「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

40年前の 米軍秘密計画

2006-04-15 18:37:33 | Weblog
とかく批判の多いテレビ報道ですが
たまには激励してあげてください
マスコミ九条の会のホームページと 日本ジャーナリスト会議の機関紙「ジャーナリスト」に書いたのですが このブログでも書いちゃいます

4月12日放送のテレビ朝日「報道ステーション」をご覧になった方は多いでしょう
「古舘伊知郎というキャラクターが好きじゃないから」という人もいます
たしかに そんな面もありますが 要は番組の中身です
この日は一味違っていました

この日の特集のタイトルは「辺野古移設・隠された真実」「すべて米国のシナリオ」「40年前の米軍秘密計画」というものでした
「海軍施設マスタープラン」という 40年前に作成された分厚い資料をもとにした報告です
辺野古沖は軍事基地に最適な場所なのだそうです
理由は 1)浅瀬がある 2)深い水深の大浦湾がある(強襲揚陸艦が着岸できる)からです
米国は かねてからこの地に海兵隊基地 飛行場 軍港の複合基地を建設したいと考えていたことがわかります 一大出撃拠点です

しかし 米国議会はこの計画を承認しませんでした 膨大な経費がかかるからです
でも この計画は沖縄返還後も生き続けていました
いま押しすすめられている辺野古沿岸案は まさに米国が望み続けていたたものだったということがわかります
特殊兵器を貯蔵するようにもなっています 特殊兵器とは「核」ですね

キャスター古舘は 「衝撃的内容だ」「巧みに誘導された計画だ」とコメントしていました
「巧みに誘導されている」という表現は 海兵隊8000人のグアム移転計画と無関係ではありません
移転費用は1兆2000億円だといいます
日米間で交渉は続いていますが 米国は当初の予算を 倍〃ゲームのように増やしてきました その内の9000億円を日本に負担しろと言っていますね 無理強いもいいとこです
「それが嫌なら 辺野古に決めろ」という魂胆なのでしょうか
「巧みな誘導」とは的を射ているのではないでしょうかね

米国にいいようにあしらわれている日本政府ですから ここでも あの(沖縄返還に際しての密約)事件の二の舞を繰り返すかもしれません
「監視する」というジャーナリズムの役割が いっそう求められることになります

基地問題では岩国 小松 座間 横須賀。
青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場では プルトニウムを含む洗浄水の漏洩事故が発生しました
怒りと不安が充満しはじめています この国は いま噴火寸前です

この番組の視聴率は11.9%(ビデオリサーチ調べ)
計算上では11.900.000万人が視聴したことになります
テレビ朝日の朝のワイドショーも頑張っていますね 「格差社会の現場から」というシリーズをやっています この日(12日)は「規制緩和の波」で大阪のタクシー業界を取材していました 増大するタクシーと 低価格競争です

やはりこの日だったと思いますが TBSの朝番組で みのもんたはフランスの若者たちのたたかいに触れながら 「日本も国会議事堂が取り囲まれるようにならないかね」という趣旨のことを発言していました 勇気のいる一言ですよ
この視聴率は9.7% この時間帯では高視聴率です 計算上では9.700.000人が視聴したことになります

まともなことを取材したり まともな発言をする番組があることも忘れてはなりません
ここに書いた以外にもあるでしょう
気づいたときには「激励」することも忘れないでほしいのです
何の反応もないと がっくりすることがあるのです。

凸凹だらけの「シベリアの道」

2006-04-05 18:26:18 | Weblog
4月4日 火曜日 晴れ
永田町 星陵会館
マスコミ関連九条の会主催の「文学と音楽の夕べ」
満員でした。立ち見の方には申し訳ありませんでした。

いかなる集会であれ 切符を発行する集会は難しいものです。
収容人数の数だけ発行したら2割が空席になったり
発行し過ぎて大騒ぎになったり。
今回は(立ち見の方には申し訳ありませんでしたが)かなりうまくいったと思いますね。

会場の音響は 予想外に良かったのではないでしょうか。
壁面を手直ししたのだそうです。
村上弦一郎さんのピアノ クシリアーヌさんのヴァイオリンもよかった。手づくりの音楽という印象でした。「ピアノとヴァイオリンが溶け合ったようだった」という人もいましたね。デュオをやっているといいますから その故でしょうね。
村上さんの「平和があって音楽がある」という言葉は あたりまえの言葉だけれど 新鮮に聞こえましたね。

いろんなところでショパンのポロネーズ「革命」を聴きますが 村上さんには「鋭さ」がありました。テンポが速かったというだけではありません 「思い」が加わっていたと思いますね。

辻井 喬さんの話をはじめて聴きました。「落語家のはなしを聞いたような感じ」と評した人もいましたよ。
元気でしゃべり続けてほしいものです。
マスメディア評は 現場の人達に聞かせたかった。(現場の人もかなり参加していましたが)

ぼくの印象にあるのは 「ジャーナリストは地方を見よ」という言葉ですね。
シベリアにいくと 「道は凸凹だらけ」だそうです。
日本はどうでしょうか。
道は 一応整備されていますが 国民の生活は凸凹だらけですよ。一言でいえば「格差の拡大」ですね。
その凸凹を マスメディアは直視しなければなりませんが やりませんね。
憲法問題は その最たる凹ですね。

はなしはあちこちしますが 照明がよかったですね。
立体感があったし 落ち着けました。
終わった直後に ドゥボルザークの「新世界」が流れたのですが もうみんな立ち上がっていました。
最終楽章ですが はじめの部分だけでも聴いてお帰りくださると 印象は倍加されたとおもいます。
はじめの部分だけでも聴いてもらえるというか 僅かの時間 余韻に浸ってもらう。・・・・これには ちょっとした「コツ」があるのです。

いづれにしても いい夕べでした。
いろんなところに「九条の輪」をつくろうではありませんか。人数の問題ではありません。
小さな石ころも あつまれば「道」になるのです。

追伸 この日 一人「マスコミ九条の会」に加入してくれました。