「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

オバマ大統領誕生!

2009-01-22 13:34:48 | Weblog
 21日の夜中1時10分からの「アメリカ新大統領就任式」の生中継をみましたよ。2時45分まで見てしまいましたよ。
 60万人の街に、200万人が集まった。零下を覚悟で厚着して、早朝から続々と「歴史的な場面を見ておきたい」という人たちが集まった。そのことだけでも、アメリカの国民がオバマに寄せている期待の大きさが伝わってきましたね。

 生中継を見ておきたいというぼくの思いは、その時のアメリカの人たちとあまり違いはなかったのではないでしょうかね。
 「顔」で判断するわけではありませんが、しかし、「顔」から受ける雰囲気というものはあるような気がする。持ちあげ過ぎかもしれないが、オバマさんの顔はいい。ブッシュとは大違い。理性的だし、冷静さがある。「まともな人物」という第一印象がある。日米関係を、「支配」と「従属」の関係から「対等、平等」の関係につくり直すための話し合いができる「顔」だというと言い過ぎですかねえ。

 どこかのワイドショーが、アメリカ大統領の暗殺の歴史をやっていましたが、その企画意図がよくわからない。「オバマ暗殺の危険性」をいう人もいるようですが、(狂信的な人種差別主義者がいるとしても)ぼくは「暗殺」なんてことは無いと思う。「なぜか」って?、アメリカ国民の「右」も「左」も、「オバマさん、なんとかしてくれよ」と願っているからですよ。未曽有の困難から抜け出す政策に期待している人物を、暗殺するなんて考えられない。もしも、もしもですよ、そんなことがあるとしたらアメリカはおしまいです。

 「監視がなければ市場は抑制がきかなくなることを思いおこさせた」「富めるものだけを優遇したのでは長く繁栄することはできない」といいましたね。間近で聞いていたブッシュの反応を知りたかったけれど、カメラはその表情をとらえていなかった。
 就任演説を物足りなく思った人もいるようですが、ぼくは「有頂天」になっていない冷静さが気に入った。

 今後に期待するところ大ですね。イラク撤退は決めているようですが、アフガニスタンは、イスラエルは、アメリカの軍事戦略は・・・やがてオバマさんの知性と理性が問われることになる。彼の知性と理性を支えるのは、彼を大統領にしたアメリカ国民の知性と理性でしょうね。
 日本はどのような発信をすればいいのでしょうか。「武力で平和はもたらされない」ことを、憲法9条をもっている国として力強く言ううことでしょうね。あらためてその声を大きくする時期にきていると思うのです。

 話は変わりますが、昨日、千代田春闘共闘の旗開きに呼ばれて乾杯の音頭をとらされました。ぼくの本(「いま なぜ メディアを読み解く目」かもがわ出版)を買ってくれたりしていましたから、よろこんで参加しました。千代田といえば「総行動」発祥の地です。その頃、ぼくは千代田区労働組合の副議長(吹く議長といわれたりしましたがね)だった。あの頃の高揚が再来するかもしれません。日比谷の「派遣村」で力をつくしたようですし、正月早々の経団連への丸の内デモの面倒もみていました。千代田の労働運動もあたらしい一歩を踏み出したようです。
 その席に、千代田区長選(2月1日)の予定候補者・下田武夫さんがきた。民主党の党籍を離れての決意です。ぼくは、長い間「明るい千代田区政をつくる会」に関わっていて、今回もみなさんと候補者についてあれこれ話し合っているなかで下田さんの決意(すぐに実現したい三つの「改革」)を聞いて、一も二もなく賛同したのです。
 現区長の、区民要求とかけはなれた政策に対する批判は渦巻いています。久しぶりに、東京の中心の千代田の区政を変えることができそうです。
 見守っていてください。できれば応援して下さい。
 いずれにしても、ことしは変化の年です。われわれも自覚的(自分で判断する)に行動するようにしたいものですね。

『必殺仕事人2009』、後味の悪さ

2009-01-12 13:27:53 | Weblog
 テレビ朝日系で、『必殺仕事人』が復活した。1月4日は同番組30周年、テレ朝開局50周年記念ドラマという位置付けの2時間枠である。1月9日からのシリーズ開始のプレ企画でもある。今回は、このドラマには欠かせない藤田まことのほかに、東山紀之 松岡昌宏などが加わって若者向けをアピールしている。

 1月4日は、薬の高騰に苦しむ江戸の老人たちをめぐってストーリーは展開されるが、最後は「闇の仕事人」が、悪徳商人や役人を次々に抹殺していくという従来どうりのパターンである。
 最後まで見てしまったが、なんとも後味の悪さが残ってしまった。以前のシリーズでは なぜか「暗殺」シーンにそんなに違和感を抱くこともなく、むしろ「痛快さ」さえ感じていたものだが、見る時代によって、こんなにも後味の悪くなるものになるものなのか。
 新聞のラテ欄には「世の中は不況、リストラ 偽装 詐欺・・・こいつだけは許せねえ!晴らせない恨み晴らします!」とあった。今回のシリーズの宣伝の「ミソ」なのか、広報担当者の知恵なのかわからないが、ドラマを 「現在の世の中に置き換えて見てほしい」という思いが伝わってきていた。しかし、それは制作する側の独りよがりになってしまっている。

