「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

死んだ男の残したものは

2012-10-22 12:02:09 | Weblog
 10月20日(土)14時~鎌倉芸術劇場「大船九条の会5周年のつどい」の宣伝をしたのですから、報告しないと義理を欠きますね。
 第1部は、このところ波に乗っている歌手・真子masakoくんとぼくのおしゃべりのジョイントでした。「愛と死をみつめて」からはじまりました。九条の会とはそぐわない歌ですが、実はこの作曲家土田啓四郎さんとは、ぼくが作詞した『メッセージ』『悔いない人生』『思い』に曲をつけてくれたことでつき合いが始まったのです。残念ながら、心臓病で急死されたのです。彼は『愛と死・・』で第6回レコード大賞を受賞しています。彼を偲ぶ意味もあっての選曲でした。
 おしゃべりはだらだらすると興味を削ぎます。歌にまつわるエピソード・・それも、平和・戦争に触れた短いおしゃべりにしました。
 第1回広島平和音楽祭で美空ひばりさんが歌った『八月五日の夜だった』『一本の鉛筆』、
 淡谷のり子さんが、出撃前の特攻隊兵士の前で歌ったという『別れのブルース』
 パブロ・カザルスが1971年10月24日、世界国際平和デー(国連本部)で、「わたしの故郷スペインのカタルー二ャ地方では、鳥は”ピース、ピース”と鳴く」とはなしながらチェロを弾いたことで有名な『鳥の歌』などなど・・・。1部だけで9曲もです。

 第2部は「真子masakoオンステージ」
 ぼくがあたらしく作詞した(東日本大震災の被災者に思いを寄せた)『それは”約束”』、子守唄風の『あしたは きっと』、真子くん作詞の『夢の中で』など、ここの予定も9曲でしたが、アンコールもあって大盛り上がりでしたね。
 アンコール曲の一つに、ぼくの好きな『死んだ兵士の残したものは』を入れてもらいました。
 谷川俊太郎・作詞、武満徹・作曲・・・名曲といっていいでしょうね。
  
  死んだ男の残したものは 一人の妻と 一人の子供
   他には何も 残さなかった 墓石一つ残さなかった

  死んだ女の残したものは しおれた花と 一人の子供
   他には何も 残さなかった 着物一枚残さなかった

  死んだ子供の残したものは ねじれた足と 乾いた涙
   他には何も 残さなかった 思い出一つ残さなかった

  死んだ兵士の残したものは 壊れた銃と ゆがんだ地球
   他には何も 残せなかった 平和一つ残せなかった

  死んだ彼らの残したものは 生きてる私 生きてるあなた
   他には誰も 残っていない 他には誰も残っていない

  死んだ歴史の残したものは 輝く今日と またくる明日
   他には何も残っていない 他には何も残っていない

 鎌倉芸術館のホールでなく、ほどよい広さのリハーサル室が会場です。
 80人を超えて満席。
 おおむね好評のようです。「感動した」という感想も聞きました。
 歌には それぞれ歴史があるのです。ほんの僅かでも紹介するだけで、歌は息を吹き返します。
 ご参加ありがとうございました。
  「藤沢でもやりたい」といってこられた方がいます。この「ジョイント」全国ツアーでもやろうかな。無理にきまっていますが そんな思いを実感した鎌倉芸術劇場だったのでーーす。

 ◆ そしてまた宣伝

   いま この国は「混沌」
   九条の会・東京連絡会」は、情勢にふさわしく「緊急!大学習会」をやります。

   『どうなる この日本!』--強まる改憲策動とその狙いーー
        日時 10月29日(月)18時 開場
                    18時30分 開会
        場所 エデュカス東京(麹町)
        参加費 999円
   お話は 小森陽一さん(九条の会事務局長、東京大学大学院教授)
   前座で真子masakoくんが歌います。

   秋の夜長・・・どうぞ誘い合ってお越しください。

「反作用」の「力」 経団連へも

2012-10-17 10:26:05 | Weblog
 涼しく というより寒くなりました。
 あの暑さは何だったのでしょうね。
 あちこちで講演(といっても、ぼくの場合半分は漫談風ですが)をしていますが、みなさんの希望むテーマは「マスメディアは信用できるか」です。

