「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

SMAPの一人が「逮捕」された陰で

2009-04-29 11:29:52 | Weblog
 深夜、酒に酔って騒ぐ。よくある話です。
 酒を飲んだら脱ぎたくなるなんていうのもよく見かける光景です。
 終電で寝過ごしたり、見知らぬ駅のベンチで目をさましたり・・・。飲み過ぎには気をつけなければなりませんが、どうしても深酒したくなることだってあるでしょう。
 人気グループ「SMAP」のメンバーの一人が、深夜、都心の公園で酒に酔って全裸姿で騒いでいるところを通報され、公然ワイセツ罪で警察に逮捕されました。

 メディアの取り上げ方は半端ではなかった。大事件でも起きたかのような騒ぎ方だった。警察は薬物の疑いをもったのでしょうが、検査結果は陰性だったといいます。なのに、家宅捜索までやっている。異常ですよ。
 彼は、「シンゴォー!」とか「このやろう!」とか叫んでいたといいます。なにかあったのでしょうね。しかし、そんなことを詮索するつもりはありません。人間、誰だってフラストレーションがたまることはありますからね。
 有名人?なのでメディアも騒いだのでしょうが、それにしても異常でしたよ。

 普通なら、「飲み過ぎには注意しなさいよ」「端迷惑なことはやらないほうがいいんじゃないの」程度で帰されるところでしょうが、「処分保留」つきの釈放にもおどろきましたね。
 釈放された時の記者会見に集まった取材陣は300人を超えていたとか。
 この騒ぎはまだまだ続くのでしょうか。

 このメディアの騒ぎぶりに、「怖ろしさ」を感じたのは僕だけではないでしょう。メディアは、この事件を騒ぐことで「大事なことから人々の目を反らさせる役割」(フレームアップ)を担いました。

 フレームアップは過去にもいくつかありました。
 1999年、「サッチー、ミッチー騒動」(野村沙知代と浅香光代両女子のつまらないバトル)が半年も続いた陰で、「日の丸、君が代」法案があっという間に国会を通過してしまいました。
 2003年、アザラシの「タマちゃん騒動」「白装束集団騒動の陰で、有事法制が強行採決されてしまいました。

 今回は、どのような状況下にあったか・・・・。
 西松建設と政治家。千葉県知事の政治資金流用疑惑、さらには「海賊対処」法案の審議が山場にさしかかっていた時期です。
 自衛隊の海外での武力行使と海外派兵法に道を開くこの法案は、4月23日に総括質疑、24日に本会議採決を予定していたようですが、なぜか23日に衆院本会議で採決が強行されたのです。
 23日・・・。SMAPの一人が逮捕された日です。
 自民、公明の与党にとっては、もっけの幸いの「逮捕劇」だったにちがいありません。メディアが騒げば騒ぐほど、危険な法案の姿は見えにくくなるのです。
 あるワイドショーのコメンテーターの一人が、「この逮捕は、ある思惑があってはんだんしたのでは・・・」とコメントしていましたが、どうやらそれはSMAPの内部事情を指していたようで、「海賊対処」法案についての言及は一切なし。がっくりしましたよ。
 この法案の審議は参議院に回ります。今回の逮捕問題を扱うなとは言いませんが、「海賊対処」法案の危険性を知らせる努力もしてほしいのです。結果的に「大事なことから国民の目を反らさせる」報道のありかたは、「罪」ですよ。まだ間に合います。国民の「知る権利」に 少しは応えてちょうだい。
 

「まちづくり条例」・その後

2009-04-03 11:36:31 | Weblog
 「治安維持法」の「東京版」になるかも・・と、その行方を注目していた「東京都安全・安心まちづくり条例」のその後を報告しなければなりませんね。

 この条例「改正」は、東京都議会の総務委員会、警務消防委員会で議論され、3月27日の本会議で日本共産党、ネットの議員のみなさんたちの反対を押し切って、自民、民主、公明などの賛成多数で採決が強行されました。
 「改正」の内容は、「繁華街を訪れる来訪者に、”対数に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為”を自粛する責務などを課し、事業者などの民間パトロールや警察官の”必要な措置”によって、防犯を強化しようとするもの」でした。

 「迷惑」を理由に、表現活動(パフォーマンス)を制約しようとすろこの「改正」が、表現の自由に抵触する危険があると感じた各界、各層のひとたちは、間髪をいれず都議会へ要請行動を行いました。ぼくは自民、公明への要請に参加しましたよ。
 自由法曹団東京支部の迅速な問題提起、行動提起に感謝しなければなりませんね。

 この「改正」案は、僅か2時間半の委員会質疑で通ってしまいました。
 が、一方で、批判の広がりのなかで東京都は「懸念打ち消し」に奔走せざるを得なくなり、委員会では次のような答弁が繰り返されたといいます。この答弁は、警視庁によっても確認されているそうです。
 
 答弁の内容を、自由法曹団東京支部の「まとめ」で紹介します。
◆ 事業者などの自主的な活動を推進するもので、第三者に対して権利を侵害した
 り、規制をするものではない。
◆ 警察官や事業者などが行う「必要な措置」は、パフォーマンスなどの街頭行為
 に対する個別的な指導や注意、要請を含まない。
◆ 一般交通に著しい影響を及ぼさないビラ配布は自由とした有楽町事件東京高裁
 判決(検察の上告なく確定)の基準は変わらない。
◆ 指針に「規制を課すものでない」ことを明記し、広報などでも徹底する。
 
 というものです。
 自由法曹団東京支部は、条例「改正」に抗議する声明で、「万が一にも答弁を逸脱して表現活動への干渉、介入などがおこなわれることがあってはならない」「条例の運用を厳しく監視するとともに、広範な団体・個人とともに街頭での言論表現の自由を守り、発展させるために全力をあげるものである」(3月27日)と強調しています。

 そこで、ソマリア沖派兵・海賊対処法反対・街頭宣伝です。
 自由法曹団の呼びかけに応えようではありませんか。

 ■ 4月9日 国会要請
        11時~13時 衆議院第一議員会館第1会議室
 ■ 4月18日 有楽町マリオン前宣伝
        11時~12時の短時間です。

 おわって花見というのもいいかもしれませんねえ。