 なぜか。元厚生労働省事務次官の連続殺傷事件を思い出してしまうからだ。宣伝文句にどのように書かれようと、「暗殺」に変わりはない「テロ」である。主水役の藤田まことに、「おれたちの稼業がまかり通る世の中はよくねえ」という趣旨の独り言をいわせているが、制作側のエクスキューズなのか。
 「殺す」という手段をやめたらとも思うが、殺人用の小道具に趣向をこらしているのが売り物のようだから、それは無理だろう。
 1月9日の新シリーズ1回目は見ることをやめた。この日見たのは、同じ時間帯の『いじわるばあさん』(市原悦子主演、フジテレビ系)である。かつて日本テレビ系だったかで放送していた青島幸男の『意地悪ばあさん』とは違うタッチの作り方で、市原悦子のばあさん役もやがて定着するだろう。
 『必殺・・』の視聴率がどうであれ、企画変更した方がよさそうである。

メディアも いよいよ正念場ですぞよ

2009-01-03 16:34:51 | Weblog
「あけましておめでとうございます」とは、天変地変もなく とりあえず09年を迎えたから「おめでとう」ということでしょうか。
 ことしが「目出度い年」になるかどうかは、われわれ一人ひとりの決意にかかっていると同時に、メディアが、どんな「視点」でものごとを報道するかどうか、その「決意」のほども試されることになるでしょう。われわれも、昨年以上に「メディアリテラシー」を養って、いいところは褒め、気になる報道については意見をいうことを心掛けたいものですね。

 昨年は、非正規労働者の大量解雇問題で、労働組合が結成されたり、集会やデモが取り組まれたことについて、メディアは結構とり上げましたね。怒りの発露、運動の広がりが、メディアの腰を上げさせたのだと思いますよ。
 お笑い番組ばかりの正月かと思っていましたが、「NHKスペシャル」(1日 21時)『新春ガチンコトーク!世界はどこへ、そして日本は~暮らしは経済は政治は!?論客大予言』”日本もチェンジ?””対米追随やめるか?””日本再生の戦略は?”竹中平蔵×金子勝×岡本行夫×山口二郎×八代尚宏×斉藤貴男×勝間和代(ラテ欄にはこう書かれていた)は見ごたえがありましたね。とりわけ竹中平蔵×金子勝、山口二郎、斉藤貴男はおもしろかった。よくぞ竹中さんも出演したものだと感心しましたが、「小泉構造改革」批判を一人で受けて立つことにしたのでしょうね。グリーンスパン(元FRB議長)の「新自由主義」の破綻発言に触れるかと思っていましたが、触れなかった。一貫していたのは「構造改革が中途半端だった」ということでしたね。「これだけ日本国内がひっちゃかめっちゃかになっているというのに、まだやり足りないというのか!?」と声を出してしまいましたよ。
同じ慶応大学の金子さんは、「改革路線の総括をする必要がある」と迫っていましたが、竹中さんは答えない。口を開けば「今後どうするかでしょう」の一点張りには参りましたねえ。小泉は「引退」といって逃げ出したし、竹中さんはどうするのですかね。アメリカも変わり始めているし、「日本も変わる時期きている。アメリカと対等・平等の関係を築く時期にきている」ことをあらためて実感させられた番組でしたよ。NHKも客観的な番組づくりをはじめたのかなと、それなりの期待をもったのですが、どうですかね。いまのところ NHKがんばれ!です。
 日比谷の「派遣村」に 何か持っていこうと思ったりしましたが、寝正月をきめこんで申し訳なしです。どこかでお役にたつつもりでいます。

 また拙著『いま なぜ メディアを読み解く目』ですが、三省堂本店でノンフィクション部門2位だそうです。1位はオバマの「演説集」だそうです。
 西日本新聞(12月21日付)書評欄に、ノンフィクション作家・立石泰則さんが書いてくれました。「新かながわ」という週刊紙が、大きなスペースで著者インタビューを載せてくれました(新年号)。伊藤塾のHP「今週のひとこと」にも書かせてもらいました。読んでいただいた方から感想や意見をもらっています。概して反応は悪くないようです。今後ともよろしくお願いいたします。
 鎌倉の三が日は晴天でしたが、世の中はそうはいかないようです。貴重な一票(比例区があるから2票ですね)の行使を、いまから考えたいものです。
 お互いに、今年をいい年にしたいものですね。