「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

メディアは「目くらまし」「忖度」報道からいい加減に卒業したらどうか!

2019-07-29 11:44:55 | Weblog
 参院選が終わった。
 あれこれ書くより、浜矩子(同志社大学大学院教授)さんお得意の「光と闇」の視点が手っ取り早いので紹介する。

 『21日の参院選は、光と闇が交錯するツートーンの結果に終わった。だが、均等割りのツートーンではない。光3対闇1の図柄だ。光が闇の3倍。まずまず、悪くない。
 光3要素は、①「改憲勢力3分の2」未達 ②自民党議席の改選比9議席減 ③「1人区」での野党共闘10議席確保。共産党の手堅い善戦も、もう一つの光要素に加えてもいい。
 闇の1要素は超低投票率だ。そのおかげで何とか与党側が手に入れた議席があったと思う。

 光側の3要素はなかなかの輝きを放っている。「3分の2」をとり損ねたことは、闇側の面々にとって明らかな痛手だ。闇将軍アホノミクスの大将は、隠れ改憲派の取り込みを図っている。そのこと自体が、彼らが追い詰められていることを物語っている。自民党の改選比9議席減も、実は結構なショックだろう。
 闇の部分がゼロになる時。その時を目指して、我々光チームはさらに歩みを進める。決して歩みを止めることはない』(しんぶん赤旗7月25日付寄稿)。

 さて、その「闇の1要素」=超低投票率。政治不信が直撃した1995年の44.52%に次ぐ48.80%という低さだ。
 この国を私物化し、劣化させるアベ政治に審判を下すことができるという大事な選挙だったにも関わらずだ。
 アベ政権が過半数を確保できたのは、ひとえに有権者の半分が棄権した低投票率のおかげだろう。
 ひきつづき1票の重みを知ってもらう工夫をしていかねばなるまい。

 次の問題はメディアの報道姿勢だ。
 放送法は、「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」としている。
 政治的に公平だっただろうか・・・・
 事実をまげないで報道したか・・・・
 意見が対立している問題について多くの角度から論点を明らかにしたか!?。
 NO!だ。
 そんな姿勢が超低投票率生む手助けの役割をしてきたのではないか!?。

 参院選後、選挙そっちのけで垂れ流したのがジャニー喜多川氏の訃報と吉本興業の闇営業騒動。
 吉本興業という企業の実態は徐々に明らかにされていくだろうが、その吉本のメンバーと会食したり、挙句の果てには吉本の舞台に立ってみたり、「お笑い」人気を利用してきたのはアベ首相その人。そのアベ首相の動向を、おもしろおかしく伝えてきたのはメディアですよ。この国の進路を決める参院選から目を反らさせる役割を果たしてきたのは、他ならぬメディアではなかったか。
 最近の報道によれば、吉本興業に11の省庁が補助金?を出すことになっているという。なんだかモリカケに似てきた。
 省庁が吉本の芸人諸氏の人気を借りて政策宣伝でもするというのだろうか。それとも、ここでも(吉本と仲が良さそうな)アベを忖度したのか。
 ボーっと生きているわけにはいかない。
 総選挙に向けて準備にとりかかろう。
 (民放関東シニアの会の会報8月号に寄稿したものに手を加えたものです)