摩訶不思議 『パワー・フォー・リビング』って何？

ＰＯＷＥＲ ＦＯＲ　ＬＩＶＩＮＧ（パワー・フォー・リビング）という広告をご覧になったことがあるでしょう。
新聞　雑誌　駅のポスター　そしてテレビＣＭ。

文字広告には「この本のメッセージは　多くのひとの人生を変えました。あなたも　ぜひ読んでみませんか」と書かれています。
どうやら本の宣伝とも受けとれます。
が　そうでもないのです。
プロ野球の監督や　シンガーソングライター　フィギュアスケーターが広告塔として登場し　「私はこの本のメッセージで　使命感を持って生きることのすばらしさを知りました」とか「心の平和を取り戻しました」とコメントしていますが　「そして　あの日　私は神を信じたのです。あの日がなければ　私はいったいどこまで走っていったのでしょう」と言っています。
でも　宗教の勧誘でもなさそうな形をとっています。
その本は無料だそうです。
おかしな広告だな　と思いながら　なにか「うさん臭さ」を感じたものです。

連絡先は郵便局私書箱になっていますが　本体は「アーサーＳ・デモス財団」というところです。莫大な資金をもっているようです。
この財団は　日本で宣伝するにあたって「なぜこの本を宣伝しているのか不思議におもわれるでしょう。それは　ここに書かれているメッセージが日々　生きる力を与えてくださることを私どもが直に経験しており　そのメッセージを日本の皆様にお伝えしたいからです。このメッセージのおかげで人生が変わった世界各地の様々な著名人の証言集です」
といっています。

調査したひとによれば　中心はキリスト教右派の牧師さんだそうです。
ネオコンと協調　親イスラエルの教派というところでしょうか。
ドイツでは　布教ととらえられてＣＭ禁止になったようです。

それが　突然　日本に舞い降りたのです。
一国集中の宣伝をするそうです。
費用は10億円を超えているようです。ことし1月からおよそ1ヶ月　集中的に宣伝して
あっという間に引き揚げました。

広告の仲介をしたのは　アメリカの資本が入っている日本の広告代理店のようです。
ＣＭを放送したのはテレビでは日本テレビ　テレビ朝日　テレビ東京。ＴＢＳ　フジテレビは断わっています。見識の違いがでているのでしょうね。
しかし　地方局によっては系列に関係なく放送したところもあります。
なにしろ多額のカネが舞い降りてきたのですから・・・・・・。

局内では「うさん臭さ」を指摘する声もあったようですが　面と向かって断わる理由が見当たらないということで放送に踏み切ったというのが実情のようです。
「背に腹は変えられない」のしょう。
「神の恵みだ！」と言った営業マンもいたそうです。
利益さえあがれば「なんでもあり」なのですかね。
どんな影響を及ぼすか」なんて考える余裕がないのですかね。
この「うさん臭さ」が（ダイエット番組がエスカレートしたように）なし崩しされていくとなれば　なにかそら恐ろしさをかんじませんか。

カネで解決しようというのは「改憲手続法」もおなじです。
「六日のあやめ　十日の菊」　どんな小さな事柄でも「これを放っておいたら大変なことになりそう」と思われることについては　見過ごすことなく　話し合いたいものですね。