「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

築地本願寺、仏教文化講座2017.10堀江氏

2017-10-21 20:58:58 | 仏教
堀江氏。東京大学准教授。見た目、40代半ば。
普段は医療関係者、介護士などに対してセミナーを開催している。
東大の文化系の生徒に教えたりもしている。

生い立ち、
祖母は真宗、祖父は真言宗。宗教戦争状態。
廃仏棄却の波にもまれ、廃寺となった真言宗のお寺。
父は祖父の流れをついで、近くのお寺から僧侶を招き、
お寺を復興させた。
父は檀家のまとめ役。母は元はクリスチャン。
自分は、高校の時から心理学。後に宗教心理学で博士論文。

死後の世界について、著名な人の死生観にも学ぶし、
宗教、身近な人、年取った人などに学んでいる。

医者・僧侶は、人の死に直面して学んでいる。
でもそれは、他者の死について。
学生は、死について関心はあるが、
その反面、死に関わることは少ない。

西洋の心理学者。
死後生を信じていなかったある心理学者。
患者に死んだら幽霊となって出ると医者に言った。
そして、患者の死後エレベータの中で
医者は死んだ患者と出会う。
そういうことがあり、信じてきた医者、学者もいる。

日本ではかつてスピリチュアルブーム。
江原氏について、論文を4つも書いた。
一般の人たちは、死後の世界の有無について、
人に押し付けなくなった。
江原氏が言うように、夢物語として聞いてくださいと占う人に
伝えていたというのにも現れている。

震災後、NHKが「亡き人との再会」という番組を作った。
霊的体験がその中で述べられていた。
故人との霊的体験が癒しになるのであれば問題ない。
いい番組だったというのが大半だった。

現代の仏教教団では、死後の世界の見方が分かれる。
霊魂否定は、浄土真宗、臨済宗妙心寺派、曹洞宗など。
霊魂否定が明確でないのは、
天台宗、高野山真言宗、浄土宗、日蓮宗など。

お葬式をどう思ったかについてアンケートをとったことがある。
お葬式がよかったという人もいれば、
僧侶の言葉に傷ついたという人もいた。
僧侶の言葉でいい葬式だったかどうかという印象に
つながることもある。

死生観の多様性を重視したい。
その人それぞれに、宗派の言葉が合うことがある。
多様性。日本の死生観はいいかげん。つまり、よいかげん。
輪廻、祖先崇拝、、、いろんな地域で仏教感が違う。

死を前にして、いかに生きるか、
どうやって死に向かっていくかが大きなテーマ。

死を前にして、見通しなく死ぬというのは難しいし、つらい。
死が示す物語を示してくれるものがあったほうがよい。

(浄土真宗では、極楽浄土へ行ける。
チベット仏教では、輪廻が信じられ、魂は生まれ変われる。
ブータン仏教では、来世のために現世で得を積み、
来世で幸せになりたいと願う。)

自分に合った死の物語を持っておいたほうがよい。



死に関して、視点の違った興味深い講座だった。

最後に、堀江のりちか、「霊といのち」でネットで検索すると、
論文が読めるようになっているらしい。

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