ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

大場浩平vs新保力

2006年04月08日 | 国内試合(その他)
今年2月、元世界王者マルコム・ツニャカオの持つ東洋太平洋
バンタム級王座に挑戦して引き分けに終わった大場が、早くも
再起戦を行った。

異常に早いペースだが、それだけツニャカオ戦のダメージが
少なかったということだろう。ドローだったとはいえ、それは
明らかな地元判定による採点で、実際には完敗だった。
ツニャカオと12ラウンド戦って「敗れ」ながら、ほぼノーダメージ
でいられるボクサーが日本にいるとは驚きである。

この再起戦の舞台は後楽園ホール、相手はノーランカーの新保。
WBCのスーパー・フライ級15位にランクされる大場としては、
格下を鮮やかにKOしたい、あるいは東京の目の肥えたお客さんに
自分のいい所を見てもらいたい、といった思いがあったのだろうか。
この日の大場は力みがちで、勝ち急いでいるようにも見えた。
ラウンド開始のゴングが鳴る度にリング中央に駆け出していくなど、
普段の大場からは考えられないことだ。

結果は、1度のダウンも奪えず判定勝ち。パンチに力みがあるせいか
倒すことは出来なかったが、体調自体は悪くなかったようで、いつもの
スピード溢れる連打は健在だった。やはり大場のセンスは並ではない。

KO出来なかった理由はもう一つ、ノーランカーの新保の頑張りだ。
世界ランカーの大場に対して全く臆することなく、果敢に前進して
手を出していく。打たれ強さもなかなかのものだ。終盤は大場に
打ちまくられて危険な瞬間もあったが、何とか最終ラウンドまで
耐え切った。

判定は問題なく大場。倒せなかったとはいえ、圧巻のスピード、華麗な
身のこなしで観客を魅了し、また新保の奮闘もあって全く飽きの来ない
10ラウンズだった。







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