 このところ、話のついでに引き合いにだしているのは(ノーベル賞の季節とは無関係です)『ニュートンの力学』です。「物体Aが物体Bに力を加えると、必ずBもAに同じ大きさで反対向きの力を返す」という「作用と反作用」の法則です。これは、わたしたちの運動にも通じる。
 「作用と反作用」を持ち出すのは、いまにはじまったことではありません。古い話になりますがぼくが東京・千代田区労働組合協議会の副議長をやっていたとき、「千代田総行動」というのが盛んでした。官民の労働者だけでなく、薬害スモンや大気汚染の公害などと闘っている人たちもいっしょになって、丸の内中通りのデモ(3万人を超えるひとたちが結集しましたね)や、経団連・大企業の本社、関係官庁、裁判所(最高裁まで)まで包囲したものです。
 その頃、事務局長をしていた水産庁労働組合のTさんが、ことあるごとに話していたのが「作用と反作用」だったのです。働く者が不当な攻撃をされたらその「力」以上の「力」ではね返すという趣旨でした。以来、この法則が好きになったのです。

 原発再稼動という「いのち」を無視する力に大して、「原発ゼロ」の力が湧き起こっています。「消費税増税と社会保障切り下げ」には、「増税NO!」の力が、TPP(環太平洋連携協定)にも、オスプレイの強行配備についても、「押し返す力」が働いています。16日には、「原発やめろ」「子ども守れ」の声が、ついに経団連を包囲しました。まさに、「作用」あれば「反作用」なのです。
 にもかかわらず、野田民主党内閣は国民各層の切実な「声」に耳を貸す気配はありません。「そのうち、反対運動も尻すぼみするさ」と高をくくっているのでしょうか。大手メディアが、国民の代弁者になりきれていないことを頼りにしてでもいるのでしょうか。

 いささか様相が違いはじめたのが領土問題です。
 「領土問題は存在しない」と繰り返すだけの野田内閣の姿勢に対して、日本共産党の志位委員長が政府と中国に提言した内容がインターネット上で話題になっています。「共産党支持ではないが見直した」「(共産党は)中国寄りだと思っていたけど思想は思想、事実は事実として明快」なお、書き込みが相次いでいるのですよ。
 『週刊朝日』(10月26日号)は「民主も自民も反省しなさい!志位和夫共産党委員長が教える尖閣・竹島・北方四島”領土紛争”の正しい解決法」として、志位さんのインタビューを大きく報じていましたよ。領土問題への「反作用」は、志位さん提言をきっかけにはじまっているみたい。
 
 総選挙間近といわれているのに、テレビ各局の政治番組のなんとピントはずれなことか・・・。
 番組に主に登場するのは民主と自民の議員だけ。有権者に考えてもらう「材料」を提供する連続した「各党討論」ぐらいは企画してもいいんじゃないですかね。
 「作用」する一方の側だけを伝える報道では、科学的ではありませんね。

 ◆ ついでに宣伝

   大船・九条の会 五周年のつどい in 大船
   真子masako・卓蔵 歌とトーク ジョイントコンサート

   日時 10月20日(土)13時30分開場
               14時   開演
   場所 鎌倉芸術館3F
     (大船駅東口から徒歩7分)
 
   参加費 900円 (高校生以下無料)

   九条の会にはちょっとそぐいませんが わけあって「愛と死をみつめて」からはじまりま
   す。
   第1回広島平和音楽祭で 美空ひばりさんが歌った「一本の鉛筆」から、特攻兵士のエピソード
   のある淡谷のり子さんの「別れのブルース」・・・「巴里際」あり「さくらんぼ実る頃」
   あり・・・「君死に給うこと勿れ」・・・東日本大震災をうたった「それは”約束”」など
   なんと全18曲。アンコールだとどうなることやら。
   天気はよさそうです。
   興味のある方は ぶらっと立ち寄ってみてくださいませ。

真子masako プロフィル
              東京芸大声楽家卒
              日本テレビ朝の番組の中の「こころの歌」レギュラー出演がきっか
              けで全国に知られるようになりました。
              豊かな声量、その社会性・・・おすすめの歌手です。