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柴田錬三郎著 「御家人斬九郎」

2020年12月02日 15時47分55秒 | 読書記

図書館から借りていた 柴田錬三郎著 「御家人斬九郎」(大活字本)を 読み終えた。

  


「大活字本(大活字版、大活字図書)」とは 弱視者(低視力者、高齢者等)にも読みやすいように、文字の大きさや行間を調節して 大きな活字で組み直した本のこと。当然 分冊になったり 値段も割高になるため、主に障害者や高齢者向けの施設や 公共の図書館等に所蔵されているようだ。老眼でも アナウンサーが原稿を読むような調子で ペラペラ、楽に読み進めることが出来る。

(ネットから拝借無料イラスト)


柴田錬三郎著 「御家人斬九郎」

目次
第1篇 片手業十話
    第1話 男ってぇ奴はこんなものさ
    第2話 二兎を追ったら二兎を獲るさ
    第3話 隻腕(かたて)でやるかたてわざだぜ
    第4話 柳生但馬守に見せてやりてぇ
    第5話 直参旗本の死にざまだぜ
    第6話 良人を殺した気持が判るぜ
    第7話 女の怨念はおそろしいやな
    第8話 寺で新仏を作ってやらぁ
    第9話 正義の味方にだってなるぜ、
    第10話 女の嫉妬はこうして斬るのさ
第2篇 箱根の山は越えにくいぜ
第3篇 あの世で金が使えるか
第4篇 美女は薄命だぜ
第5篇 座敷牢に謎があるぜ
第6篇 青い肌に謎があるぜ
解説 尾崎秀樹 

第1篇は 第1話~第10話までの10の短篇が収録されており、第2篇~第6篇は 第1篇の短篇よりは やや長い中篇になっている。

主人公は 徳川家一族の十八松平の内の大給(おぎゅう)松平家の末裔、名門でありながら、御家人の中でも最下級、30俵3人扶持の家の四男五女の末子に生まれた松平残九郎、長男、次男が死に、三男は養子に、姉達は家を出たため 家督を受け継いだが 貧乏御家人、本所割下水のぼろ家に老母と二人で暮らし、食べていくために副業(かたてわざ)として 並外れた剣技を生かし 表沙汰に出来ない罪人の介錯(かいしゃく)をしており 人からは 斬九郎と呼ばれている。
老母の麻佐女(あさじょ)は 79歳だが、矍鑠としており 並外れて食欲旺盛、極端な美食好み、小鼓の名手、気丈で、口達者、斬九郎の稼ぎが悪いと 薙刀で一撃を加える程の凄まじいキャラクター。斬九郎は 「くそ婆」と罵りながらも 母親のためにせっせと「首切り」に励むが その礼金は遊蕩に費やしてしまい 毎度母親とのいさかいが絶えることが無い。
この作品の面白さは 次々持ち込まれる副業(かたてわざ)・「首切り」の顛末、随所に有る斬九郎の凄まじい剣技にもあるが 斬九郎と老母麻佐女のからみあい、老母麻佐女のグルメ振り、やれきれなさを感じながらも そんな老母麻佐女と付き合っていく斬九郎、極端にユニークで、ユーモラスな二人のキャラクターの対照にあるのではないかと思う。
他の主な登場人物、斬九郎の亡父・喜佐衛門、北町奉行所市中取締色調掛与力・西尾伝三郎、柳橋の芸者・蔦吉(おつた)、岡っ引き・南無八幡の佐次・・、

通称「シバレン(柴錬)」と呼ばれている柴田錬三郎氏の代表作のひとつとされている作品、「御家人斬九郎」。 読書初心者の爺さん、やっとその気になって、読み終えた。
 

 

 


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