「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

大田総理 頑張る!

2009-11-07 10:45:53 | Weblog
 11月12日(13日に延期になったようですが)のオバマ大統領来日を前にして、沖縄の普天間基地移設問題論議が、俄然活発になってきましたねえ。

 これも、政権交代と無関係ではない。
 民主党のマニフェストには「(沖縄の基地問題については)見直しの方向で臨む」とうたっているのですからね。鳩山さんは、「県外か国外移設」といっていましたが、アメリカの国防長官が「(辺野古沖新基地建設以外に)選択肢はない」といった途端、閣内の意見がばらばらになってしまいましたね。防衛大臣は「(1996年の基地移転計画合意は)民主党の公約の範囲」といい。外務大臣は「嘉手納への統合も選択肢の一つ」といい。鳩山首相は「オバマ大統領来日までに急ぐことはない。決めるのは自分だ」と。

 いろんな人がいろんなことを言っていますが、基地存続を言う人の特徴は、「政権交代しても国際的な約束は変えてはならない」「外交の継続性を重視すべきだ」「基地は、ばらばらに置くより一か所にあったほうがいい」などです。
 しかし、冷戦崩壊後の日米関係を冷静に見つめ直そうという意見も活発です。元外務審議官の田中均さんは、「政権は替わった。日本が(普天間基地移設合意を)見直すのは、全く問題ないと思う」(10月25日、NHK「日曜討論」)。成蹊大学の西崎文子教授は、「沖縄にどう向き合うか気になる。根本的には日米安保の問題」(10月25日、TBS「サンデーモーニング」)。日本総研の寺島実郎さんは、時間をかけても、基地の縮小、地位協定の改定に、正面から勇気を持って取り組むべきだ」。日本共産党の小池晃参院議員は、「沖縄基地の問題は沖縄だけの問題ではない。戦後60年間、日本に外国の基地があり、しかも75%が沖縄に集中しているのをこのままでいいのかということが問われている。基地の県内たらい回しはありえない」(10月10日、TBS「サタデーずばっと」)などなど。

 圧巻は、11月6日の『大田総理の新マニフェスト』”アメリカに今後1円も払いません””米軍には出ていってもらいます”(日本テレビ)でしたねえ。日テレ出身のぼくとしては感動でしたね。企画したプロデューサーに敬意を表したいね。
 爆笑問題の二人が普天間に実地調査するところからはじまりました。エメラルドグリーンの海。サンゴ礁。ジュゴンの生息地。天然の宝庫に感動していましたね。そして住民の聞き取り調査。座り込みテントにも出かけていた。
 スタジオでは、自民、民主の議員や大学教授。そして何人かのタレントによる討論です。
 石破元防衛庁長官の発言はひどかったね。「大田さんが誰かにやられたら、友人は助けにくるでしょう。日米安保はそんなことですよ」という。
 大田は怒りましたね。「誰も助けに来るやつはいねえよ。そんなたとえ話はやめろよ」「沖縄の少女をレイプして、なにが”助け”だ」「アメリカに思いやるにもほどがある」と。まさに、沖縄の気持ちを代弁していた。

 この番組は、最後に大田総理のマニフェストに賛成か反対かの投票をすることになっているらしいのです。スタジオの結果は、賛成10、反対11でした。番組の最後で一般視聴者の投票結果を紹介していましたが、そこでも、大田総理のマニフェストに対する賛成は44%、反対56%とというものでしたね。賛成の数が少ない。まだまだ「沖縄の人たちには我慢してもらうしかない」という人が多いのですかね。
 本土の人は、一度沖縄に行ってみればいい。爆笑問題も、普天間に行ったことで沖縄の苦しみを実感したのです。ヘリや戦闘機の離発着は1日平均200回です。フェンス越しに小学校があるのです。60年間耐えてきているのです。いい加減ピリオドを打つことにしようじゃありませんか。
 バラエティー番組も、こんな手法で頑張っている。一方で、「最後は辺野古沖に落ち着かざるをえないでしょう」というジャーナリストもいる(11月6日、テレビ朝日「報道ステーション」の朝日新聞の一色なんとかいうコメンテーター)。
 ジャーナリストなどと威張っている人も、頭の中を転換しなければ沖縄からも世界の動きからも見放されてしまうことになりそうですね。
 あらためて、「大田総理ごくろうさまでした」と申し上げましょう。