないか。なぜ「今」なのか。
でも 今回は1999年、2003年のときとはちょっと違う。ロス「疑惑」事件の再燃に、たしかにメディアは飛びついたし、これからも追跡するだろうが、イージス艦衝突事件や道路問題もちゃんと報道し続けている。手を緩める気配はなさそうだ。そこが違う。
2月25日の(あまり好きではないが)テレビ朝日の『TVタックル』を見た。最終のコーナーは「沖縄の中三少女暴行事件」だった。政治評論家の三宅久之氏が「これは安保問題でもある」といった。ビートたけし氏も「安保について国民投票でもやったらどうか」といっていた。安保廃棄後のことについては、「日本の独立と併せて軍事大国に」という意見もあったりして議論が分かれるところだが、少なくとも「安保」という言葉がバラエティー番組の中で飛び出したのだ。「安保」という言葉が身近になってきたことを伺わせる場面だった。
ロス「疑惑」再燃で喜んでいる向きにとっては、もしかして思惑はずれかもしれない。
メディア状況が少しづつ変わりはじめた と思ったりしているが、評価のし過ぎだろうか。
あのときぼくは現役のワイドショープロデューサーだった。三浦和義という人物は、「俳優も顔負けの演技派だ」と思ったことを思い出している。足を撃たれてロスの病院に入院中の彼を在ロスのテレビクルーに取材してもらったのだが、そのときのディレクターの後日談では、「クルーが行くまでは 彼は友人と雑談していたが、インタビューとなったら毛布をはがして包帯を巻いた足を出し、傍に娘さんの写真を置いて 何度も妻の名を口にしながら泣き続けながら答えていた」という。「映像の効果を知っている人なんだろうな」と思ったものだ。
久しぶりに、当時 ロス「疑惑」取材のチーフをしていたH氏と電話で話し合った。彼の分析はこうだ。「三浦某がロスを訪れていたという報道があるが、夫人によれば”行っていない””パスポートを見ればわかる”といっていた」「共謀とすれば 1 知人に頼むか 2 (彼は酒を飲まないから、食事にでも行ったとき)行きずりの人物に(彼はジョークを好むタイプだから)「カネになる話があるが」ともちかけたことも考えられる」「ライフルが見つかったか、その人物が何かの事件で司法取引に応じたか。ロス市警はあたらしい証拠をもっているとしか思えない」「それにしてもメディアは騒ぎすぎだ。ほかに報道することは山ほどあるのに。日本では無罪になっている。静観するのがスジだろう」という。
今回の逮捕が、今後どのような展開を見せるかは、わからない。
だが、考えてみた。このことで「得をするのは誰か」と。共謀が立証できれば未解決事件捜査班の名は上がるだろう。もう一つ。政治的スキャンダル以外のスキャンダルを待ち望んでいたものがいたとしたら・・・・。言い古された言葉だが「フレームアップ」効果だ。
思い出すのは1999年。「サッチー・ミッチー騒動」だ。熟年女性のバトルをワイドショーは延々と追跡した。その陰で、「日の丸・君が代」法案が、「盗聴法」があっという間に通過した。
2003年。アザラシの「タマちゃん」騒動があった。「白装束集団」を追いかけ回した。その陰で「有事立法」が強行採決された。途端に「タマちゃん」はいなくなった。「白装束集団」の追跡は終わった。おもしろおかしいことを「やるな」とは言わないが、ほかにも伝えなければならいことがあったのだが、それをしなかった。
もしかして、今回の「逮捕事件」を密かに喜んだ向きはないか。
なにせ20年前の逮捕状である。三浦某がサイパンに行ったのは今回が4度目である。その気があれば逮捕できたのではないか。なぜ「今」なのか。
でも 今回は1999年、2003年のときとはちょっと違う。ロス「疑惑」事件の再燃に、たしかにメディアは飛びついたし、これからも追跡するだろうが、イージス艦衝突事件や道路問題もちゃんと報道し続けている。手を緩める気配はなさそうだ。そこが違う。
2月25日の(あまり好きではないが)テレビ朝日の『TVタックル』を見た。最終のコーナーは「沖縄の中三少女暴行事件」だった。政治評論家の三宅久之氏が「これは安保問題でもある」といった。ビートたけし氏も「安保について国民投票でもやったらどうか」といっていた。安保廃棄後のことについては、「日本の独立と併せて軍事大国に」という意見もあったりして議論が分かれるところだが、少なくとも「安保」という言葉がバラエティー番組の中で飛び出したのだ。「安保」という言葉が身近になってきたことを伺わせる場面だった。
ロス「疑惑」再燃で喜んでいる向きにとっては、もしかして思惑はずれかもしれない。
メディア状況が少しづつ変わりはじめた と思ったりしているが、評価のし過ぎだろうか。