「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

相対需要層

2005-01-10 13:42:24 | Weblog
昨年末 ブログを設けましたが アクセスしてくれる人が増えてきたのです。うれしいものですね。読まれていると思うと また書きたくなる。楽しみさえ感じはじめています。でも ただ書けばいいというものではありません。無責任なものであってはなりません。

■そこで「憲法」との関連です。

いま各地で「九条の会」のアピールに賛同するとりくみがすすんでいます。「九条の会」の講演はどこも超満員です。井上ひさし 梅原 猛 大江健三郎 奥平康弘 小田 実 加藤周一 澤地久枝 鶴見俊輔 三木睦子という呼びかけ人の魅力も 人々をあつめる要因になっているのでしょう。
しかし 九氏におんぶするだけでは「九条」を守り 実行させるとりくみは十分ではありません。改憲をのぞんでいる側は国民投票法案を準備しているのですから 護憲派としては 有権者の過半数 いや日本国民の過半数を味方にする必要があります。
となると いままでのような 知り合い同士の運動では間尺が合わないことになります。
どうするか 苦労するところです。
そんなとき おもしろいものを発見しました。昨年10月号「世界」に カタログハウス社長・斎藤 駿さんが(護憲か改憲か 迷っている人々をいかに味方につけるか。憲法九条を守るためのしなやかな知恵)「ハトはハトでも伝書鳩ーー護憲運動の軌道修正」という一文を載せているのです。

■相対需要層

斎藤さんは小売業です。売りたい商品に合わせて 売りたい相手をつねに三層に分けて考えるのが「小売」の発想だといいます。
三層とは ○絶対需要層 ○相対需要層 ○絶対非需要層 というようです。
絶対需要層とは その商品について前々から強い欲望を持っている層。この層にはあまり説得の苦労はいらない。「あいよ」とこたえてすぐに買ってくれる。
絶対非需要層は その逆です。当方の売りたい商品についての欲望をまったく欠落している。あるいは嫌悪している層だから 百万言費やしたって買ってはくれない。説得するだけ時間のムダ。
したがって 絶対需要層だけでは「数」が足りない。もっと大量に売りたいと思ったら 当然 相対需要層を相手にしなければならないわけです。
相対需要層とは 絶対需要層ほどではないけれど その商品について関心をもっている人たち 買おうか買うまいか 「どうしようかな」と迷っている層。売り方の上手下手で 買ったり買わなかったりする層。
つまり 小売業とは もっぱら中間に位置する大量の相対需要層を相手にした商売だというのです。わかりやすい言葉じゃないですか。

■斎藤さんは 「九条」という商品をたくさん売りたいと思ったら 護憲派と改憲派の中間で「どっちの商品を買ったらいいの?」と迷っている層を相手にしなければなるまい。「九条」をめぐる運動とは 外国には存在しないわが国固有の「定番商品」と 外国の仕様に合わせたありふれた「新商品」の どちらが中間層に買ってもらえるかという”中間層争奪戦”だといいます。
護憲派の市民にとって いま いそがなければならない作業は 中間層を一人でも多く護憲側によびこむための具体的な戦術 具体的なスケジュールを考えることだ。
「九条の消費者から 九条の売り子へ」というのがキイワードです。
護憲派の一人ひとりは 憲法九条という「定番商品」の売り子になるべきではないのか。
消費者は中間層です。その中間層に向けて「定番商品」を販売していくのが 売り子としての護憲派ではないのか といいます。
斎藤さんはさらにつづけます 「極端に言ってしまえば (これまでの)護憲派が一つに結束しようとバラバラで存在しようと そんなの どっちだってかまわない。それだけだったら 現状における改憲派との数量関係に変化はないからね」と。
商品をよく売る売り子とは 消費者の中にあるその商品への関心の度合いや商品への疑念 不安をよく察知して対応できる売り子。消費者の関心や不安を自分の中にとりこめる売り子がいい売り子。護憲派の売り子には自分を中間層の消費者に見立ててみる想像力が必要です。他人の想像力を身につけることを「タコツボ思考からの脱却」というのだそうです。

とってもわかりやすい文章だったので あえて紹介させてもらいました。

ところで きのう(9日) たしかテレビ朝日の「サンデープロジェクト」だったか 宮沢喜一氏が憲法に触れて話していました。「海外で戦争ができるような憲法改正には反対だ」と。

ここで宣伝
2月25日(金)神奈川県民ホール(横浜にあります)で 「九条の会」をきく会をやります。
2500人収容です。先日 下見にいってきましたが いいホールですね。
「九条の会」から 大江健三郎さん
         加藤周一さん
         小田 実さん が話してくれることになっています。
18時開場です
テンポのいい集まりにします。
お誘い合わせのうえ ご参加のほど 隅から隅までー(歌舞伎調ですが)乞い願いたてまつります。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2005-01-10 21:19:57
Academia RSS集 http://www.ac-net.org/rss/ 経由で貴サイトに行きました.

商品を大量に売るには何といっても宣伝です.そのためにはもちろん大量の資金が必要です.おそらく少なくとも百億円ぐらい必要ではないでしょうか.そこで私は,敢えて九条を「買い戻す」という言い方で,大規模なメディアキャンペーンを提案しています.

百億円というと,大資本家や国家にとってははした金かも知れませんが,庶民や,市民運動にとっては天文学的な額に思えます.しかし,百億を因数分解してみると,たとえば10万×10万です.憲法が,九条が10万円で「買い戻せる」なら,これはとんでもない安い買い物だ,そのように考える人が10万人いてもおかしくない,そう思うのです.

詳しくは次のサイトをご覧頂けないでしょうか.

市民有志が無形のマスメディアになろう! 教基法改悪阻止・改憲阻止メディアキャンペーン10万円×10万人計画

http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/tenbillionyen.html

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憲法を買い戻す (豊島耕一)
2005-01-10 21:22:00
すみません,誤ってリターンを押してしまいました.上のコメントの投稿者の署名です.

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