たけじいの気まぐれブログ

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藤沢周平著 「蝉しぐれ」

2016年12月03日 08時42分58秒 | 読書記

切れ目の無い自営業を長年続けていたこともあって、期間的余裕、精神的余裕も無く、正直言って つい最近まで読書する習慣等が全く有りませんでした。
最近になって 本棚に眠っている古い本の類を整理処分しかけたことがきっかけで 改めて 読んでみようかなと思う本が 次々出てきてしまい 気まぐれながら 読書の時間が長くなりつつあります。
その結果 古い本の類の整理処分の方の手は ピタッと止まってしまい きれい、さっぱりするのは いつのことやらです。

先日 藤沢周平著「三屋清左衛門残日録」を 読み切ったことを書き込んだところ、あるブログ友の その奥様からコメントをいただきました。
その方は大変な藤沢周平氏ファンでいらっしゃるご様子で 是非 「蝉しぐれ」、「風の果て」も 読んでみるようにお薦めいただきました。
「蝉しぐれ」も 藤沢周平氏の代表的な 長編時代小説のひとつですが 我が家の本棚に眠っている古い本の中には有りませんでしたので 早速市立図書館に出向き、借りてきて読み切りました。

東北地方の小藩、海坂藩(作者創造の架空の藩、庄内藩がモデルとされている)を舞台に 政変に巻き込まれて 父 牧助左衛門を失い、家禄を減らした若者 牧文四郎が 剣術道場の友人等と交遊を深めながら成長していく様が 描かれていますが 次第に お世継ぎを巡る藩の政争や騒動に巻き込まれていき 「罠」「逆転」「刺客」では 時代小説ならではのクライマックス、生死を掛けた活躍を見せるという内容です。
物語は 15才の若者 牧文四郎と隣家の小柳甚兵衛の娘 おふくとのたわいない出来事、「朝の蛇」から始まり 最終章「蝉しぐれ」では 藩主の側女「お福さま」となったおふくが 二十数年の時を経て 藩主没後尼となる寸前に牧文四郎改め、郡奉行牧助左衛門と 立場を超えて密会し、お互いに子供の頃からずっと持ち続けていた淡い恋心を打ち明けあい、抱きあい、生涯の悔いから放たれ、思い残すことは無いと心穏やかに別れるシーンで終わっている。

東北の小さな城下町とその周辺の自然描写が見事であり 物語の最初も、最後も 蝉しぐれが 一帯を包んでいるいる情景設定、山形県鶴岡市出身の作者ならでは作品だと思います。


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4 コメント

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Unknown (伊藤)
2016-12-03 12:37:33
私も藤沢周平の大ファンです。(^^;>
蝉しぐれ、良いですよね。藤沢周平さんの記事は私もブログで何度か取り上げています。
山形県庄内地方の鶴岡市出身ですね。
ちなみに、以前のエントリー「夜明けの歌」の岸洋子さん。
岸さんも同じく庄内の酒田市出身です。
今でもJR酒田駅では列車が到着すると岸洋子さんの夜明けの歌(エレクトーン演奏ですが)が流れます。
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私も (tappe)
2016-12-03 13:15:54
藤沢周平、大好きでほとんどシリーズものは読みました。
「三屋清左衛門残日録」は未読でしたが、takeziiさんのご紹介で読むことができました。
ほんとに彼の作品は肩肘を張らずのんびりと読め、好きです。
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伊藤様、こんにちは、 (takezii)
2016-12-03 13:52:09
コメントいただき 有難うございます。
早速 伊藤様のブログ 拝見しました。
藤沢周平作品についての 深い造詣、感じ入っております。
余り 本を読んでいない爺さん、教えられること 多く 感謝感謝です。
そうですか。「岸洋子さん」「夜明けのうた」・・、
たまたま でしたが 御地と関わりがありましたか。
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tappe様、こんにちは、 (takezii)
2016-12-03 13:55:40
コメントいただき 有難うございます。
tappe様も 大変な読書家なんですね。
はずかしながら 余り 本を読んでいない爺さん、いろいろ 教えられること数多、感謝感謝です。
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