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「世の中ワースト20清少納言選」・まんがゼミナール「枕草子」 その24

2021年10月19日 16時49分49秒 | 読書記

足腰大丈夫な内に出来る限り、不要雑物処分・身辺片付け整理をしよう等と思い込んでからすでに久しいが、正直なかなか進んでいない。それでもここ2~3年には、押し入れや天袋、物置、書棚等に詰まっていた古い書籍類等をかなり大胆に処分してきた。ただ、中には「これ、面白そう・・」等と目が止まり、残してしまった書籍もまだまだ結構有る。その中に 漫画家赤塚不二夫著、元東京学芸大学附属高等学校教諭石井秀夫指導の古典入門まんがゼミナール「枕草子」(学研)が有る。多分、長男か次男かが、受験勉強中に使っていた「枕草子」の解説本・参考書の一つのようだが、錆びついた老脳でもなんとか読めそうな、まんがで描いたくだけた内容、その内いつか目を通してみよう等と仕舞い込んでいたものだ。ながびく新型コロナ禍、不要不急の外出自粛中、ふっと思い出して、やおら引っ張りだしてみた。当然のこと、本格的な「枕草子」解説本、参考書とは異なり、限られたサワリの部分に絞ったものであるが、学生時代に多かれ少なかれ齧っていたはずの日本の代表的な古典、清少納言の「枕草子」も、ほとんど覚えていないし、「古典」に疎く、苦手な人間でも、十分楽しめそうで、御の字の書である。


「世の中ワースト20清少納言選」・まんがゼミナール「枕草子」 その24

第28段 「憎きもの」
鋭敏な感覚の持ち主であった清少納言にとっては、不作法な人間、他人への思いやりの無い人間、自分本位で愚痴をこぼす人間等は 「憎きもの」として軽蔑すべき存在だった。「憎きもの」には、数多くの内容が含まれているが、無遠慮、不作法、思いやりの無さを、憎む気持ちで一貫している。そんな「憎きもの」を列記している段。

憎たらしいもの、ワースト・イレブン、ただし、順位なし。
イラ、イラ・・「急用があるとき、来イはる長っ尻で、おしゃべりなお客」、
ギシ、ギシ・・「硯の中に、髪の毛が入り、気が付かずに墨をすったとき、墨の中に石が混じって、ギシギシいうとき・・」
「教養も才能も程度が低いくせに、得意顔にしゃべりまくっている人」
「股火鉢する者は、ひどく下品どすワ。火鉢の火や囲炉裏で手のひらを返し返しあぶっている者、ほとんどみすぼらしくおます」
「前をおおうべき狩衣の前垂れをひざの下に巻き込んで座ったりされはる人、下衆のするよな振る舞いを殿方がされはって、見苦しおます」
「酒を飲みはり、わめきたて、指で口の中をせせらがり、ひげのある者は、それをひねくり、盃を受けさせる、ほんまに憎たらしワ。れっきとして身分の殿上人がなされはるのはほんまにいやなもの・・・」
「人の話を聞こうとするとき、急に泣き出す赤ん坊・・・」
ギャー、ギャー、バサ、バサ、「いつも騒々しいカラスども」
ウッ!、ウワン!・・「人目を忍んで来てくれはる風流士を、顔見知りのくせに吠える憎たらし犬」、
フンガー!・・「やむを得ず、無理な場所に隠した彼が、(イビキ)、人の気も知らへんで、これはあんまりや」
ワッ!、ドタン!・・「香炉にけつまずいてしもた・・、こないドジとは 付き合いとうない!」
「今、深ーい仲になってる男が前に付きおうた女子の話をするのも。それがかなり、昔のことやっても、腹がたちます」
ギーコ、ギーコ・・「ギイギイきしめく牛車を乗り回す人、その無神経さ、手入れの悪さに腹が立ちます」
ブーン・・「か細い音とゆうほどやのに、けっこう風まで立てよってから、迫って来る蚊は憎たらしどす」
「何と言うたかて憎たらしいのは、ノミでおます。衣の下などかゆがゆしく、跳びはねよって、かゆいーっ!」


原文だよーん

憎きもの、急ぐことある折に来て、長言(ながごと)するまらうど、・・(中略)・・、ねぶたしと思ひて臥したるに、蚊の、細声にわびしげに名乗りて、顔(かほ)の程に飛びありく。羽風さへその身の程にあるこそ、いと悪けれ


(注釈)

憎たらしいもの、急用の有る時にやって来て、長話をする客、・・(中略)・・、眠たいと思って横になった時に、蚊が細い声で切なそうにブーンと名乗って額のあたりに飛び回るの。羽風までが、その体相応にあるのこそひどく憎らしい。

 

 


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