草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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割り算の意味

2011年10月25日 20時38分50秒 | 
 平成21年の白鷗では、分数の割り算で割る数の逆数、つまり分母と分子をひっくりかえしてかけるのはなぜかが問われています。この点に関する教科書の説明はなかなかわかりにくいようです。巷の文献で調べてもどうもかなり著名な学者にしてもはっきりいって「ようわからん」説明を平気でやっています。  今日はこの問題について少しお話をしてみようかと思い立ちました。  そもそも割り算とは何かです。これもまたよくなされる説明がありまして、(1)分ける (2)倍率 の2つです。「分ける」というのは、たとえば、50個のキャンディーを5人で分ける場合に一人何個になるかという場合です。50個÷5人=10個/人 ですね。このように割る数が整数の場合は「分ける」という意味は非常によく理解できますね。  しかし、50÷2/5 だとどうですか。50個を5分の2に分けるなどという意味が常識的に考えてわかるわけがありません。  この点、割り算のもうひとつの意味、「倍率」だと、分数でわる場合もその何倍かを考えるわけで意味としては理解できますね。そこで、分数で割る場合は、こちらの意味で説明するなどという本も出ています。  そもそも割り算というのはいったい何なのか。私の考えを述べてみたいと思います。私の考えは、今竹の会で算数の基本となる割合の考え方を指導する場合の根幹となる考え方です。そもそも私が今竹の会で指導している割合の説明法は市販の参考書のどこにも見られない独自の方法です。今竹の会の子どもたちがこの私の開発した思考方法で驚くほどの速さで割合問題を理解し解いている現実を私は知っています。この方法を理解した小5がいきなり中学入試の問題を解いてしまったのです。しかも一人というのではなくこの方法を理解したすべての小5がです。  私は、分数で割るという場合の割る数というのは、「分ける」の意味で考えるならば、それは「一人分」を出しているのだと思っています。いやいや翻って考えてみて、割り算というのは、結局「割る数」を「1」とする計算をやっているということなのです。割り算で出てくる答えというのは、割る数を「1」としたときの「割られる数」なんです。ということは、すべての割り算は、出てくる商が倍率を表すとして、割る数を「1」としたときの倍率を表している、つまり、割る数=1のときの割る数が何倍かを表しているということです。 これは、ちょっとわかりにくいと思いますので、具体的な例をあげておきます。   100÷20=5 この割り算で倍率5ですね。   すると、これは、5÷1=5 と同じ計算なんです。どちらも倍率5でしょ。そして割る数を1とした場合、割られる数は5ですよね。   すべての割り算は究極的には割る数=1の割り算をやっているだけなんです。   これが割り算の本質です。   そしてそこにさまざまな本質を解き明かす秘密が隠されているのです。   割り算のときなんで割る数の逆数をかけるのか。倍率を出して、割る数を1にしてみれば、すぐわかりますよ。   私はもう何年も割り算やかけ算の本質について考えてきました。悩んできまました。そして子どもたちにどうしたら「わかりやすい」理解を与えてやれるのか考えつづけてきました。いや今でもよく考えます。1.3ミリの愛用のシャーペンとクリーム色のメモ用紙にいつも思いついたアイデアを書きます。これはいい説明法を思いついたとひとりで喜んだりしています。毎日毎日が私には産みの苦しみです。小学生を指導するようになって、本当にいろいろなそれまで簡単で当たり前とされていたことを問い返し、疑って自分で納得のいくまで考えています。   5個 ? 5個=25個  これ合っていますか。単位の計算だと個の2乗になるはずですよね。単位が同じものどうしのかけ算ってないですよね。   たとえば、5個✕5人ならわかりますよね。5個というのは、正確には、5個/人ですよね。つまり「1人あたり5個」として、5人分なら何個かという計算は意味ある計算ですよね。個/人 というのは、1人あたり個ですが、分数です。これに「人」をかけると分母の「人」と約分されて「人」は消えて「個」だけ残りますから。25個の個があるのです。わかりますか。単位というのは、意味があるのですよ。
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