「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

「弱い人間がいた」は 姉歯建築士だけか

2005-12-17 22:17:15 | Weblog
JCJ(日本ジャーナリスト会議)も 年末になれば「10大ニュース」をとりあげる。
「民営化」の行き着く先報道もとりあげられるだろう。
メディアをターゲットにしはじめたファンドマネーの動きもとりあげるだろう。

利潤追求・・・・「民営化」とは 所詮そんなものである。
JR福知山線事故は典型的だった。
「一つの事故が発生した場合 その背景にはインシデント(事件)には至らなかった300のイレギュラリティ-(異常)があり その陰には数千に達する不安全行動と不安全状態が存在する」というハインリッヒの法則を 何度書いてきたか 何度喋ってきたことだろう。
福知山線大事故の前に 「異常」信号はあちこちにあった。
見過ごしていなければ 大事故には至らなかった。

年の暮れになって表面化したのが耐震強度偽装事件である。
姉歯建築士が関わった偽装は71件(12月14日現在)だという。
偽装は 姉歯だけでなく 氷山の一角ということが明らかになりつつある。規制緩和とか民営化の帰結である。

阪神大震災のとき ぼくはテレビの現場にいた。
コメンテーターの小池振一郎弁護士と 「公的支援はできないか」話し合った。
国土地理院は「阪神地方の地下には大きな断層がある」ことを すでに発表していた。
対策をとっていなかったことからすれば 「人災」である。
だとすれば「公的支援は必要」ということになる。一兆円規模で復興させることができることを番組で訴えたが 見向きもされなかった。
今回の偽装事件について公的支援が検討されているようだが 前進しないのは阪神淡路の被害者にまで波及するのではないかと 危惧しているからかもしれない。
地震列島日本の耐震政策について メディアは声をあげるべきだと思う。

メディアをターゲットにしはじめたファンドマネーのことだが 他のテレビキイ局も神経を使っているようだ。
週刊F誌によれば 日本テレビの社長が幹部職員に「お願いーー楽天・三木谷とTBS問題に関連して」というメールを出したという(なぜメールなのか よくわからないが)。
内容は 「既存の放送事業に挑もうとしている<起業家>の扱いについては <英雄視>など 過剰に持ち上げることのないよう慎重な対応を望みます」というものだ。
ピリピリする気持ちは理解できるが ファンドマネーの介入が 放送の公共性にどのような影響を及ぼすのかという視点はない。
利潤追求の前に 放送の公共性はどうなっていくのか 自分たちの大切な商品がどうなるのかという視点はない。
放送の公共性を守る立場を毅然として保っていれば 視聴者は その<毅然>を支持するだろう。

姉歯建築士は 国会証言で「弱い人間がいた」と心情を吐露した。
「思いきって 腹を切って辞めるか」を考えたという。

メディアはどうか
「いま言わなければならないことを いま言う」ためには<勇気>が必要である。
テレビ局に まだ労働組合はある。
勇気ある制作者を守るとりくみが わずかでも前進すれば メディアの前途は明るいといえる。

2006年が いい年であるように。

民営化の先

2005-12-03 18:47:14 | Weblog
ご無沙汰でした
鎌倉市長選挙以来です。
夏目漱石のお孫さんを擁立しましたが 負けました。
争点は憲法と行革でした
1 憲法について
  現市長は(いちど決めていた「九条の会」の後援を 圧力に屈して取り消した経緯が
  あります)自民党べったりです。
  女性候補は 「4年間の護憲ということでどうでしょう」という条件で「統一」を要
  請してきていました。
  統一なんて ありえませんよね
  漱石の孫は 憲法を護る。憲法を市政に生かすことを強調しました。
2 行革について
  現市長は 「職員の数を150人減らす」ことを表明していました。
  女性候補は 「160人減らす 現市長に負けたくない」と表明しました。
  漱石の孫は 職員の数を減らすことは市民サービスを後退させることになる」と訴え
  ました。すでに鎌倉は 職員削減がすすめられて 他市以下になっているのです。
  漱石の孫以外は 「民でできることは民で」の路線でした。

結果は 「行革」側が勝ちました。現職の当選です。
「官から民」が そんなにいいのですかね。

郵政改革で 日米の金融資本が340兆円の郵政マネーを狙っている」ことが明らかになりましたが 「報道ステーション」のキャスターは「そんなことあるわけないじゃありませんか」といきまきました。
有権者は 民営化を支持しました。
日本郵政株式会社の社長に 三井住友銀行の前頭取が就任するようです。340兆円の使われ方が見えるようには思えませんか?

全国小売酒販組合中央会の元事務局長が 年金共催事業をめぐる使途不明事件をおこしましたね。小売店主たちの「虎の子」の年金管理を 一人の人物に任せきりだったことや 政界に流れたことも問題ですが ぼくは 年金で積み立てた144億円を外資系金融機関と契約して外資を購入した結果のことの方が気になるのですよ。運用先の英国企業が破綻して 144億円がほぼ回収不能だというじゃありませんか。年利6.75%という高利回りに惹かれたのでしょうね。

この事件と 郵政民営化がダブってみえませんか?
340兆円を運用して 1000兆円にもおよぶ財政赤字を解決しようとでもかんがえているのでしょうかね。
酒の小売店主たちの嘆きを 郵便貯金や簡易保険を信頼してきた人達が味わうことになりませんかね。
「考え過ぎだ」という向きもあるでしょうね。
でも 民営化というのはそんなものだと思いますよ。
国民も市民も しっかりしましょうよ。

次は憲法ですね。
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